最近呑んだ吟醸酒について
   
      

 

2011年1−3月分

   

    §酒のトップページに戻る§  <ホームページへ>


 
  これからの話は消費者(飲み手)という立場で書いていきます。評論家や蔵元、酒屋の立場では見ていません。と言う事は、売りたいための宣伝はしませんし、太鼓持ちのような感想も書きません。また、音楽とか味覚とかいう物は大変抽象的で表現が難しいのですが、平易に書きたいと思います。
 よく、食べ物店の紹介記事で絶賛している物を食べると、首を傾げたくなる時が多々ありますし、テレビでリポーターが口に入れたとたん「うまい」と発言しているウソ等はここでは、しないように心がけています。

 

   ◆月に一度の例会で飲んだ吟醸酒について、ズバリ、どういう酒か、皆様への判断基準を書きます。 
 A;味、B;香り、C;コストパフォーマンス、D;総合評価を、各5点評価(5;最上 4;良 3;まあまあ 2;まだまだ 1;評価外)で表します。 総合評価3−(マイナス)以下ではもう一度買うかと言えば、考えてしまうレベル。2ではタダで贈られても困ってしまうレベル。 
 私の独断と偏見なしで評価し、E;寸評も入れます。なお、会での評価も、判断基準の参考にしています。また、評価はこの日に飲んだ吟醸酒の味で、次回も酒の性格上、ロットや時間が変れば同じとは言切れませんが、傾向としては、間違ってはいないと思います。

 <<  ここで飲まれている吟醸酒の購入元をお知りになりたい方は、メールをいただければ、早い時期(忘れない内)なら、販売店をご紹介できます。>>
 


 吟醸酒の会へのお誘い 

       ↑上のボタンを押すと、ご案内のコーナーに行けます。

 

◇イイお酒を、イイ友と、イイ肴と、イイ会話で月1回楽しむ会です。◇


2011年次回例会は 4月30日(土)です。


2011年3月26日(土) 

1.濱川商店(高知県田野町)  純米吟醸  「美丈夫777」 
原料米;−、 精米歩合;55%   【アルコール分】 14〜15度   【日本酒度】+7 【使用酵母】協会7号  1.8L \2,400
 A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;サラリと辛口で、口中ピリピリ、渋みが残る。


2.旭酒造(山口県岩国市)  純米大吟醸  「獺祭」 
原料米;−、 精米歩合;50%   【アルコール分】 16度    1.8L \2,835
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;香り品良く、旨味も充分で飲みやすい。味バランスして雑味なく淡麗。皆から手が出て飲み干され完売したのはこの獺祭だけです。

3.アリサワ酒造(高知県土佐山田町)  純米吟醸  「文佳人」 
原料米;吟の夢、 精米歩合;50%   【アルコール分】 17〜18度  【日本酒度】+6 【酸度】1.5   1.8L \3,255
 A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;旨味は充分あるが、渋みが口中に残り、味がザラ付いていただけない。


4.浅間酒造(群馬県長野原町)  純米吟醸  「浅間山」 
原料米;山田錦、 精米歩合;50%   【アルコール分】 16〜17度    【使用酵母】しゃくなげ酵母  1.8L \3,465
A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;柔らかく、優しく飲み手を包むが、渋みが口中に残りバランス悪し。


5.大澤酒造(長野県佐久市)  純米大吟醸  「明鏡止水 M'09」 
原料米;麹米/山田錦・掛米/美山錦、 精米歩合;麹米/40%・掛米45%   【アルコール分】 16〜17度  【日本酒度】+4 【酸度】1.5   1.8L \3,500
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価5
E寸評;甘く柔らかくバランスよし。硬さが残るが夏を越すと旨味が増すでしょう。


6.平和酒造(和歌山県海南市)  大吟醸  「紀土 KID」 
原料米;山田錦、 精米歩合;35%   【アルコール分】 15〜16度    1.8L \3,990
 A;味4、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;35%磨きで、これだけ磨いたのに、味わいバランスが悪く、渋みが残り、サラリとしている。

 


2011年2月26日(土)

1.宮坂醸造(長野県諏訪市)  吟醸  「真澄」 
原料米;美山錦+ひとごこち、 精米歩合;55%   【アルコール分】 15度    1.8L \2,279
 A;味4+、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+
E寸評;吟醸香も立ち上がり淡麗清楚、雑味なく味わい深い。後味すこぶる良い。料理屋さんで使われたら、料理が引き立ち客単価が上がるでしょう。


2.井上清吉商店(栃木県宇都宮市)  純米吟醸  「澤姫」 
原料米;ひとごこち、 精米歩合;50%   【アルコール分】 16度  【日本酒度】+4 【酸度】1.4  【使用酵母】栃木酵母T-F/ND   1.8L \2,700
 
A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;雑味なく角が取れて丸くなったが、味わいバランスせず、個性が主張しあってバラバラ。

3.酔鯨酒造(高知市長浜)  純米吟醸  「酔鯨」 
原料米;松山三井、 精米歩合;50%   【アルコール分】 16度  【日本酒度】+7 【酸度】1.6  【使用酵母】熊本酵母KA-1   1.8L \2,804
 
A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;味わいまろやかだが、酸味が口中に残る。


4.出羽桜酒造(山形県天童市)  純米吟醸  「出羽桜」 
原料米;出羽燦々、 精米歩合;50%   【アルコール分】 15度   【使用酵母】山形酵母   1.8L \2,908
 A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+
E寸評;サラリと淡麗、雑味なくさわやか。香り高く、柔らかな味わいが肩肘張らずお付き合いできる。

5.李白酒造(島根県松江市)  純米吟醸  「李白」 
原料米;山田錦、 精米歩合;55%   【アルコール分】 15〜16度    1.8L \3,257
 A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+
E寸評;強い個性はなく、淡麗さわやか。酸味が感じられるが優しさの中に安心感がある。


6.宮坂醸造(長野県諏訪市)  純米大吟醸  「真澄 山花」 
原料米;山田錦、 精米歩合;45%   【アルコール分】 16度    1.8L \5,250
 A;味5、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価5
E寸評;味わい、弟の吟醸酒「真澄」と同じだが、切れ味、後味が素晴らしい。普段飲みの晩酌酒で有れば、倍以上のこの酒は必要ないでしょう。




 

2011年1月29日(土)

1.高橋庄作謹醸(福島県会津若松市)  純米 「雪がすみの郷」 生酒うすにごり
原料米;−、 精米歩合;60%   【アルコール分】 15度  1.8L \2,415
 A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+
E寸評;薄にごりで白濁し、その中から甘く柔らかく、清楚で雑味なく、味わいバランスして素晴らしい。春だけの商品だというのが悲しい。リピーターが多いという事がうなずける。


2.富久千代酒造(佐賀県鹿島市)  純米吟醸  「鍋島 隠し酒」 生酒
原料米;−、 精米歩合;50%   【アルコール分】 16度    1.8L \2,630
 A;味4+、B;香り4、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+
E寸評;柔らかく雑味もなくバランスしている。飲み頃で飲み疲れしない。黙って飲んでいると、上記「雪がすみの郷」に味わい酷似している。

3.早川酒造(三重県菰野町)  純米吟醸  「早春五百万石」 無濾過生酒
原料米;五百万石、 精米歩合;55%   【アルコール分】 17度   1.8L \2,730
 A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス3、D;総合評価4
E寸評;味わい重くキレがなく、ザラツキがあり力無い。一年物のような老香が感じられる。


4.花泉酒造(福島県南会津町)  活性純米にごり酒  「来福」 生原酒
原料米;−、 精米歩合;65%   【アルコール分】 18度   1.8L \2,940
 A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;開栓と同時に白濁した甘酒状態の液が吹きこぼれそうになり、栓をゆるめたり閉めたりしながら落ち着くのを待って盃に。新酒の酸味が口中を刺すが、直ぐに消えて旨味が上がってくる。

5.宮泉銘醸(福島県会津若松市)  純米吟醸  「写楽」 初しぼり生酒
原料米;五百万石、 精米歩合;50%   【アルコール分】 16度    1.8L \2,940
 A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4+
E寸評;新聞で包装され光の影響を防いでいる心遣いは有り難い。薄にごりで、旨味があり、十分柔らかい。炭酸味が少なく飲みやすい。

6.飯沼本家(千葉県酒々井町)  純米大吟醸  「一喜」 袋吊り
原料米;山田錦、 精米歩合;50%   【アルコール分】 16度    1.8L \3,150
 A;味3、B;香り3、C;コストパフォーマンス3、D;総合評価3
E寸評;にごり酒で、栓に付いているアルミの帯を手に取ったとたん、自分から「バン!」と爆発音を響かせながら、栓は天井に激突、降ってきた。まるでシャンパンだ。1割以上は吹きこぼれテーブルに飲ませてしまった。炭酸のシャワシャワと甘味のないサイダー味で、味わい分からず。片口に入れて炭酸を飛ばすと味わい抜けてシャバシャバ。大吟醸でこれだけの味わいは不可。にごりの中に活性酵母が生きていて、旨味成分を食い尽くし、”サイダー酒”になってしまったのか、だったら袋吊りの意味は何処に。




 

§酒のトップページに戻る§     <2010年 7−9月に移動>   <2010年10−12月に移動>