最近呑んだ吟醸酒について
   

 

 

2019年1−3月分

 

   

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  これからの話は消費者(飲み手)という立場で書いていきます。評論家や蔵元、酒屋の立場では見ていません。と言う事は、売りたいための宣伝はしませんし、太鼓持ちのような感想も書きません。また、音楽とか味覚とかいう物は大変抽象的で表現が難しいのですが、平易に書きたいと思います。

 よく、食べ物店の紹介記事で絶賛している物を食べると、首を傾げたくなる時が多々ありますし、テレビでリポーターが口に入れたとたん「うまい」と発言しているウソ等はここでは、しないように心がけています。 
  

◆月に一度の例会で飲んだ吟醸酒について、ズバリ、どういう酒か、皆様への判断基準を書きます。

 A;味、B;香り、C;コストパフォーマンス、D;総合評価を、各5点評価(5;最上 4;良 3;まあまあ 2;まだまだ 1;評価外)で表します。 総合評価3−(マイナス)以下ではもう一度買うかと言えば、考えてしまうレベル。2ではタダで贈られても困ってしまうレベル。 

 私の独断と偏見なしで評価し、E;寸評も入れます。なお、会での評価も、判断基準の参考にしています。また、評価はこの日に飲んだ吟醸酒の味で、次回も酒の性格上、ロットや時間が変れば同じとは言切れませんが、傾向としては、間違ってはいないと思います。

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 吟醸酒の会へのお誘い  

 

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◇イイお酒を、イイ友と、イイ肴と、イイ会話で月1回楽しむ会です。◇

 


2019年次回4月例会は、27日(土)です。

 

 


 

 

2019年3月30日(土)例会


 

1.高橋庄作(福島県会津若松市)  純米  「雪がすみの郷」  生酒うすにごり
原料米;会津産酒造好適米、 精米歩合;55%  【アルコール分】 15度  1.8L \ 2,700
 A;味4+、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5

E寸評;一般的に濁り酒は時間が経つとビン内発酵が進み味に変化(劣化)が現れます。ビンの底に溜まった濁りの部分は味の変化が顕著で、上澄みだけを呑むと美味しいのに攪拌して呑むと全体が劣化してしまいます。この酒は、そのような事が無く、発酵の進んだ炭酸臭も無く、さらりとイヤな癖も無く、うすにごりの旨さがほとばしる。この価格では信じられないような旨さがある。

2.木村酒造(秋田県湯沢市)  特別純米  「角右衛門」  直汲み生酒
原料米;吟の精25%/めんこいな75%、 精米歩合;55%  【アルコール分】 17度  【日本酒度】+1.0〜-0.5  【酸度】1.5  【酵母】協会1801号  1.8L \ 3,070
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価
E寸評;木村酒造はこの角右衛門と福小町を造っています。福小町は先月に対面、今月は角右衛門です。相変わらず、美酒製造蔵で、雑味も無く米の旨みも十分有って、奥行きもある。新酒にある酸味も無く、味わいこなれてバランスしている。


3.高千代酒造(新潟県魚沼市)  純米吟醸  「たかちよ」  無調整生原酒
原料米;雄町、 精米歩合;70%  【アルコール分】 16度  1.8L \ 3,132
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5

E寸評;酒米雄町の味わいを十分に引き出し、米の旨み充分で味わいバランスして濃厚です。新潟の酒で裏切られる事が多い中、そのイメージを覆した酒です。


4.小林酒造(栃木県小山市)  純米吟醸  「鳳凰美田」  生酒
原料米;山田錦、 精米歩合;50%  【アルコール分】 16〜17度  1.8L \ 3,240
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5

E寸評;能書き無く旨い佳酒。真打ち登場と最後に出した酒なのに一番人気でビンが空になった。あまり褒めると入手困難になるから、これ以上の褒め言葉は言わない。1月に呑んだ同名の酒とはレベルが違い、この金額の差ならこちらが断然それ以上の価値がある。

5.福田酒造(長崎県平戸市)  純米吟醸  「福田」  無濾過生原酒
原料米;山田錦、 精米歩合;55%  【アルコール分】 16度   1.8L \ 3,348
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5

E寸評;蛇の目の猪口に、うっすらと微妙に泡が浮いてくる。炭酸臭に悩まされるのかと思ったら、その酸味も、雑味も無く旨みが立ち上がってくる。

 

 

 


 

 

 

 

2019年2月23日(土)例会


 

1.齋藤酒造(青森県弘前市)  純米吟醸  「六根・タイガーアイ」  生酒
原料米;華吹雪、 精米歩合;60%  【アルコール分】 16度   1.8L \ 3,240
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+

E寸評;OFF TOKYO MEETUP 2017 酒類コンクール金賞受賞酒。2018.12.製造。
旨さ有って、味こくがあって、奥深い。雑味がなく五味バランスしている。

2.三浦酒造(青森県弘前市)  純米吟醸  「豊盃」  しぼりたて生酒
原料米;−、 精米歩合;麹米55%/掛米60%  【アルコール分】 16度   1.8L \ 3,240
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+

E寸評;味わいバランスして、清楚で旨み充分だが、味わい薄く感じられ物足りない。デカンタに入れてみたが、変わらなかった。

3.木村酒造(秋田県湯沢市)  純米吟醸  「福小町」  生酒
原料米;秋田県産酒造好適米、 精米歩合;55%  【アルコール分】 16.5度  【日本酒度】+2.0  【酵母】協会1801号  1.8L \ 3,240
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5

E寸評;新酒30BY。表のラベルはなく首から提げた襟巻きにその状態が示されています。清楚で旨み十分。若干渋みを感じるが、全体のイメージは下げない。

4.桃川(青森県おいらせ町)  純米吟醸  「生原酒」  生原酒
原料米;−、 精米歩合;60%  【アルコール分】 17〜度   1.8L \ 3,402
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5

E寸評;2019.02製造。この酒も首から襟巻きを提げていますが、ラベルが裏表ともビンに直接印刷されていて素晴らしいが、コストが掛かっているのでしょうね。美味、たまらず次のもう一杯に手が伸びる。五味バランスされて、雑味がなく、清楚で奥行きもあり楽しく飲める。

5.八百新酒造(山口県岩国市)  純米吟醸  「雁木ノ弐」  無濾過生原酒
原料米;山田錦、 精米歩合;50%  【アルコール分】 17度   1.8L \ 3,456
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5

E寸評;2019.02製造。旨い。軽快な味わいから、しっかりした旨みがほとばしる。旨み充分で、繊細な刺身から中華料理までどんな肴にも負けない。酒の味わいが楽しめる佳酒。

 

 

 


 

 

 

2019年1月26日(土)例会


 

1.九重雑賀(和歌山県紀の川市)  純米吟醸  「雑賀」 おりがらみ生酒  
原料米;−、 精米歩合;麹米55%/掛米60%  【アルコール分】 15度  1.8L \2,808
 A;味3、B;香り3、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価3

E寸評;薄濁りだが、開栓しようと栓の保護アルミを外しかけたら、凄い音を残しアルミと栓が飛んだ。蛇の目の猪口が炭酸で泡だらけになっている。炭酸味が強く酒の旨みが何所にも感じられない。雑賀のイメージが何所にも無く、悪いイメージだけが残った。


2.木下酒造(京都府京丹後市)  純米吟醸  「福袋」  無濾過生原酒
原料米;五百万石、 精米歩合;60%  【アルコール分】 17〜18度   1.8L \ 3,024
 A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4

E寸評;とろりと旨さが口中に残るが、炭酸臭がキツく旨さ不十分。


3.大澤酒造(長野県佐久市)  純米吟醸  「明鏡止水」 生酒  
原料米;−、 精米歩合;麹米50%/掛米55%  【アルコール分】 16〜17度  【日本酒度】+3  【酸度】1.6  1.8L \ 3,024
 A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4

E寸評;わずかにオリが有り炭酸味が味わいのバランスを崩す。旨みは有るが味わい薄い。片口に入れて酸味が飛んだ頃に改めて呑んだら、酸味は無くなったが、旨みも少なくなった。

4.小林酒造(栃木県小山市)  純米吟醸  「鳳凰美田」  生酒
原料米;−、 精米歩合;55%  【アルコール分】 16〜17度   1.8L \ 3,024
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;相変わらず旨い。雑味が無く、奥行き深く、味わいのバランスが整って、安心して酒を楽しむことが出来る。


5.今西酒造(奈良県桜井市)  純米吟醸  「みむろ杉」  無濾過生原酒
原料米;山田錦、 精米歩合;60%  【アルコール分】 16度   1.8L \ 3,240
 A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+

E寸評;新酒の酸味が薄く口中を刺すが、旨みが十分に有り、旨さを誇示する。片口に入れて味わったら、旨みが淡泊になって力を無くした。

 

 

今月の酒達は、全て新酒です。新酒に飛びつく私も私ですが、今回はどうしても新酒独特の炭酸臭がキツく、旨みを駆逐してあまり有る炭酸の力です。この時期には新酒に溶け込む炭酸臭を味わうのも季節を楽しむ一つの方法なのでしょうが、あまりにも味わいのバランスを崩すようなオリがらみや、無濾過では主客転倒。日本酒の旨さが感じられないようでは、新酒の意味も失せてきます。季節感だけでは無く、日本酒の本来の美味さが何所なのか、忘れないで欲しいと思います。


 

 

 

 

 


 

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