Brain of D

03.8.30(土)
 28日(木)娘をつれて劇場版「仮面ライダー555〜パラダイス・ロスト〜」を観に行った。内容は明かせないが、とにかく見せ場の連続だったように思う。スマートブレイン社(オルフェノク)によって支配された世界という基本設定のもとに、「帝王のベルト」の存在や、なぜ乾巧が「変身」できるのか、オルフェノクである木場たち「3人の運命」、クライマックスでは手に汗にぎる「闘い」がこれでもか・これでもかと展開されていく。TVシリーズを観ている人や興味のある人は是非劇場に足を運んで欲しいと思う。
 観ていて思い出したことがあったのだが、それはかつて月刊キャプテンで連載されていた高屋良樹の「強殖装甲ガイバー」である。一人の少年が規格外品である「ガイバー」を偶然拾ったことから運命の物語ははじまる。もちろん変身もする。見た目はサンライズのアニメ「聖戦士ダンバイン」の主人公ロボット「ダンバイン」に似ている、敵側のガイバーや敵とも味方ともつかない存在として登場するガイバーVなど変身ヒーローものの要素を十分に持ち合わせていた。敵は、ゾアノイドと呼ばれる人間を元にしたモンスター、ロストナンバーと言われる実験の過程で変異した者達なども登場、そしてこれらモンスターの頂点に立つゾアロード(十二神将)の存在など、世界(宇宙)を手中に治めようとする野望は「555」のそれと同じである。結果的に未完の作品なのだが、ハリウッドで映画化(監督はスクリーミング・マッド・ジョージだったと思う)もされたし、オリジナルビデオアニメとしても存在している。おすすめは原作である漫画を読むこと。「555」に類似する点を少なからず観ることができるので興味を持ったら探してみて欲しい。とにかく「555」は自分が観たかった作品だったし、娘も好きな作品なので観に行ってよかった。良くも悪くも「お子さま」相手の作品とは思えない出来映えに唸ってしまった。
 「爆竜戦隊アバレンジャー」は相変わらずのテンポで安心して観られた。急遽、娘のリクエストに応えて「ポケットモンスター・アドバンスジェネレーション〜七夜の願い星ジラーチ〜」も観てしまった。やっぱり劇場版のクオリティは高かった。何と行ってもピカチュウのかわいらしさがTVシリーズとは大違い。TVシリーズのピカチュウはコロコロ太りすぎだと思うが、劇場版は洗練されてて本当に愛らしかった。話もドタバタ劇に終わらないでしっかり作ってあるので大人が観ても堪える作品だと思った。
03.8.23(土)
 以前から買おう買おうと思っていた書籍をやっと買った。表紙の見出しはこう。「後藤雅洋・中山康樹・村井康司責任編集JAZZ“名盤”入門!」。初めてディスクガイド的なものを手に取ったことになる。これがきっかけとなって久しぶりにロック以外の音楽を聴いているという状態。JAZZのCDを買うときには冒険をしないで、歴史に裏打ちされたいわゆる“名盤”と言われているような作品を購入することが多い。限られた金銭の中でハズレを掴まないようにしようと思ったら名盤を漁るのが一番だと思っている。ロックに比べたら聴く回数は少ないかもしれないが、それでも比較的よく聴くのが、ソニー・ロリンズの「サキソフォン・コロッサス」やビル・エヴァンスの「ワルツ・フォー・デビィ」。特に「サキソフォン・コロッサス」は軽快で愉快な感じがなんとも心地よくて聴いていて暗くならないのがいい。僕の部屋にはダウンライトが全部で9つ付いている。「ワルツ・フォー・デビィ」などをしっとり聴くときは、最前列真ん中のライトだけをつけてほのかな明かりの中で聴いたりする。ピアノと場内の客のザワ付いた感じがいい雰囲気。
 ロックフェスの良き思い出にと購入したのが、ロッキングオン社が刊行した「特別臨時増刊号ロックフェス2003!」。フジロック03とサマソニ03、それからインタビュー記事が読みたくて手に取った。音楽評論家の小野島大さんが言うとおり、フジロック03の取り上げ方には些か不満を覚える。もっとフェスティバル全体を俯瞰するような構成にしたらフジロックの良さが出たように思う。コストの問題もあるかもしれないが、「サマソニ」は別にまとめた方が良かったのかもしれない。大きく成長したフジロックの全体を俯瞰するには、家内制手工業では限界なのかもしれない。そうはいってもいい思い出として、写真や文体で残るのは参加したものとしては嬉しいんだけどね。インタビュー記事について触れるとすれば、特に良かった記事があった。それは「ビョーク」。これまで洋楽ロック専門誌で読んできた彼女のインタビュー記事は、どこかクール過ぎて「共感しかねる!」とまではいかないまでも、彼女独特の世界観を積極的に理解しよう気にはならなかった。しかし今回読んだものはより血の通った人間的なビョーク自身を感じることができたので非常に満足度が高かった。
03.8.22(金)
 一昨日から「ブエナビスタソシアルクラブ」のCDを再び聴いている。この数日ロックミュージックから離れてJAZZを聴いていた。そんな流れの中でライ・クーダーがプロデュースした彼らの音楽に今ふたたび光をあてていた。
 今日久しぶりにタワーレコードにいって「パラ・パラッ!」とミュージックマガジン最新号を覗いていたら、03年7月13日「コンパイ・セグンド」が95歳で亡くなったという記事を発見してしまった。腎疾患による自宅での死亡という内容だったのだが、個人的には何とも驚いたし奇妙な感じだった。「コンパイ・セグンド」といえば、映画「ブエナビスタソシアルクラブ」に「イブライム・フェレール」や「オマーラ・ポルトウンド」と共に出演していた一人だったからだ。しかも90歳代で我が子を授かるという強者でもあった。彼の人生はキューバ革命を前後して、そうとう波瀾万丈だったのではないかと思う。70年代、工場で働いていた彼をフランス人が発見し再びステージへ押し上げたらしいし、90年代には「ブエナビスタ・ブーム」を迎えて再び脚光を浴びることとなったからだ。世紀末から新世紀にかけて彼は、人生最良の時を謳歌したと個人的には思いたい。だから冥福を祈るばかりでなくしっかりと彼らの音楽も聴いていきたいと思った。※映画「ブエナビスタソシアルクラブ」を観ていない人は是非観ていただきたいし、内容も録音も素晴らしい良質な音楽との出会いを体験してほしいと思う。
 話は変わるが「BLUR」の来日記念盤と「マイルス・デイビス」のCD「ジャック・ジョンソン」を購入した。来日記念盤の方はジャケットのデザインが特に気に入っている。1曲目の「アウト・オブ・タイム」も好きな曲だし購入して良かったと思った。「マイルス・デイビス」の方は久しぶりにJAZZのアルバムを購入したという印象。2曲しか収録されていないのだが1曲あたり約26分という事でボリューム満点だった。
03.8.3(日)
 今日の「アストロボーイ鉄腕アトム」の見出しは「地上最強のロボット」だった。とうとうアトラスに続いてプルートも登場となったわけだが、これまでのプルートのベースカラーは黒または濃いブルーだった。今回は深緑をベースにした設定だった。エンドロールを見逃してしまったが、声優は大塚明夫だと思う。大塚といえば映画の吹き替えでいうとメル・ギブソンなどをあてている。かつて視聴率に関係ない高視聴率アニメとしてアニメファンの間では話題になったNHKの「不思議の海のナディア」ではネモ船長を演じていた。 その渋い声は僕も好きな部類にはいる。ちなみに「チキチキマシン猛レース」のブラック魔王役の大塚周夫とは親子関係にあたる。
 さて、話はアトムに戻すが今回凄かったのは何よりも作画のレベルであった。ストーリーもだんだん濃密になっていくと思うが、今回の作画レベルはかなり高かった。これまでのシリーズ中で一番の出来だと思う。キャラクターの影の付け方がこれまでになく特徴的で力のいれ具合がわかるというものだ。放送スタートからしばらくは作画監督が同じだったので、個人的には同じ人で統一して欲しいと思っていた。アトムやウラン、お茶の水博士の顔が作画監督によって微妙に変わるのは頂けないからだ。
 次回の予告も同じような作画クオリティでストーリーが進行していくようなのでこれはこれで楽しみなのだが基本的なラインは守った上での作画レベルの向上を望みたいと思う。そして、ストーリーではこれからアトラスやプルート達ロボットが人間に翻弄されながらも、どうアトムと関わり変化していくのかを見届けたいと思う。人間のエゴがロボットを通して描かれるこども向け社会派アニメとしての「鉄腕アトム」をこれからも期待した い。

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