最近呑んだ吟醸酒について
   
      

 

 

2012年4−6月分

 

   

§酒のトップページに戻る§  <ホームページへ>

 


 
  これからの話は消費者(飲み手)という立場で書いていきます。評論家や蔵元、酒屋の立場では見ていません。と言う事は、売りたいための宣伝はしませんし、太鼓持ちのような感想も書きません。また、音楽とか味覚とかいう物は大変抽象的で表現が難しいのですが、平易に書きたいと思います。
 よく、食べ物店の紹介記事で絶賛している物を食べると、首を傾げたくなる時が多々ありますし、テレビでリポーターが口に入れたとたん「うまい」と発言しているウソ等はここでは、しないように心がけています。

 

   ◆月に一度の例会で飲んだ吟醸酒について、ズバリ、どういう酒か、皆様への判断基準を書きます。 
 A;味、B;香り、C;コストパフォーマンス、D;総合評価を、各5点評価(5;最上 4;良 3;まあまあ 2;まだまだ 1;評価外)で表します。 総合評価3−(マイナス)以下ではもう一度買うかと言えば、考えてしまうレベル。2ではタダで贈られても困ってしまうレベル。 
 私の独断と偏見なしで評価し、E;寸評も入れます。なお、会での評価も、判断基準の参考にしています。また、評価はこの日に飲んだ吟醸酒の味で、次回も酒の性格上、ロットや時間が変れば同じとは言切れませんが、傾向としては、間違ってはいないと思います。

 <<  ここで飲まれている吟醸酒の購入元をお知りになりたい方は、メールをいただければ、早い時期(忘れない内)なら、販売店をご紹介できます。>>
 



 吟醸酒の会へのお誘い 

 

       ↑上のボタンを押すと、ご案内のコーナーに行けます。

 

◇イイお酒を、イイ友と、イイ肴と、イイ会話で月1回楽しむ会です。◇

 

 

 

 次回、7月例会は7月28日(土)です。

 

 


 

 

 2012年6月30日(土)

 

1.秋田木村酒造工場(秋田県湯沢市)  特別純米  「福小町・号外編」 生原酒
原料米;めんこいな、 精米歩合;55%  【アルコール分】 17.9度  【日本酒度】+1.5
【酸度】1.4 【酵母】協会1801号  1.8L \2,730
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;この酒は毎年トップレベルにあり、味の変化がなく、飲み手として安心してお付き合いが出来る。味は柔らかく甘く、米の味わいが濃厚に感じられる佳酒。今回のベスト。


2.秋田木村酒造工場(秋田県湯沢市)  特別純米  「福小町・角右衛門」 
原料米;亀の尾、 精米歩合;60%  【アルコール分】 16.5度  【日本酒度】+2.5
【酸度】1.6 【酵母】秋田No.12  1.8L \2,940
A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;上記と同じ蔵元と思えない味の変化がある。味わいバランスしているがキレがない。有名な酒米亀の尾ですが、亀の尾の実力はここまで、味わいこなれず今一歩。


3.新澤醸造店(宮城県大崎市)  純米吟醸  「愛宕の松・ひと夏の恋」 
原料米;−、 精米歩合;55%  【アルコール分】 16度   1.8L \2,835
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;まずネーミングとラベルが良い。このネーミングだけで話題が盛り上がる。柔らかくほのかに旨味と優しさが上がってくる。日本酒らしからぬさわやかさが、ホッと一息つく。これからの(今までの)夏の恋を予感させる。


4.楯の川酒造(山形県酒田市)  純米大吟醸  「楯の川」 
原料米;出羽燦々、 精米歩合;50%  【アルコール分】 16〜17度  1.8L \3,045
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+
E寸評;新酒時の酸味が、深く味わいの中にある。白濁した中に旨味が隠されているが、それが個性豊かと言えば、個性がキツく好みが分かれるところ。



5.清水酒造(埼玉県騎西町)  純米吟醸  「亀甲花菱」 無濾過中取り
原料米;雄町、 精米歩合;50%   【アルコール分】 17〜18度   1.8L \3,506
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;柔らかく、おっとりとして君の主張を聞けぬうちに、他の酒に気が回る。しかし、戻って飲み直すと、安堵感と旨味が交錯し、古女房の良さを感じさせ、バランスが行きとどき出過ぎたところの無い佳酒。


6.九重雑賀(和歌山県岩出市)  純米大吟醸  「雑賀」 生原酒
原料米;山田錦、 精米歩合;麹米45%/掛米50%   【アルコール分】 17度  1.8L \4,410
A;味4、B;香り4+、C;コストパフォーマンス3+、D;総合評価4
E寸評;開栓した直後は堅く、酸味もキツくバランス悪かったが、空気に触れて大人になった。丸く柔らかく酒の旨さが立ち上がってきたが、過日の君は何処に行ってしまったのであろう。今回の締めの酒であったのが、なんと味わいの無い酒に変わってしまったのであろうか。この金額で美味いのは当たり前、この味では納得できない。

 

 


 

 2012年5月26日(土)

 

1.葛城酒造(奈良県御所市)  純米  「百楽門」 無濾過
原料米;雄町、 精米歩合;60%  【アルコール分】 15〜16度  【日本酒度】+0
【酸度】1.7  【酵母】協会9号系   1.8L \2,200
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+
E寸評;旨い。香り高く品性良く、さわやか。飲み手の会話を邪魔せず、気が付くと大勢の仲間から手が伸びる。燗をしてもなお良し。


2.酒田酒造(山形県酒田市)  特別本醸造  「秘蔵古酒 上喜元」 
原料米;−、 精米歩合;58%  【アルコール分】 17〜18度   1.8L \2,300
A;味、B;香り、C;コストパフォーマンス、D;総合評価
E寸評;蔵の片隅で忘れられた本醸造が10年目に陽の目を見た古酒。10年古酒にしては白濁、または黒変せず透明琥珀色。飲み口よく、味も崩れていず古酒の味わいを充分に感じながら飲む。本当に久しぶりに口にする大古酒なので評価はしません。


3.早川酒造(三重県菰野町)  特別純米  「早春」 中取り
原料米;−、 精米歩合;55%   【アルコール分】 15度   1.8L \2,310
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+
E寸評;3月に呑んでベタほめしましたが、”鬼も十八、番茶も出花”今になったら落ち着きも出てきたが、あの時の若さが忘れられない。


4.分福酒造(群馬県館林市)  純米吟醸  「分福」 生原酒
原料米;山田錦、 精米歩合;50%  【アルコール分】 18度  【日本酒度】+3
【酸度】1.5   1.8L \3,150
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;香りさわやか、雑味なく旨味充分で濃厚。美酒、佳酒、銘酒です。


5.秋田木村酒造工場(秋田県湯沢市)  大吟醸  「福小町」 押切り・生酒
原料米;山田錦、 精米歩合;40%   【アルコール分】 18度  【日本酒度】+3  1.8L \3,150
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;”いつも旨い!”の一言。3月のコメントから「能書きを忘れて旨い。濃厚で、奥深く、厚味があり、文句なしに、毎回はずれることがなく旨い。佳酒の双璧。酒の神様に脱帽。」


6.大塚酒造(岐阜県池田町)  純米吟醸  「竹雀」 無濾過生酒
原料米;雄町、 精米歩合;50%  【アルコール分】 17〜18度  【日本酒度】+5
【酸度】1.5 【酵母】協会6号  1.8L \3,780
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;山廃仕込み、裏ラベル。山廃仕込みは独特なクサミ(クセ)が、いえ、香りがありますが、その香り(クセ)や、口当たりが感じられず、山廃の欠点が何処にも見当たらない。2杯目に通常手が出ない私がお替わりをする。山廃仕込みの認識を改めさせる、見事な酒です。

 

 

 


 

 2012年4月28日(土)

 

1.大澤酒造(長野県佐久市)  純米吟醸  「明鏡止水」 
原料米;−、 精米歩合;麹50%/掛55%  【アルコール分】 16〜17度  【日本酒度】+3
【酸度】1.6   1.8L \2,752
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;甘く丸く柔らかく呑みやすくどんどんと口中に入り、飲み過ぎになるほどの旨さを持つ。雑味なく五味バランスしている。


2.瀧自慢酒造(三重県名張市)  純米吟醸  「瀧自慢」 
原料米;麹・山田錦20%/掛・雄山錦80%、 精米歩合;麹50%/掛55%   【アルコール分】16〜17度  【日本酒度】+4  【酸度】1.5  【酵母】蔵内自家培養酵母   1.8L \2,961
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;青葉のようなさわやかな香りと旨味が凝縮して、口中で暴れる。五味バランスして味わい深く飲み手を誘う。


3.秋田醸造(秋田市樽山登町)  純米吟醸  「ゆきの美人」 
原料米;雄町、 精米歩合;55%   【アルコール分】 16.5度  【日本酒度】+2  1.8L \3,150
A;味4、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4+
E寸評;新酒の炭酸がしっかり効いていて、開栓と同時に爆発音とともに栓が天井にぶつかって跳ね返ってきた。ピリピリ感がキツくバランス悪く味わいを求めるのは酷。炭酸が抜けた頃でも、雄町の味わいがなく、味わい弱い。


4.初亀醸造(静岡県藤枝市)  純米吟醸  「初亀べっぴん」 
原料米;山田錦、 精米歩合;55%   【アルコール分】 15〜16度   【日本酒度】+8  【酸度】1.35 【酵母】静岡NEW−5   1.8L \3,600
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;味わい淡泊でさわやかだが、物足りなさがある。人の集まりでいつも人の後ろに付いて前に出てこられないべっぴんさんです。


5.神沢川酒造場(静岡市清水区)  純米大吟醸  「天満月(あまみつき)」 
原料米;麹・山田錦/掛・吟ぎんが、 精米歩合;麹35%/掛55%    【アルコール分】 15〜16度  【日本酒度】+3  【酸度】1.2   1.8L \3,675
A;味4+、B;香り5、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;味わいバランスして旨味はあるが力弱く淡泊。このべっぴんさんも輪の中心に出られなく壁の花です。初亀もこの天満月も加水のしすぎで力を無くしてしまったのでしょう。残念。


 

 

 

 


 

 

§酒のトップページに戻る§      <2011年10−12月に移動>   <2012年1−3月に移動>