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税務通信4月14日号において、15年3月期決算で初適用となる税制改正項目についてのチェックポイントが紹介されました。実務家や経理担当者にとって大きな関心事である改正項目の主な注意点についてご紹介します。
中小企業者等に対する同族会社の留保金課税の特例
青色申告法人で当該事業年度終了の時における資本又は出資金の額が1億円以下の同族会社の平成14年4月1日から平成16年3月31日までの間に開始する各事業年度の同族会社の特別税率の規定については、課税留保金額に対する税額の合計額の95%相当額とする(5%相当額が軽減される)。
交際費課税の特例
資本又は出資金の金額が1千万円超5千万円以下である法人の損金不算入額
損金不算入額=支出交際費−〔年400万円又は支出交際費のいずれか少ない金額〕×80%
* 平成15年4月1日から平成18年3月31日までの間に開始する事業年度
支出交際費の額−(支出交際費の額または400万円いずれか少ない金額)×90%
受取配当等の益金不算入制度
連結法人株式、関係法人株式等以外の株式等につき受ける配当等の額
益金不算入額=(連結法人株式、関係法人株式等以外の株式等に係る配当等の額−連結法人株式、関係法人株式等以外の株式等に係る負債の利子の額)×50%
【経過措置】
上記の益金不算入割合50%は、資本金又は出資金の額が1億円を超える法人等を除き、次の事業年度ごとに経過措置が設けられています。
@ 平成14年4月1日から平成15年3月31日までに開始し、かつ平成15年3月31日以後に終了する事業年度 ⇒ 益金不算入割合=70% 
A 平成15年4月1日から平成16年3月31日までに開始する事業年度 ⇒ 益金不算入割合=60%
特定利子に係る措置の廃止
受け取り配当等の益金不算入額の計算上、負債の利子の額から特定利子を除く措置が、一定のものを除き廃止されました。
退職給与引当金制度の廃止
これまでの退職給与引当金制度は廃止されました。この改正により、平成15年3月31日以後に終了する事業年度(改正事業年度)開始の時において退職給与引当金勘定の金額を有する場合には、以下の各事業年度においてそれぞれの金額を取崩す必要があります。
@資本金又出資金の額が1億円を超える普通法人等
平成14年4月1日から平成16年3月31日までの間に開始する事業年度 改正事業年度開始の時における退職給与引当金勘定の金額×30%×その事業年度の月数/12
上記@以外の法人
改正事業年度から改正事業年度開始の日以後10年を経過した日の前日の属する事業年度までの各事業年度 退職給与引当金勘定の金額×その事業年度の月数/120
(改正事業年度開始の日以後10年を経過した日の前日の属する事業年度は、残額の全額)
賞与引当金に関する経過措置
賞与引当金は、平成10年の税制改正により廃止されましたが、法人が平成10年改正前の賞与引当金の規定の適用を受けている場合には、以下の金額が当事業年度の損金算入額となります。
平成10年改正前の法人税法により計算した賞与引当金の繰入限度額×6分の1
貸倒引当金法定繰入率廃止に伴う経過措置
資本金1億円超の大法人については、法定繰入率と実績繰入率との選択適用が今期で終了し、平成16年からは実績繰入率による適用となります。