{家屋の主な特徴}

@荒川流域の地域的特徴
 浮間地域は荒川の改修が完成した昭和初期までにたびたび洪水に悩まされていました。
 そこで洪水から家を守るための工夫に「水塚」(みずか)があります。
 これは、道路面から主屋の基礎まで約1メートルほど高く土盛りして浸水を防ぐというものです。

A大規模農家形式
 食い違い四間取り形式
 4部屋が田の字型ではなく前後左右の間仕切りが食い違った形になっています。
 軒先はセガイ造り
 かやぶき屋根の軒形式の一つ。
 側柱の上部から腕木を突き出し、その上に出桁をのせ天井板を張った軒形式で
 軒を深く出す造り方。

Bかやぶき屋根「箱棟」

 屋根の上に箱型の棟が乗る。
 厚板で箱型を組みその上に小屋根をおく。 
{改築の変遷}
明治中期 養蚕
幕末から明治
創建時 江戸末期
明治中期 新座敷増築
大正12年から昭和3年
解体時
{解体工事}

平成8年末から9年3月にかけて、解体工事とともに調査を行いました。
指定文化財として解体前と全く同じ状態に復元するため、部材は組まれた時と逆の手順で取りはずしていくそうです。
解体調査では、部材の釿(ちょうな)仕上げ、和釘の使用、叉首構造などが確認され、
それに基づいて図面が作成されました。

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