2017年1−3月分
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これからの話は消費者(飲み手)という立場で書いていきます。評論家や蔵元、酒屋の立場では見ていません。と言う事は、売りたいための宣伝はしませんし、太鼓持ちのような感想も書きません。また、音楽とか味覚とかいう物は大変抽象的で表現が難しいのですが、平易に書きたいと思います。
よく、食べ物店の紹介記事で絶賛している物を食べると、首を傾げたくなる時が多々ありますし、テレビでリポーターが口に入れたとたん「うまい」と発言しているウソ等はここでは、しないように心がけています。
◆月に一度の例会で飲んだ吟醸酒について、ズバリ、どういう酒か、皆様への判断基準を書きます。 A;味、B;香り、C;コストパフォーマンス、D;総合評価を、各5点評価(5;最上 4;良 3;まあまあ 2;まだまだ 1;評価外)で表します。 総合評価3−(マイナス)以下ではもう一度買うかと言えば、考えてしまうレベル。2ではタダで贈られても困ってしまうレベル。
私の独断と偏見なしで評価し、E;寸評も入れます。なお、会での評価も、判断基準の参考にしています。また、評価はこの日に飲んだ吟醸酒の味で、次回も酒の性格上、ロットや時間が変れば同じとは言切れませんが、傾向としては、間違ってはいないと思います。
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◇イイお酒を、イイ友と、イイ肴と、イイ会話で月1回楽しむ会です。◇
2017年次回4月例会は、29日(土)です。
2017年3月25日(土)例会
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1.九重雑賀(和歌山県紀の川市) 純米吟醸 「雑賀にごり・ネージュブラン」
原料米;−、 精米歩合;60% 【アルコール分】 16度 1.8L \2,808
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+
E寸評;にごり酒でビンに1/3程の白濁したオリが沈んでいます。開栓注意の張り紙がありますが、栓に穴が開いていて、シャンペンのように吹き出すことがなく、その期待を破ります。猪口に注ぐと、一瞬細かい炭酸が上がってきますが、炭酸のピリピリ感はにごりの特徴です。炭酸が抜けると、バランスした旨味とサラリとした品性が飲み手を楽しませてくれます。
底に溜まったオリを、混ぜて白濁した酒は、酸味がきつく、味わいのバランスがくずれ、まったく別の酒になってしまいました。
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2.八百新酒造(山口県岩国市) 純米 「雁木」 無沪過生原酒
原料米;−、 精米歩合;60% 【アルコール分】 17度 1.8L \2,916
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+
E寸評;雁木独特の酸味が走るが、いや味無く飲み手を誘う。食中酒としてはベスト、会で一番飲まれたのが、この雁木。
加水してアルコール度数を2%程下げたら、香り立ち、旨味が虹のように広がり、ワングレード上がって全く別物の美酒になった。
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3.木村酒造(秋田県湯沢市) 純米吟醸 「角右衛門」 無圧上槽中汲み生酒
原料米;美山錦、 精米歩合;55% 【アルコール分】 17.5度 【日本酒度】+1.1 【酸度】1.5 1.8L \3,024
A;味4+、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;「福小町」醸造蔵。美山錦の旨さと、香りがほとばしる。雑味なく、バランスして旨さが十分に飲み手に伝わってくる。
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4.八戸酒造(青森県八戸市) 特別純米 「陸奥八仙赤ラベル」 生原酒
原料米;麹米華吹雪/掛米まっしぐら、 精米歩合;麹米55%/掛米60% 【アルコール分】 16度 1.8L \3,132
A;味4+、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;地元の酒米を使い丁寧に仕上げ、上品な吟醸香が口中で広がり、旨さを引き立てます。
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5.鳩正宗酒造(青森県十和田市) 純米吟醸 「稲生(いなおい)」
原料米;山田錦、 精米歩合;58% 【アルコール分】 15度 1.8L \3,348
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価5
E寸評;田舎のお姉ちゃんのように垢抜けしないが、どんな肴にも合い、その旨さが口中を抜けていく。しかし、時間をおくと、垢抜けしてまろやかさが増し、旨味香りがグンと上がった。
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6.松井酒造店(栃木県塩屋町) 純米吟醸 「松の寿」 無沪過生原酒
原料米;雄町、 精米歩合;55% 【アルコール分】 17〜18度 【日本酒度】+2 【酸度】1.5 1.8L \3,564
A;味4+、B;香り5、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価5
E寸評;さわやかな香りと、旨味が、酒米雄町の厚味のある味わいの中に凝縮されていて、安心して味わえる。
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2017年2月25日(土)例会
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1.林本店(岐阜県各務原市) 純米 「百十郎」
原料米;−、 精米歩合;70% 【アルコール分】 15度 1.8L \2,263
A;味4+、B;香り4、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4
E寸評;さらりと口中を抜ける。食中酒として深みは無いが、自分のカラーを出さずに食事を楽しませる。
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2.宮坂醸造(長野県諏訪市) 純米 「真澄」 寒造り
原料米;−、 精米歩合;60% 【アルコール分】 15度 1.8L \2,575
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+
E寸評;食中酒としてサラリと口中に溶け込んで、鼻高を自慢しない。百十郎も真澄も新酒だけあってフレッシュ感がイッパイで、イヤな匂いも無く清楚な感じは好感が持てる。
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3.夢心酒造(福島県喜多方市) 純米 「奈良萬」 無濾過生酒
原料米;−、 精米歩合;55% 【アルコール分】 17度 1.8L \2,808
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+
E寸評;酒の色が付いて秋口の酒かと思わせるが、新酒で、炭酸味が口中で弾ける。味わい太めで、開封してから時間が経つと味わい落ち着いてきて旨味を増した。
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4.せんきん(栃木県さくら市) 純米吟醸 「モダン仙禽」
原料米;さくら市産雄町、 精米歩合;麹米35%/掛米50% 【アルコール分】 15度 1.8L \3,456
A;味4+、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;色濃く、また味わいも深く、酸味がシッカリと付いているが旨味は充分。味わいバランスして淡麗。
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5.八海醸造(新潟県南魚沼市) 純米吟醸 「八海山・越後で候」 生原酒
原料米;−、 精米歩合;50% 【アルコール分】 17.5度 1.8L \3,888
A;味4+、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;強い酸味が口中を差し、そのざわめきが落ち着くと、深い味わいが楽しめる。しかし、その味わいは、デカンターを通しても時間が掛かる。
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2017年1月28日(土)例会
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1.富士高砂酒造(静岡県富士宮市) 純米吟醸 「高砂・雄町」
原料米;備前雄町、 精米歩合;58% 【アルコール分】 15〜16度 【日本酒度】+5 1.8L \3,198
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;雄町の良さを全部引き出して、重厚で濃厚な旨味と香りがあふれ出ている。品性良く清楚で旨味充分。
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2.府中誉酒造(茨城県石岡市) 純米吟醸 「渡舟」 無沪過酒
原料米;短稈渡船、 精米歩合;55% 【アルコール分】 15度 1.8L 3,240円
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;香り高く旨味充分。味わいバランスして奥行きも有り品性イイ。
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3.八百新酒造(山口県岩国市) 純米 「雁木」 無沪過生原酒
原料米;山田錦、 精米歩合;50% 【アルコール分】 17度 1.8L 3,456円
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;新酒の酸味が口中をよぎる。香り高く、味わい媚びずいつもの雁木がそこに有る。
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4.竹鶴酒造(広島県竹原市) 純米吟醸 「小笹屋竹鶴」 原酒
原料米;大和町雄町、 精米歩合;65% 【アルコール分】 20度 【酵母】協会701号 1.8L 3,564円
A;味3、B;香り4、C;コストパフォーマンス3、D;総合評価3
E寸評;1年前の古酒。精米歩合が低いせいか、色濃く、老香が口中を駆け回る。熟成酒と言うより、管理がまずく夏が越せずに酒の旨さが飛んで腰砕けになってしまった。アルコール度数は高いが、その感は無い。
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5.神沢川酒造場(静岡市清水区) 純米吟醸 「正雪・山影純悦」
原料米;山田錦、 精米歩合;50% 【アルコール分】 16〜17度 【日本酒度】+0 【酸度】1.3 1.8L \3,600
A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;正雪の看板商品が、今年はどうしたのでしょう。あの旨さに物足りなさを感じる。奥行きも深さも感じられず、旨味成分も感じられない平坦な水のようだ。
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