最近呑んだ吟醸酒について
   

 

 

2019年10−12月分

 

   

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  これからの話は消費者(飲み手)という立場で書いていきます。評論家や蔵元、酒屋の立場では見ていません。と言う事は、売りたいための宣伝はしませんし、太鼓持ちのような感想も書きません。また、音楽とか味覚とかいう物は大変抽象的で表現が難しいのですが、平易に書きたいと思います。

 よく、食べ物店の紹介記事で絶賛している物を食べると、首を傾げたくなる時が多々ありますし、テレビでリポーターが口に入れたとたん「うまい」と発言しているウソ等はここでは、しないように心がけています。 
  

◆月に一度の例会で飲んだ吟醸酒について、ズバリ、どういう酒か、皆様への判断基準を書きます。

 A;味、B;香り、C;コストパフォーマンス、D;総合評価を、各5点評価(5;最上 4;良 3;まあまあ 2;まだまだ 1;評価外)で表します。 総合評価3−(マイナス)以下ではもう一度買うかと言えば、考えてしまうレベル。2ではタダで贈られても困ってしまうレベル。 

 私の独断と偏見なしで評価し、E;寸評も入れます。なお、会での評価も、判断基準の参考にしています。また、評価はこの日に飲んだ吟醸酒の味で、次回も酒の性格上、ロットや時間が変れば同じとは言切れませんが、傾向としては、間違ってはいないと思います。

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 吟醸酒の会へのお誘い  

 

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◇イイお酒を、イイ友と、イイ肴と、イイ会話で月1回楽しむ会です。◇

 


2020年次回1月例会は、25日(土)です。

 

 

 

 


 

 

2019年12月21日(土)例会


 

1.木村酒造(秋田県湯沢市)  特別純米  「福小町・号外遍」 原酒火入れ
原料米;めんこいな、 精米歩合;55%  【アルコール分】 17.5度 【日本酒度】−1.0 【酸度】1.5 【酵母】協会1801 1.8L \2,970
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5

E寸評;熟成して色濃く、旨みがじんわりと上がってくる。決して活力が無かったり老成香が出たりはしない。

2.廣田酒造店(岩手県紫波町)  純米吟醸  「廣喜.秋あがり」 
原料米;ぎんおとめ、 精米歩合;55%  【アルコール分】 16度 【日本酒度】+3.0  1.8L \ 3,300
 A;味4、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4+

E寸評;これも色濃く古酒ですが、旨みが充分あり活力も有る。しかし、雑味が残り旨さを半減させる。会の中では一人浮き上がってしまった。

3.来福酒造(茨城県筑西市)  純米吟醸  「来福」 
原料米;山田錦、 精米歩合;50%  【アルコール分】 16度   1.8L \ 3,300
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5

E寸評;味わい清楚でオーケストラの様に個々の味わいがバランスして、美しいハーモニーを奏でている。奥行きもあって雑味も無く上品な酸味が旨みを引き立てる。酸味の処理が抜群で、酸味の旨さが際立つ。酔わせるための酒ではなく、味わいを楽しませる佳酒です。

4.九重雑賀(和歌山県紀の川市)  純米吟醸  「雑賀」 ひやおろし
原料米;雄町、 精米歩合;55%  【アルコール分】 16度   1.8L \ 3,300
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5

E寸評;フランスで開かれた”クラマスター”(http://kuramaster.com) で、プラチナ賞を受賞したと首にラベルを下げています。銘酒が世界に広まっていくのが見えます。
 相変わらず雑賀は旨い。上品な旨さと、奥深い厚みがある。旨いという主張はしないが、厚化粧の女性と違って、スッピンでも美女は美女です。私は美人という主張は無いが自然と旨さが伝わってくる佳酒。

5.三浦酒造(青森県弘前市)  純米大吟醸  「豊盃」 生酒
原料米;山田錦、 精米歩合;48%  【アルコール分】 15度   1.8L \ 5,390
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5

E寸評;他の言葉は無く、旨い。能書き言わずに飲む酒。吟醸酒の原点を観る佳酒。何処が旨いかと言うより、味わいバランスして奥行きも厚みもあって、飲み手を吟醸酒の旨みの世界に誘う。一年の締めくくりに飲む酒で有り、年の初めの正月に、栓を抜く酒です。

 

 


 

 

2019年11月30日(土)例会


 

1.木村酒造(秋田県湯沢市)  純米吟醸  「角右衛門 2019 Extra Edition 責切
原料米;美山錦、 精米歩合;55%  【アルコール分】 15度 【日本酒度】+4.5 【酸度】1.2
【酵母】協会1801 1.8L \2,750
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5

E寸評;Extra Edition =純米吟醸の搾りの「責め」の部分をブレンドし、約8ヶ月間10℃前後の低温貯蔵庫にて落着かせたもの(裏ラベルより)。ワインの様な洒落たラベルを着込んだ角右衛門。手を掛けただけ有って旨い。香りは吟醸香を立て、その中からバランスされた酒の旨さがほとばしる。この値段では想像も出来ないほどの美酒です。

2.花泉酒造(福島県南会津町)  純米吟醸  「ロ万(ろまん)」 裏ラベル
原料米;会津産酒造好適米、 精米歩合;60%  【アルコール分】 15度  1.8L \3,000
 A;味4+、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4

E寸評;裏ラベル=通常市販されない搾りの「責め」の部分を瓶詰めしたもの。ラベルを裏焼したもの。
  色濃く責め独特の渋みが残り、旨みが少なく今一歩。精米歩合のあまさがここに出ているのでしょうか。


3.小林酒造(栃木県小山市)  純米吟醸  「鳳凰美田」 無濾過生酒
原料米;五百万石、 精米歩合;55%  【アルコール分】 16〜17度   1.8L \ 3,080
 A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+

E寸評;新酒。毎回飲んでる山田錦とは今回違い五百万石です。今年も新酒の時期になり、早くもここに登場です。新酒独特の炭酸臭は無く、清楚でバランスされたこなれた旨みが上がってくる。これからの新酒が楽しみ。

4.杉勇蕨岡酒造場(山形県遊佐町)  純米吟醸  「嵐童(らんどう)」
原料米;出羽燦々、 精米歩合;50%  【アルコール分】 16度 【日本酒度】−4 【酸度】1.7
【酵母】協会1801  1.8L \3,256
 A;味5、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+

E寸評;濃厚な味わいの中、渋みがアトから追いかけてくる。でも、渋みを取ると、酒米も酒蔵も仕込みも違うのに、角右衛門と味わい似た姉妹の様な味わいが有る。

5.高千代酒造(新潟県南魚沼市)  純米大吟醸  「高千代」 無調整生原酒
原料米;一本〆、 精米歩合;48%  【アルコール分】 16〜17度  1.8L \3,740
 A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4+

E寸評;味わい濃厚で、深みは有るが、雑味も有って、楽しみを半減させる。他の酒達は飲み手達に皆引っ張りだこなのに、2杯目の声が掛かりにくい。

 

 


 

 

 

 

2019年10月26日(土)例会


 

1.瀧自慢酒造(三重県名張市)  純米吟醸  「瀧自慢
原料米;八反錦、 精米歩合;50%  【アルコール分】 16度  1.8L \3,256
 A;味4+、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+

E寸評;さらりとした味わいがバランスして旨みがあるが、若干渋みが残る。


2.山本(秋田県八峰町)  純米大吟醸  「山本
原料米;−、 精米歩合;50%  【アルコール分】 15度   1.8L \ 3,361
 A;味4+、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+

E寸評;「恋のほろ苦さ」も表現しています(ラベルより)。味わい柔らかく厚みがあるが、究極の食中酒と謳っていますが、肴と互角に踊れない。


3.せんきん(栃木県さくら市)  純米吟醸  「モダン仙禽2019
原料米;雄町、 精米歩合;50%  【アルコール分】 15度   1.8L \ 3,600
 A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+

E寸評;栓を抜く前に自ら音を立てて天井まで飛ぶ。炭酸臭は全くないが、微細な泡が猪口の中でうごめいている。片口に入れて空気と結婚させると、泡は無くなり、雄町の落ち着いた味わいになった。


4.小林酒造(栃木県小山市)  純米大吟醸  「鳳凰美田
原料米;山田錦、 精米歩合;50%  【アルコール分】 16〜17度   1.8L \ 3,300
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;毎回、変わらない味わいを保っている佳酒。旨さを言うことより安心してお付き合いが出来る友人のようにホッとする。他の4本と比べても先頭を走る。


5.酔鯨酒造(高知市長浜)  純米吟醸  「酔鯨
原料米;山田錦、 精米歩合;50%  【アルコール分】 16度 【酵母】熊本酵母 1.8L \ 3,666
 A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4

E寸評;味わいザラツキ、口中でなめらかさが無い。旨さももう一息。

 

 


 

 

 

 

 


 

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