2011年4−6月分
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これからの話は消費者(飲み手)という立場で書いていきます。評論家や蔵元、酒屋の立場では見ていません。と言う事は、売りたいための宣伝はしませんし、太鼓持ちのような感想も書きません。また、音楽とか味覚とかいう物は大変抽象的で表現が難しいのですが、平易に書きたいと思います。
よく、食べ物店の紹介記事で絶賛している物を食べると、首を傾げたくなる時が多々ありますし、テレビでリポーターが口に入れたとたん「うまい」と発言しているウソ等はここでは、しないように心がけています。
◆月に一度の例会で飲んだ吟醸酒について、ズバリ、どういう酒か、皆様への判断基準を書きます。
A;味、B;香り、C;コストパフォーマンス、D;総合評価を、各5点評価(5;最上 4;良 3;まあまあ 2;まだまだ 1;評価外)で表します。 総合評価3−(マイナス)以下ではもう一度買うかと言えば、考えてしまうレベル。2ではタダで贈られても困ってしまうレベル。
私の独断と偏見なしで評価し、E;寸評も入れます。なお、会での評価も、判断基準の参考にしています。また、評価はこの日に飲んだ吟醸酒の味で、次回も酒の性格上、ロットや時間が変れば同じとは言切れませんが、傾向としては、間違ってはいないと思います。
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◇イイお酒を、イイ友と、イイ肴と、イイ会話で月1回楽しむ会です。◇
2011年次回例会は 7月30日(土)です。
2011年6月25日(土)
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1.長生社(長野県駒ヶ根市) 純米 「信濃鶴」 無濾過生原酒
原料米;−、 精米歩合;60% 【アルコール分】 16〜17度 1.8L \2,520
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5 E寸評;開栓する間もなく内栓が天井にボンっと飛ぶ。香りさわやか味媚びらず清楚、味わいバランスして秀逸。
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2.松屋酒造(群馬県藤岡市) 純米吟醸 「流輝(るか)」 無濾過生酒
原料米;玉栄、 精米歩合;55% 【アルコール分】 16〜17度 【日本酒度】+4 【酸度】1.3 1.8L \2,680
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5 E寸評;ラベルのイメージとは正反対な、清楚、さわやか、雑味なく、旨味充分。
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3.上原酒造(滋賀県高島市) 純米吟醸 「杣の天狗(そまのてんぐ)」 生原酒
原料米;山田錦、 精米歩合;59% 【アルコール分】 17〜18度 1.8L \2,940
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+ E寸評;発泡性があるので開栓注意とあったが、おとなしく何の違和感もなく開栓する。白濁した液の中から柔らかい旨味が湧き出してくる。酸味が味わいのバランスを崩す。
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4.富久千代酒造(佐賀県鹿島市) 純米吟醸 「鍋島」 中汲み生酒
原料米;五百万石、 精米歩合;50% 【アルコール分】 16度 1.8L \2,940
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+ E寸評;旨味は十分ながら酸味がバランスを崩す。
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5.中野酒造(大分県杵筑市) 純米吟醸 「ちえびじん」 中取り
原料米;−、 精米歩合;55% 【アルコール分】 17度 【日本酒度】+1 1.8L \3,150
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;甘く柔らかく、ふくいくとして、老成の境地に入っている。雑味なく安心して飲める。
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6.成龍酒造(愛媛県西条市) 純米大吟醸 「賀儀屋(かぎや)」 無濾過
原料米;しずく媛、 精米歩合;45% 【アルコール分】 16〜17度 1.8L \3,675
A;味5、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5 E寸評;純吟でこれだけのキレと美味さを持ち若さがあるのは秀逸。値段も手頃で、味わい凝縮されて光るが、香り高すぎてバランス崩す。
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2011年5月28日(土)
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1.秋田木村酒造工場(秋田県湯沢市) 特別純米 「福小町
号外編」 生原酒
原料米;めんこいな、 精米歩合;55% 【アルコール分】 17〜18度 【日本酒度】+2.2 【酸度】1.3 【使用酵母】協会1801酵母 1.8L \2,730
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5 E寸評;甘く柔らかく、小気味イイ酸味が口中を刺激し、旨味が上がってくる。福小町はいつも元気。
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2.川村酒造店(岩手県花巻市) 純米 「酉与右衛門(よえもん)」 無濾過生原酒
原料米;備前雄町、 精米歩合;70% 【アルコール分】 17〜18度 【日本酒度】+6 【酸度】2.4 【使用酵母】協会7号 1.8L \2,990
A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4 E寸評;色濃い色彩の中に、酸味が際だちバランス悪く、奥行き無し。
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3.三浦酒造(青森県弘前市) 純米吟醸 「豊盃」
原料米;華想い、 精米歩合;55% 【アルコール分】 15〜16度 1.8L \3,000
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5 E寸評;いつもバランス良く深味旨味充分。毎回安心して飲める佳酒。
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4.八戸酒造(青森県八戸市) 純米吟醸 「陸奥八仙」 無濾過生原酒
原料米;華吹雪、 精米歩合;55% 【アルコール分】 17度 1.8L \3,150
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5 E寸評;炭酸がシュワシュワと立ち上がり、バランス悪かったが、時間が経って炭酸が抜けると、バランスが整い深味旨味が攻めてきた。会友談「ミニスカートの娘が、タイトスカートをはく年頃になった」と。
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5.浅舞酒造(秋田県横手市) 純米大吟醸 「夏田冬蔵」 無濾過生原酒
原料米;秋田酒こまち、 精米歩合;40% 【アルコール分】 17度 【使用酵母】自社酵母 1.8L \4,200
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5 E寸評;純米大吟醸の贅沢な造りで美味いながらコストパフォーマンスが優れている。丁寧に造られ純米大吟醸の欠点を克服し厳然とその地位を安泰なものにしている。
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6.鳩正宗(青森県十和田市) 純米大吟醸 「八甲田」
原料米;華想い、 精米歩合;40% 【アルコール分】 16〜17度 【日本酒度】+1〜2 【酸度】1.5 【使用酵母】青森県酵母 1.8L \4,500
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5 E寸評;香り立ちがしっかりして、切れよく、厚味があってバランスし、安心して飲める佳酒。
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*今月も全て東北のお酒を集めました。東北の酒蔵さんがんばって下さい。
今回の酒米をご覧になっていて気が付かれたと思いますが、あの山田錦を使ったお酒は1本もありません。雄町を除いて全て地元産の酒米です。「地産地消」の掛け声で造られる酒米と使用酵母、その安定期に入ったのでしょう。あの大横綱の山田錦が出番を失っています。今年の全国新酒鑑評会
入賞酒の酒米を見ても、前年までの山田錦使用と不使用の区別をしていましたが、その区別を撤廃しました。様々な上質酒米から、様々な個性有る吟醸酒が生まれるのは歓迎されます。没個性の全国一律の味が当地自慢の味に変わるのです。これからの吟醸酒が益々楽しくなってきました。
23年(22酒造年度)全国新酒鑑評会 入賞酒
http://www2.ttcn.ne.jp/~ginjo/sake/H22hyouka/top.htm
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2011年4月30日(土)
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1.鳩正宗(青森県十和田市) 大吟醸 「八甲田おろし」 荒ばしり
原料米;華吹雪、 精米歩合;50% 【アルコール分】 18度 1.8L \3,000
A;味4+、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+
E寸評;新鮮な味わいで香り高く、はつらつとした若さの中に、活力が口中にあふれる。初めての対面だが今後が楽しみ。
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2.来福酒造(茨城県筑西市) 純米吟醸 「来福」 袋しぼり生原酒
原料米;愛山、 精米歩合;50% 【アルコール分】 18度 【日本酒度】+11 【酸度】1.5 1.8L \3,250
A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4 E寸評;白濁した液体の中から旨味が感じられるが、酸味キツく雑味多い。
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3.清水酒造(埼玉県騎西町) 純米吟醸 「亀甲花菱」 無濾過中取り生原酒
原料米;山田錦、 精米歩合;50% 【アルコール分】 17〜18度 1.8L \3,506
A;味5、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+ E寸評;角が取れて丸くなった娘だが、まだ熟女の味わいがない。
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4.廣田酒造店(岩手県紫波町) 純米吟醸 「廣喜しぼりたて」 無濾過生原酒
原料米;−、 精米歩合;55% 【アルコール分】 16〜17度 1.8L \3,600
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+ E寸評;過熟した干し柿のような、甘味多く雑味なく柔らかく呑みやすい。決してしぼりたての新鮮さを求めてはいけない。保存の方法が災害で少し変わったか。
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5.八戸酒造(青森県八戸市) 純米大吟醸 「陸奥八仙」 無濾過原酒
原料米;華想い、 精米歩合;50% 【アルコール分】 17度 1.8L \3,675
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+
E寸評;色付いて、香り高くバランスしているが、まだ酸味がキツく新酒時の味わいが抜けきっていない。旨味十分だが、今一歩あか抜けしない。
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6.平孝酒造(宮城県石巻市) 純米吟醸 「日高見」 生酒
原料米;愛山、 精米歩合;50% 【アルコール分】 16〜17度 1.8L \4,200
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4+
E寸評;硬くしっかりした味わいの中に旨みが伝わってくる。味わいバランスしているが、この蔵元独特の硬さが旨さを殺している。仕込み水の水質が、味わいの足をひっぱているのでは。
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*今月は全て東北方面のお酒を集めました。東北の酒蔵さんがんばって下さい。
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