最近呑んだ吟醸酒について
   

 

 

2019年4−6月分

 

   

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  これからの話は消費者(飲み手)という立場で書いていきます。評論家や蔵元、酒屋の立場では見ていません。と言う事は、売りたいための宣伝はしませんし、太鼓持ちのような感想も書きません。また、音楽とか味覚とかいう物は大変抽象的で表現が難しいのですが、平易に書きたいと思います。

 よく、食べ物店の紹介記事で絶賛している物を食べると、首を傾げたくなる時が多々ありますし、テレビでリポーターが口に入れたとたん「うまい」と発言しているウソ等はここでは、しないように心がけています。 
  

◆月に一度の例会で飲んだ吟醸酒について、ズバリ、どういう酒か、皆様への判断基準を書きます。

 A;味、B;香り、C;コストパフォーマンス、D;総合評価を、各5点評価(5;最上 4;良 3;まあまあ 2;まだまだ 1;評価外)で表します。 総合評価3−(マイナス)以下ではもう一度買うかと言えば、考えてしまうレベル。2ではタダで贈られても困ってしまうレベル。 

 私の独断と偏見なしで評価し、E;寸評も入れます。なお、会での評価も、判断基準の参考にしています。また、評価はこの日に飲んだ吟醸酒の味で、次回も酒の性格上、ロットや時間が変れば同じとは言切れませんが、傾向としては、間違ってはいないと思います。

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 吟醸酒の会へのお誘い  

 

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◇イイお酒を、イイ友と、イイ肴と、イイ会話で月1回楽しむ会です。◇

 


2019年次回7月例会は、27日(土)です。

 

 

 

 

 


 

 

 

2019年6月29日(土)例会


 

1.新澤醸造店(宮城県大崎市)  純米吟醸  「伯楽星」 
原料米;−、 精米歩合;55%  【アルコール分】 16度  1.8L \ 2,991
 A;味4+、B;香り5、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+

E寸評;香り豊かで、味わい清楚。旨みは奥ゆかしくさわやかですが、奥深さがありません。価格からすると仕方が無いのでしょうが、比較しないでこれだけ呑めば、優等生。


2.来福酒造(茨城県筑西市)  純米大吟醸  「来福・朝日」 無濾過
原料米;岡山県産朝日、 精米歩合;50%  【アルコール分】 16度  1.8L \ 3,024
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5

E寸評;香り味わい充分で、旨みを引き立てる。トロリと口中で転がる甘みが酒の旨さをさらに引き立てる。しかし、渋みが口中に若干残る。


3.小林酒造(栃木県小山市)  純米大吟醸  「鳳凰美田」  生酒
原料米;山田錦、 精米歩合;50%  【アルコール分】 16〜17度  1.8L \ 3,240
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5

E寸評;旨い。味わいバランスして香りも過不足無く十分。先月も呑んだので、味わい変わらず旨い。安心して呑める佳酒。


4.せんきん(栃木県さくら市)  純米大吟醸  「モダン仙禽」 無濾過生原酒
原料米;さくら・雄町、 精米歩合;50%  【アルコール分】 15度  1.8L \ 3,456
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5

E寸評;栓を抜くと、軽快な音と共に吟醸香が漂い、蛇の目のお猪口から、微細な泡が沸いてくる。しかし、炭酸臭は無い。沸いた香りが旨さをかき立て濃厚でバランスした旨さが堪能できる。


5.八百新酒造(山口県岩国市)  純米吟醸  「雁木」  無濾過生原酒
原料米;山田錦、 精米歩合;50%  【アルコール分】 17度   1.8L \ 3,456
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5

E寸評;旨さが凝縮して、バランスした味わいで安心して呑める。旨さが安定して、何時呑んでも馥郁とした銘酒の優等生。


 

 


 

 

 

 

2019年5月25日(土)例会


 

1.福田酒造(長崎県平戸市)  純米  「福田」 無濾過生原酒
原料米;山田錦、 精米歩合;65%  【アルコール分】 16度  1.8L \2,808
 A;味5、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+

E寸評;香り高く味わい深く濃厚。旨みを十分に含んで飲み応えがある。吟醸酒の仲間に入れても全く力負けしない。晩酌酒にしたらもったいないくらいの力を持っている。


2.花の香酒造(熊本県和水町)  純米大吟醸  「花の香」 
原料米;山田錦、 精米歩合;50%  【アルコール分】 16度  1.8L \ 2,945
 A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4

E寸評;ビン内発酵が進んでいて、帯封を取っただけで、栓が大きな音を立てて天井に突き当たった。酸味がきつく味わいバランスせず、五味バラバラで味わい淡泊で力が無い。


3.小林酒造(栃木県小山市)  純米大吟醸  「鳳凰美田」  生酒
原料米;山田錦、 精米歩合;50%  【アルコール分】 16〜17度  1.8L \ 3,240
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5

E寸評;山田錦の鳳凰美田は文句なしに旨い。通年の旨さを持続する蔵元の力量には感服します。安心してこの旨さを堪能するが、あまり褒めすぎると値段が高くなる心配と、購入出来なくなる心配があるので、褒め言葉はこの辺にして、美酒佳酒に乾杯。


4.日の丸醸造(秋田県横手市)  純米大吟醸  「裏・十文字」 生原酒
原料米;雄町、 精米歩合;48%  【アルコール分】 16度  1.8L \ 3,672
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5

E寸評;「まんさくの花」醸造元。搾り行程で最後の”責め取り”部分を瓶詰めしたものです。
柔らかめの味わいで、渋みが感じられ口中に残る。ベースになる味わいは品性良く、旨み充分で雄町の味わいを堪能させる。


5.吉村秀雄商店(和歌山県岩出市)  純米大吟醸  「裏・車坂」 生原酒
原料米;−、 精米歩合;45%  【アルコール分】 16度  1.8L \ 3,672
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5

E寸評;搾り行程で最後の”責め取り”部分を瓶詰めしたものです。搾りの最後の部分を呑むと、通常、雑味成分を多く含んでいて、出荷はされず、蔵元内で消費されたり、ワンランク下の酒に混ぜ込まれたりします。あえて、蔵元に敬意を表してラベルを裏表逆に印刷しています(上記「十文字」も)。で、「裏ラベル」。雑味感は全くなく、元々が旨い酒なので、その旨みが伝わってくる。


 

 


 

 

 

2019年4月27日(土)例会


 

1.富士高砂酒造(静岡県富士宮市)  純米  「高砂」 
原料米;−、 精米歩合;60%  【アルコール分】 17度 【日本酒度】+8  1.8L \2,624
 A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4

E寸評;濃い色合いの中から濃い味わいと酸味のキツさが目立つ。どうしても次の一杯に手が出ない。呑むにはまだ2〜3ヶ月早かったのか。


2.神沢川酒造場(静岡市清水区)  純米吟醸  「正雪」  
原料米;吟ぎんが、 精米歩合;50%  【アルコール分】 16〜17度 【日本酒度】+4 【酸度】1.1  1.8L \ 2,916
 A;味5、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+

E寸評;透き通った液の中から、品良くさらりとした味わいがあるが、酸味が口中に残る。看板商品なのに、いつもの味わいと違い、バランスが崩れている。


3.旭酒造(山口県岩国市)  純米大吟醸  「獺祭」 
原料米;−、 精米歩合;45%  【アルコール分】 16度  1.8L \ 3,240
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5

E寸評;今までは精米歩合が50%であったが、今年は45%になっています。その分雑味がなく清楚で呑み疲れしない。しかし、コクや芳醇さが無くなってしまった。


4.英君酒造(静岡市清水区)  純米吟醸  「英君」  無濾過生原酒
原料米;備前雄町、 精米歩合;55%  【アルコール分】 17度  【日本酒度】−1 【酸度】1.7  1.8L \ 3,456
 A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;酸味がきつく味わいにザラつきが有り、雄町の味わいも、酒の味わいもなく、素直な味わいも無い。仕込み水の素性が味わいにもろに出てしまったのでは・・・。


5.八百新酒造(山口県岩国市)  純米吟醸  「雁木」  無濾過生原酒
原料米;−、 精米歩合;50%  【アルコール分】 17度   1.8L \ 3,564
 A;味4+、B;香り5、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4

E寸評;ビンの底にフアフアとしたオリにしては大きな塊が複数浮き沈んでいる。いくら無濾過だと言っても大きすぎる。雁木にしては酸味がきつく味わいにバランスが欠け、こなれていない。

 

 

★ 平成最後の酒の会です。今回の酒達は、どれも新酒ですが、酸味がきつく味わいを損ねているのが有ります。どれも味わいバランスせず、旨みの足を引っ張る結果になっている。新酒の時期は”やんちゃ”なのは分かりますが、あまり世間知らずのやんちゃ娘では話しかけるのにも嫌気がさします。

 


 

 

 

 

 


 

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