最近呑んだ吟醸酒について
   
      

 

 

2012年10−12月分

 

   

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  これからの話は消費者(飲み手)という立場で書いていきます。評論家や蔵元、酒屋の立場では見ていません。と言う事は、売りたいための宣伝はしませんし、太鼓持ちのような感想も書きません。また、音楽とか味覚とかいう物は大変抽象的で表現が難しいのですが、平易に書きたいと思います。
 よく、食べ物店の紹介記事で絶賛している物を食べると、首を傾げたくなる時が多々ありますし、テレビでリポーターが口に入れたとたん「うまい」と発言しているウソ等はここでは、しないように心がけています。

 

   ◆月に一度の例会で飲んだ吟醸酒について、ズバリ、どういう酒か、皆様への判断基準を書きます。 
 A;味、B;香り、C;コストパフォーマンス、D;総合評価を、各5点評価(5;最上 4;良 3;まあまあ 2;まだまだ 1;評価外)で表します。 総合評価3−(マイナス)以下ではもう一度買うかと言えば、考えてしまうレベル。2ではタダで贈られても困ってしまうレベル。 
 私の独断と偏見なしで評価し、E;寸評も入れます。なお、会での評価も、判断基準の参考にしています。また、評価はこの日に飲んだ吟醸酒の味で、次回も酒の性格上、ロットや時間が変れば同じとは言切れませんが、傾向としては、間違ってはいないと思います。

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◇イイお酒を、イイ友と、イイ肴と、イイ会話で月1回楽しむ会です。◇

 


 2013年次回例会は 1月26日(土)です。

 

 


 

 2012年12月29日(土)

 

1.三浦酒造(青森県弘前市)  純米吟醸  「豊盃」 しぼりたて生酒
原料米;−、 精米歩合;麹米55%/掛米60%   【アルコール分】 17度   1.8L \2,650
 
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+
E寸評;旨味充分でバランスしているが、旨味が淡麗で淡泊平板。

2.九重雑賀(和歌山県岩出市)  純米吟醸  「雑賀」 おりがらみ
原料米;−、 精米歩合;麹米55%/掛米60%   【アルコール分】 16度   1.8L \2,730
 
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;若干のオリが絡んでいるが、全く味わいに影響は無く、旨味を演出している。旨く、味わい深く厚みありふくよか。品性豊で飲み手を引きつける。


3.楯の川酒造(山形県酒田市)  純米大吟醸  「楯野川」 しぼりたて生
原料米;出羽燦々、 精米歩合;50%   【アルコール分】 16〜17度   1.8L \3,045
 
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+
E寸評;開栓時に吹き上がると注意書きのタグが付いていたが、残念ながら何事も無く開栓。白濁した中に新酒の酸味と若さが登ってくる。味わい深く飽きさせない弾けるような娘さんです。


4.八百新酒造(山口県岩国市)  純米吟醸  「雁木」 初搾り生原酒
原料米;山田錦、 精米歩合;50%   【アルコール分】 16〜17度   1.8L \3,150
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;香り豊で旨味充分、品性豊で厚味も充分。コメントするより酒の神に乾杯。本日のベスト酒。


5.八戸酒造(青森県八戸市)  純米吟醸  「陸奥八仙」 生原酒
原料米;−、 精米歩合;55%   【アルコール分】 17度   1.8L \3,360
 
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+
E寸評;新酒の酸味が口中を刺す。旨味充分だが、今一その旨味が飲み手に伝わってこない。


6.斉藤酒造店(青森県弘前市)  純米吟醸  「六根」 生原酒
原料米;華想い、 精米歩合;55%   【アルコール分】 16度   1.8L \3,300
 
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;酒造好適米は山田錦と華吹雪を掛け合わせたものです。
味わいバランスして旨さ充分。旨いと言うことを主張せず、静かに自己を主張している。

 

 

 


 

 2012年11月24日(土)

 

1.神沢川酒造場(静岡県静岡市)  大吟醸  「正雪 無量寿」 
原料米;麹米山田錦/掛米吟ぎんが、 精米歩合;麹米35%/掛米50%    【アルコール分】 16〜17度  【日本酒度】+5 【酸度】1.2  1.8L \2,970
 
A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;酒質は変質せずに秋を迎えたが、味わい淡泊で、今一つインパクトがない。


2.旭酒造(山口県岩国市)  純米大吟醸48  「獺祭」 しぼりたて生
原料米;山田錦、 精米歩合;50%   【アルコール分】 17〜18度   1.8L \3,150
 
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;寒造早槽。新酒の山田錦50%造りを八割、山田錦39%造りを二割ブレンドしたC酒。
旨い、味わいまろやかで五味バランスして雑味なく奥行き深い。酒の旨さを堪能でき、その味わいはあまりある。毎回、季節を問わず丸く、旨さを充分満喫できる。空気と結婚して(開封してから)旨さがなお上昇した。


3.初亀醸造(静岡県藤枝市)  純米  「初亀」 
原料米;−、 精米歩合;60%   【アルコール分】 15〜16度   【日本酒度】+4 【酸度】1.4  1.8L \2,800
 
A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;紅葉の時期に合わせて、しっかりと酒に色が着いている。しかし、老香は感じない。力強さが感じられず、ピークを若干過ぎている。


4.大澤酒造(長野県佐久市)  純米大吟醸  「勢起」 槽しぼり
原料米;山田錦、 精米歩合;45%   【アルコール分】 16〜17度   【日本酒度】+5 【酸度】1.6  1.8L \3,780
 
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価5
E寸評;明治・大正・昭和の三代を支えたお婆ちゃんの名前「勢起」です。「明鏡止水」の蔵元。
旨いが、味わい堅く、その硬さゆえ2杯目に手が出ない。


5.黒龍酒造(福井県永平寺町)  純米吟醸  「黒龍 三十八号」 
原料米;山田錦、 精米歩合;麹米50%/掛米55%   【アルコール分】 16度   1.8L \3,990
 
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4+
E寸評;味わい深いが、ザラツキ感があり今一歩。旨さは濃厚だがバランス悪く、他の旨い酒に気を取られ、リピーターが居ない。いつも、万年2位に甘んじている。何処かの仕分けではないが2位ではダメなんです。


6.瀧自慢酒造(三重県名張市)  純米大吟醸  「瀧自慢」 
原料米;山田錦、 精米歩合;45%   【アルコール分】 16〜17度   【日本酒度】+2 【酸度】1.3  1.8L \4,095
 
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;IWC2012 SAKE部門、銀賞受賞酒。IWC;毎年ロンドンで開かれるワインコンテスト。その中のSAKE部門、688本の中から選ばれた吟醸酒。

本日のベスト。味、香りどれをとってもベスト。旨味の中に、香りと共に味わい深い旨さが口中に広がり、至福の一献を味わう。酒の神様と杜氏さんに感謝。

 

 


 

 2012年10月27日(土)

 

1.佐久の花酒造(長野県佐久市)  純米吟醸  「佐久の花」 原酒
原料米;ひとごこち、 精米歩合;55%   【アルコール分】 17〜18度   1.8L \2,730
 
A;味5、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+
E寸評;旨味充分。いつもの佐久の花は厚化粧の女性のように香り立ちすぎて、その香りにクラクラしたが、今回は薄化粧と言うより、スッピンです。香り押さえて安心して飲める。酒そのものの味わいを楽しむ。


2.南酒造場(高知県安田町)  純米吟醸  「」 
原料米;松山三井、 精米歩合;50%   【アルコール分】 16〜17度  【日本酒度】+6 【酸度】1.8   1.8L \3,000
 
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;旨味充分で味わい深い。品の良い香りも充分で、開栓したときに、その香りが部屋中に立った。濃厚な旨味と後味が清楚で、あとを引く。


3.分福酒造(群馬県館林市)  純米大吟醸  「分福 裏ラベル」 
原料米;山田錦、 精米歩合;40%   【アルコール分】 18度   【日本酒度】+4 【酸度】1.4  1.8L \3,150
 
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+
E寸評;氷温十年貯蔵酒。十年古酒と言われなければ、未だ味わい充分。品性未だ良く、わずかな老香を感じるが味わい濃厚丸くなって、負の部分は感じない。


4.大塚酒造(岐阜県池田町)  純米大吟醸  「竹雀」 袋吊り
原料米;山田錦、 精米歩合;40%   【アルコール分】 16〜17度  【日本酒度】+0 【酸度】1.4  1.8L \3,150
 
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;22BY(昭和23年産)。旨味充分で古酒臭く全くない。香り豊で、酒質すぐれ一年物と感じさせない力がある。濃厚で奥行き深く、酒の味を堪能させる。これぞ、古酒の旨さを完成させた日本酒。蔵元では香りが立たなかったと言って尻込みしていた酒ですが、そんな事は吹き飛ぶほどの美酒で、嫁に出しても恥ずかしくは無い。


5.秋田木村酒造工場(秋田県湯沢市)  純米大吟醸  「福小町 裏ラベル」  押切・生酒
原料米;酒こまち、 精米歩合;45%   【アルコール分】 17度   1.8L \3,150
 
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;毎回呑むが安定した味わいで相変わらず旨い。ただその一言。香りも立ち、奥行きあり、厚味有り、日本酒のトップに立つ。


6.林本店(岐阜県各務原市)  純米大吟醸  「榮一」 袋吊り
原料米;山田錦、 精米歩合;40%   【アルコール分】 16〜17度   1.8L \3,780
 
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;味香り文句なしに一級品。酒の神に感謝。いえ、杜氏さんに大感謝。袋吊りのような手間暇掛かる手法で、細かい所に良く心が入った酒。こんなにも旨い酒がこれだけの値段で世に出るのも不思議。蔵元にも感謝。

 



 

 


 

 

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