青色申告制度

青色申告の特典
青色申告を選択すると次のような特典があります。
@青色申告特別控除(最高65万円)
A青色事業専従者給与の必要経費算入
B純損失の繰越と繰戻し
C貸倒れ引当金の設定や一定の割増償却
このように青色申告者の場合には、税制面での優遇措置がはかられています。
青色申告ができる人
青色申告ができる人は、不動産所得や事業所得、山林所得がある人です。不動産所得に関しては規模が小さい場合(控除額は10万円)にも適用が受けられます。
申請と承認
青色申告をしようとする人は「青色申告承認申請書」を提出します。この申請書は原則として、適用を受けようとする年の3月15日までに税務署長に提出しなければなりませんが、年の中途で新たに事業を開始した場合などには、事業を開始した日から2ヶ月以内に申請書を提出すればよいことになっています。
また、青色申告の適用にあたっては税務署長の承認が必要です。基本的には申請書の提出後、税務署長から承認または却下の結果が通知されますが、申請書を提出した年の12月31日までに通知がない場合には、その年12月31日において承認されたことになります。
帳簿の記録保存義務
青色申告者は税制面での特典がある反面、帳簿の記録や記帳義務、書類の保存義務が課されます。つまり、きちんとした帳簿や証拠書類を保存する必要があるわけです。原則的には、複式簿記による仕訳帳や総勘定元帳などを一定期間保存しなければなりませんが、現在は簡易帳簿による記帳も認められています。この場合にも最低限次の帳簿を備え付けなければなりません。
@現金出納帳 A経費帳 B売掛帳 C買掛帳 D固定資産台帳
帳簿書類の保存期間
帳簿及び決算関係書類・・・7年間
現金預金等関係書類・・・・・7年間
その他の書類・・・・・・・・・・・5年間
添付書類と期限内申告
貸借対照表や損益計算書などが記載された青色申告決算書を申告書に添付します。また、申告書は提出期限内に提出しなければなりません。
青色申告の取り消し
帳簿書類に虚偽の記載がある場合など税務署長が不適切と認めた場合には、青色申告の承認を取り消されることがあります。
青色申告特別控除
不動産所得、事業所得、山林所得を営む青色申告者については、原則として、10万円の控除額が認められています。ただし、特例として、不動産所得又は事業所得を事業的規模で営む青色申告者については、取引を詳細に記録することを要件に、特別に65万円の控除額が認められています。不動産所得と事業所得の両方を営んでいる場合には、まず不動産所得から控除し、残りがあればその残額を事業所得から控除します。
(1) 65万円の青色申告特別控除
この65万円の控除が受けられるための要件は、次のようになっています。
不動産所得又は事業所得を生ずべき事業を営んでいること。
これらの所得の金額に係る取引を正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)により記帳していること。
確定申告期限内に、ロの記帳に基づいて作成した貸借対照表を、損益計算書とともに、確定申告書に添付し、その適用を受ける金額を記載して提出すること。
(注)現金主義によることを選択している人は、65万円の青色申告特別控除を受けることはできません。
(2) 10万円の青色申告特別控除
この控除は、(1)の要件に該当しない青色申告者が受けられます。