法人税の主な経費

概要
寄付金の額は、損金の額に算入するのが原則ですが、寄付金は、反対給付を伴わない事業関連性に乏しい支出であるとの理由から、一定の損金算入制限が設けられています。
意義
寄付金の額とは、金銭その他の資産又は経済的な利益の贈与等をした場合におけるその金銭の額若しくは金銭以外の資産の価額等をいい、寄付金、拠出金等のいずれの名義もってするかを問いません。また、金銭以外の資産を贈与した場合や経済的利益の供与をした場合には、その贈与時の価額あるいは経済的利益を供与した時の価額が寄付金の額とされます。なお、低額譲渡や低廉供与などを行った場合にも、譲渡又は供与時の価額と時価との差額が、寄付金の額に含まれます。
寄付金の額に含まれないもの
広告宣伝費、交際費、福利厚生費とされるものについては、寄付金の額には含まれません。また、子会社の整理費用や被災者に対する災害義援金は損失や費用の額として損金の額に算入されます。
損金算入時期
寄付金の額は、その支出があるまでの間、なかったものとされます。すなわち、実際に金銭等により支出した時にはじめて、その支出があったものと認識することとされています。したがって、未払いや手形の振出しによる寄付金で未決済のもについては、損金に算入することはできません。
利益処分の寄付金
法人が、利益の処分により経理した寄付金については、国等に対する寄付金、指定寄付金及び特定公益増進法人に対する寄付金を除き、損金の額には算入されません。
損金算入限度額
国等に対する寄付金及び財務大臣の指定した寄付金
全額損金算入
一般の寄付金及び特定公益増進法人等に対する寄付金
損金不算入額=支出寄付金の額−(損金算入限度額+@)
@=一般の寄付金の損金算入限度額と特定公益増進法人等に対する寄付金のいずれか少ない金額
【損金算入限度額】
(期末資本金等の金額×その事業年度の月数/12×2.5/1000+その事業年度の所得金額×2.5/100)×1/2
認定NPO法人に対する寄付金
認定NPO法人に対する寄付金の額は、一般の寄付金の損金算入限度額とは別に、特定公益増進法人に対する寄付金の額とあわせて損金算入限度額の範囲内で損金算入が認められています。
(⇒トピックス 認定NPO法人制度の概要
国外関連者に対する寄付金
全額損金不算入
特定公益増進法人の意義
 特定公益増進法人とは、教育又は科学の振興、文化の向上、社会福祉への貢献その他公益の増進に著しく寄与するものとして、公共法人、公益法人等その他特別の法律により設立 された法人をいいます。
@ 独立行政法人通則法第2条第1項に規定する独立行政法人
A 自動車安全運転センタ−、総合研究開発機構、理化学研究所などの法人
B 民法第34条の規定により設立された一定の法人
C 私立学校法第3条に規定する学校法人で一定のもの
D 社会福祉法第22条に規定する社会福祉法人
E 更生保護事業法第2条第6項に規定する更生保護法人
申告要件
特定公益増進法人の寄付金については、確定申告書に、その寄附金の損金算入限度額の計算に関する明細書の添付があり、かつ、その寄附金がその特定公益増進法人の主たる目的の業務に関連する寄附金であること等を証明する一定の書類を保存していなければなりません。