最近呑んだ吟醸酒について
   
      

 

 

2012年7−9月分

 

   

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  これからの話は消費者(飲み手)という立場で書いていきます。評論家や蔵元、酒屋の立場では見ていません。と言う事は、売りたいための宣伝はしませんし、太鼓持ちのような感想も書きません。また、音楽とか味覚とかいう物は大変抽象的で表現が難しいのですが、平易に書きたいと思います。
 よく、食べ物店の紹介記事で絶賛している物を食べると、首を傾げたくなる時が多々ありますし、テレビでリポーターが口に入れたとたん「うまい」と発言しているウソ等はここでは、しないように心がけています。

 

   ◆月に一度の例会で飲んだ吟醸酒について、ズバリ、どういう酒か、皆様への判断基準を書きます。 
 A;味、B;香り、C;コストパフォーマンス、D;総合評価を、各5点評価(5;最上 4;良 3;まあまあ 2;まだまだ 1;評価外)で表します。 総合評価3−(マイナス)以下ではもう一度買うかと言えば、考えてしまうレベル。2ではタダで贈られても困ってしまうレベル。 
 私の独断と偏見なしで評価し、E;寸評も入れます。なお、会での評価も、判断基準の参考にしています。また、評価はこの日に飲んだ吟醸酒の味で、次回も酒の性格上、ロットや時間が変れば同じとは言切れませんが、傾向としては、間違ってはいないと思います。

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◇イイお酒を、イイ友と、イイ肴と、イイ会話で月1回楽しむ会です。◇

 


 2012年次回例会は 10月27日(土)です。

 

 


 

 2012年9月29日(土)

 

1.新澤醸造店(宮城県大崎市)  限定純米吟醸  「あたごのまつ」 
原料米;−、 精米歩合;55%   【アルコール分】 16度    1.8L \2,940
 
A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;食中酒として造られた酒。と蔵元で謳うには価格設定がこなれていない。雑味なく品性良く肴を引き立てる。若干の渋みが残り、この渋みが脂物には合うでしょうが、淡泊な刺身にはどうでしょう。


2.盛田庄兵衛(青森県七戸町)  純米吟醸  「駒泉ひやおろし」 無濾過原酒
原料米;−、 精米歩合;55%   【アルコール分】 17〜18度   1.8L \2,958
 
A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;色が着いてひやおろしの特徴を出している。雑味なくさわやかだが、わずかに渋みが残る。この渋みが肴にどう影響するか。


3.九重雑賀(和歌山県岩出市)  純米吟醸  「雑賀ひやおろし」 
原料米;雄町、 精米歩合;55%   【アルコール分】 16度    1.8L \3,150
 
A;味4+、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4+
E寸評;旨さを潜在的に持っているが、酸味キツく、所々で異音が聞こえハーモニーを崩す。
ふくらみ無く、雑賀としては残念ながらお替わりが出来ない悲しさがある。


4.秋田木村酒造工場(秋田県湯沢市)  純米大吟醸  「福小町」 生酒
原料米;酒こまち、 精米歩合;45%   【アルコール分】 18度  【日本酒度】+1  【酸度】1.7  1.8L \3,980
 
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4+
E寸評;旨い。旨いが酸味がキツく、味わいバランス崩し、味にふくらみが無く平坦。福小町はとびっきり旨いものと、そうではないものとが混在している。宝くじでは無いのだから、もう少し全体のレベルを上に合わせて欲しい。


5.三浦酒造(青森県弘前市)  特別純米  「豊盃あきあがり」  
原料米;−、 精米歩合;麹米55%/掛米60%   【アルコール分】 16〜17度   1.8L \2,650
 
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+
E寸評;豊盃は雑誌などで騒がれ、買いたくても手元に入らなくなっている。その中で今回ゲットできた一本。ま、値段からしても一級品を期待してはいけない酒ですが、そこは人情。さわやかで旨味充分だが、雑味がザワザワと騒ぎ、酸味がキツく、食中酒としても惚れるほどではない。


6.三浦酒造(青森県弘前市)  純米吟醸  「豊盃」 生酒 
原料米;山田錦、 精米歩合;55%   【アルコール分】 15〜16度   1.8L 会員持ち込み酒
 
A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス、D;総合評価4
E寸評;平成20年(2008)7月瓶詰め酒で、勝手に会友が冷蔵庫保存をした酒。色は琥珀色、一口目は古酒と感じさせない力強さがある。歳以上に若く見える有名女優さんみたい。でも、やはり、4年の歳月は隠せず、そのシワが見えてくる。

 

 

 


 

 2012年8月25日(土)

 

1.加茂福酒造(島根県邑南町)  純米吟醸  「悪の代官」 無濾過生原酒
原料米;五百万石、 精米歩合;60%   【アルコール分】 17〜18度  【日本酒度】+5  【酵母】島根大学酵母HA11  1.8L \2,625
 
A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4
E寸評;ラベルほどの悪ではなく、若く弾けそうな旨味と風味を感じる。若干の渋みを感じるが、五百万石の米の旨味が口中に残る。


2.富士酒造(島根県出雲市)  純米吟醸  「出雲富士」 原酒
原料米;改良雄町94%/山田錦6%(酒母)、 精米歩合;55%   【アルコール分】 17度   1.8L \2,980
 
A;味4+、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4+
E寸評;雑味なくバランスが取れて旨味がある。温度が室温まで上がってくると、ツンツンと味わいキツくなる。


3.宮泉銘醸(福島県会津若松市)  純米吟醸  「写楽」 
原料米;(山形)酒未来、 精米歩合;50%   【アルコール分】 16度   1.8L \3,150
 
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4+
E寸評;酒の旨さが充分味わえる酒であるが、清楚感が味わえない。かといって図太さはない。


4.秋田木村酒造工場(秋田県湯沢市)  純米大吟醸  「福小町 裏ラベル」  押切・生酒
原料米;山田錦、 精米歩合;40%   【アルコール分】 16〜17度   1.8L \3,150
 
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;旨い。雑味なくまろやかで奥行きもあり、安心して飲める佳酒。ただし、5月に飲んだものよりアルコール度数が1%以上低い。その差が心配であったが、度数の低さが飲みやすさに繋がっていた。価格も酒税が下がったぶん下げて欲しかった。


5.酒田酒造(山形県酒田市)  純米大吟醸  「上喜元 裏ラベル」 押切
原料米;愛山、 精米歩合;43%   【アルコール分】 16〜17度    1.8L \3,675
 
A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス3、D;総合評価4
E寸評;清楚な味わい無く、旨味はあるが、苦みが残る。常温近くになると欠点がより目立つ。


6.大塚酒造(岐阜県池田町)  純米吟醸  「竹雀 裏ラベル」 山廃無濾過生酒
原料米;雄町、 精米歩合;50%  【アルコール分】 17〜18度  【日本酒度】+5
【酸度】1.5 【酵母】協会6号  1.8L \3,780

 
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;山廃独特のクセがなく、雄町の旨さが心に響く。旨さにコクがあって上品さを醸す佳酒。
山廃のこれからのお手本になる一本です。

 

 

■ 今回は冷蔵庫保存で酒温5〜8度Cであった。毎回常温で飲むのが当会の主旨ですが、あまりにも連日の暑さに負けて、冷やした。冷やした酒の旨さが際立った。しかし、その冷たさに欠点が隠れ、旨さの基準が少しずれました。

 

 


 

 2012年7月28日(土)

 

1.旭酒造(山口県岩国市)  純米大吟醸  「獺祭50」 
原料米;−、 精米歩合;50%   【アルコール分】 16度   1.8L \2,835
 
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;香り、味わい、深味、厚さどれをとっても文句なしに絶品。いつ飲んでも旨い佳酒。


2.泉橋酒造(神奈川県海老名市)  純米  「夏ヤゴ 」 無濾過生原酒
原料米;地元山田錦、 精米歩合;65%   【アルコール分】 18〜19度  【日本酒度】+10
【酸度】1.9  1.8L \2,940
 
A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;ラベルのヤゴがイイ。夏になって味がこなれてきたが、酸味がキツくてバランス崩す。ま、チョー辛口と謳っていますので、これはこれで・・・。早くトンボになって飛び立って下さい。

3.天山酒造(佐賀県小城市)  純米吟醸  「天山赤ラベル」 
原料米;−、 精米歩合;55%   【アルコール分】 16度   1.8L \3,014
 
A;味4+、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4+
E寸評;丸く熟成した味わいが旨いというか、力が無くなったというか。決して不味くは無いのだが訴える力が無い。


4.酒田酒造(山形県酒田市)  純米吟醸  「上喜元神力」 
原料米;神力、 精米歩合;50%   【アルコール分】 16〜17度   1.8L \3,045
 
A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;バランスしているが、味わい物足りなさがある。ラベルの文字を読むと「力神」とだれでも読んでしまう。デザインに凝りすぎて書体の原点を忘れている。酒の味も原点が・・・。


5.八海酒造(新潟県南魚沼市)  特別純米  「八海山」 原酒
原料米;−、 精米歩合;55%   【アルコール分】 17.5度   1.8L \3,150
 
A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス3+、D;総合評価4
E寸評;日本酒で名が通ったメーカーですが、味わい香りベストではありません。味わい薄く旨さ不十分。名前で買って失敗する好例。


6.加藤吉平商店(福井県鯖江市)  純米大吟醸  「梵・艶」 中取り
原料米;山田錦、 精米歩合;50%   【アルコール分】 15〜16度  【酵母】KATO−9号(自社酵母) 1.8L \3,465
 
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4+
E寸評;バランスして旨いが、味わい淡泊で、言葉を変えれば、薄い。加水のし過ぎか。

 



 

 


 

 

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