最近呑んだ吟醸酒について
   
      

 

 

2011年10−12月分

 

   

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  これからの話は消費者(飲み手)という立場で書いていきます。評論家や蔵元、酒屋の立場では見ていません。と言う事は、売りたいための宣伝はしませんし、太鼓持ちのような感想も書きません。また、音楽とか味覚とかいう物は大変抽象的で表現が難しいのですが、平易に書きたいと思います。
 よく、食べ物店の紹介記事で絶賛している物を食べると、首を傾げたくなる時が多々ありますし、テレビでリポーターが口に入れたとたん「うまい」と発言しているウソ等はここでは、しないように心がけています。

 

   ◆月に一度の例会で飲んだ吟醸酒について、ズバリ、どういう酒か、皆様への判断基準を書きます。 
 A;味、B;香り、C;コストパフォーマンス、D;総合評価を、各5点評価(5;最上 4;良 3;まあまあ 2;まだまだ 1;評価外)で表します。 総合評価3−(マイナス)以下ではもう一度買うかと言えば、考えてしまうレベル。2ではタダで贈られても困ってしまうレベル。 
 私の独断と偏見なしで評価し、E;寸評も入れます。なお、会での評価も、判断基準の参考にしています。また、評価はこの日に飲んだ吟醸酒の味で、次回も酒の性格上、ロットや時間が変れば同じとは言切れませんが、傾向としては、間違ってはいないと思います。

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◇イイお酒を、イイ友と、イイ肴と、イイ会話で月1回楽しむ会です。◇

 

 

 

 次回1月例会は1月28日(土)です。

 

 


 

 2011年12月24日(土)

 

1.三浦酒造(青森県弘前市)   「豊盃・ん」 おりがらみ生酒 
原料米;−、 精米歩合;−%   【アルコール分】 15〜16度   1.8L \2,000
 
A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4
E寸評;白濁した液の中から最初は硬かったが、時間と共に旨味が増してきた。雑味が無く丸く優しい。


2.三浦酒造(青森県弘前市)  純米  「豊盃しぼりたて」 生酒 
原料米;−、 精米歩合;麹米55%・掛米60%   【アルコール分】 17〜18度   1.8L \2,650
 
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;吟醸香がふんわりと立ちのぼり、旨味が凝縮し、口中で溶け出し心まで溶かす。相変わらず豊盃は旨くコストパフォーマンスは最高。


3.九重雑賀(和歌山県岩出市)  純米吟醸  「雑賀」 おりがらみ 
原料米;−、 精米歩合;麹米55%・掛米60%   【アルコール分】 16度   1.8L \2,730
 
A;味4+、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+
E寸評;薄く白濁した中に青リンゴのような香りと、まだ熟し切れない旨味が上がってくる。


4.八戸酒造(青森県八戸市)  特別純米  「陸奥八仙赤ラベル」 無濾過生原酒 
原料米;麹米・華吹雪/掛米・まっしぐら、 精米歩合;麹米55%・掛米60%   【アルコール分】 17度   1.8L \2,800
 
A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;酸味がキツく、まだまだ成人に成りきっていない。


5.下村酒造店(兵庫県姫路市)  純米  「奥播磨」 活性すくい汲み
原料米;兵庫夢錦、 精米歩合;55%   【アルコール分】 17〜18度   1.8L \3,310
 
A;味4、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;発泡酒でシャンパンのごとく天井まで栓が飛びアワが吹き出す。当然酸味はキツいが、旨味が後から湧き出してくる。


6.楯の川酒造(山形県酒田市)  純米大吟醸  「楯野川」  
原料米;兵庫山田錦、 精米歩合;40%   【アルコール分】 16〜17度  1.8L \5,250
 
A;味4+、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;さわやか酸味で清楚。味わい若く夏過ぎに旨味が乗ってくるでしょう。値段で旨さが判断出来ない典型的な例。

 

 

 

 


 

 2011年11月26日(土)

 

1.松屋酒造(群馬県藤岡市)  特別本醸造  「流輝(るか)」 
原料米;群馬産・若水、 精米歩合;60%   【アルコール分】 15〜16度  【日本酒度】+9 【酸度】1.4   1.8L \1,900
 
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+
E寸評;独り立ち前の若い杜氏さんが一生懸命醸した酒。旨い。何のてらいもなくさらりと喉を通る。バランス良くさわやか。ラベルのイメージとは正反対で、汚れを知らない生娘のようで、どんな料理にもピタリと良く合う。晩酌酒には贅沢すぎる出色の一品。


2.宮泉銘醸(福島県会津若松市)  純米  「写楽」 初しぼり生酒
原料米;−、 精米歩合;60%   【アルコール分】 16度   1.8L \2,310
 
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+
E寸評;うすにごり。新酒にしては炭酸臭もなく、純米にしては、しかりとさわやかな令嬢に仕上がっている。


3.花泉酒造(福島県南会津町)    「ロ万(うらろまん)」 火入れ1年物
原料米;会津産−、 精米歩合;−%   【アルコール分】 15度   1.8L \2,850
 
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+
E寸評;丸くなった。立川談志のように晩年に角が取れたというか、勢いが無くなったと言うべきか。


4.舟木酒造(福井市大和田町)  純米吟醸  「富成喜(ふなき)」 夏こしの酒 
原料米;五百万石、 精米歩合;60%   【アルコール分】 17度   【日本酒度】+7.5 【酸度】1.7   1.8L \3,150
 
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+
E寸評;1年前の酒ですが、老香もなく旨味充分。夜目遠目傘の内の美女。


5.富久千代酒造(佐賀県鹿島市)  純米吟醸  「鍋島」 
原料米;山田錦、 精米歩合;50%   【アルコール分】 16度   1.8L \3,360
 
A;味4+、B;香り4、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+
E寸評;酸味がキツく、バランスが崩れ、次の一口に手が出ない。9月に呑んだ精米歩合40%とは全く違う。


6.加茂福酒造(島根県邑南町)  純米大吟醸  「死神(裏ラベル)杉浦限定」 
原料米;山田錦、 精米歩合;40%   【アルコール分】 17〜18度   1.8L \3,780
 
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;これも9月に呑んだ死神とは全く違う。さわやか清楚で淡麗。五味の各個性がざわざわとせめぎ合い、おたがい融合せずに競い合っている。600円位の差でこれだけの違いが出ると買い手は迷わずこれを買ってしまうでしょう。

 




 

 2011年10月29日(土)

 

1.八海醸造(新潟県南魚沼市)  「八海山 越後で候」 搾りたて生原酒
原料米;山田錦(麹米・掛米) 五百万石、ゆきん子舞他(掛米)、 精米歩合;60%   【アルコール分】 19.0度   【日本酒度】+4 【酸度】1.8  1.8L \2,408
 
A;味4、B;香り3+、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;毎年この時期から発売される新酒。新酒でも、炭酸臭も炭酸のアワもありません。酸味がキツく全体のバランスを崩しています。燗をしたら甘く丸くなって飲み易くなった。これは燗酒。いくら人気があって旨いと言っても、我々のテーブルに乗る酒ではなかった。


2.旭酒造(山口県岩国市)  純米大吟醸  「獺祭48」 
原料米;山田錦、 精米歩合;48%   【アルコール分】 16度   1.8L \3,150
 
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;50%精米の純米大吟醸と39%精米の純米大吟醸を8:2でブレンドされた新酒。
新酒の面影は何処にもなく、ひやおろしと言われても納得してしまう。奥行きはあり深味と巾があり、さわさわと旨味が攻めてくる。

3.神沢川酒造場(静岡市清水区)  純米  「正雪」 
原料米;−、 精米歩合;60%   【アルコール分】 15〜16度   1.8L \2,520
 
A;味4+、B;香り4、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4
E寸評;ひやおろし。正雪らしからぬ、いまだガキ大将です。各味覚が自己主張してバラバラで底が浅い。味わいながら飲む酒ではなく、おでん屋で良き友と話題を楽しみながら飲む酒。


4.九重雑賀(和歌山県岩出市)  純米吟醸  「雑賀 雄町」 
原料米;雄町、 精米歩合;55%   【アルコール分】 16度   1.8L \3,150
 
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;ひやおろし。夏を越して旨さが倍加したのでしょう。まろやかな旨味が出ている。非の打ち所がない安心して飲める佳酒。


5.瀧自慢酒造(三重県名張市)  純米吟醸  「瀧自慢 雄町」 
原料米;備前雄町、 精米歩合;50%   【アルコール分】 15度  【日本酒度】+3 【酸度】1.4   1.8L \3,150
 
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+
E寸評;ひやおろし。甘く丸く深味があり楽しめる。蔵元の水の良さが酒の中に伝わる。決してランクの落ちる酒ではないが、強い個性がないのがインパクトの弱さに出た。逆に言えば、長年連れ添った女房か。


6.旭酒造(山口県岩国市)  純米大吟醸  「獺祭磨き三割九分」 
原料米;山田錦、 精米歩合;39%   【アルコール分】 16度   1.8L \4,701
 
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;ひやおろし。五味バランスして濃厚、奥深くして豊潤。旨さ充分で、酒の神に感謝。肩で息していたのが、腹の底に落ち、言葉を失う。

 



 

 


 

 

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