no.19
和釘つくり体験  10/17
一番やりたかった壁塗りが出来なかったのが残念ではありますが
続々と未知の世界が広がっていくので今回も恥をかきつつ挑戦してきました。
これこそ、全く未体験の「鍛冶」です!

{和釘とは何か?}
一般に釘といって思い浮かぶのは丸くて先の尖った皿状の頭の丸釘ですが、これは明治初期に日本に入ってきたものだそうです。
明治以前の建物に使用されていたのは鍛冶が作った和釘と呼ばれるもので頭部の形状によって5〜6種類あり胴部は四角断面の楔形です。
材料は地鉄で炭素量が0.03〜0.3%のもの、頭部形状は飛鳥型と巻頭型という2種類が主なものとしてあります。

飛鳥型
5mm角 5寸(15cm)葺き茅を支える垂木を軒桁に止め付けるために使用
熱したてつの棒を万力で固定し始めに真上からその後四方八方から叩いて頭部をドーム型にする。
(製法が難しいので今回は出来ません)

巻頭
6mm角  4.5寸(13.5cm)床下の大引きを根太を止める。
4.5mm角 1.5寸(7.5cm)床板 壁を止める。
今回はこの巻頭に挑戦です。
{和釘製作工程}
@元になる地鉄
Aホド(鉄を熱する場所)で熱し鎚て角材に加工

B適当な長さに整える
C先端を楔形に尖らせる
D全体を滑らかに尖らせながら必要な長さになるまで叩いて伸ばす
E巻頭を作るため頭を平らにする
F先端をなでるようにしながらくるんと巻き込んでいき完成
ホドの代わりの七輪
ふいごの代わりのドライヤー
金床の代わりのH鋼
工程Cホドで鉄を赤く熱する
鉄を押さえているのは「はし」呼ばれるもの
工程C先端を楔形に尖らせる
   Dちょうど良い長さまで伸ばす
工程Cはしでしっかり押さえて鎚でたたく
   叩き方が重要 まっすぐ打ち下ろさないとゆがむ
工程EF頭をつぶし、鎚を釘に対して直角にやさしく叩きながら
      先端を巻き込んでいく
完成
これはもちろん見本(わたしはこんなに綺麗にできませ〜ん)
和釘は参加者各自2本づつ作り1本は実際に倉屋の床を止めるのに使い
1本は記念として持ち帰ることができました。
しかも、両方の釘に名前を刻んでくださいました。(すごいよね?)
左が主人作、右が私作(わかってます、不細工)
これでもしっかり床を止めることができましたよ。
見た目は非常に悪いけど・・・(ごめんなさい)


こうして1本1本手作りして出来上がった釘は見た目も美しく耐久性もあり日本家屋をしっかり支えてきたんだとつくづく感心しました。

(実際にどんな感じになるのかは次のページで)
そして、これが完成品だ!