不適応行動 強迫症状・・・6年生
6年生になっても、先生は変わらなかった。

一人卒業し、1年生が一人入学した。4月の時点で1年生は一人だったが、6月頃に普通級からもう一人移籍してきた。典型的なアスペルガーだった。先生はすっごく忙しくなったがgoriには関係ない。どうせ枠外。ほったらかし。

この1年生がダウンちゃんで、行動力旺盛。様は超多動なわけだ。しかし障害があっても、お話が出来なくても、こんなに自分の思うままに、したいようにがむしゃらに突き進む。すごいエネルギーだし、気もちの強いお譲さん。
障害って一言でいうけど、障害によっても、子どもの性格よっても全然違う。

困難が大きいほど燃える先生にとっては、さぞかしやりがいがあった事でしょう。このダウンちゃんを厳しくしつけ、アスペちゃんの行動を整理して修正する。

goriはというと・・・相変わらずだが、この先生にも少しずつ慣れて、自分なりの生活のリズムを確立しようとしていた。そうgori流に・・・。自分の中で決まり事が増えていき、それはすごく無意味な様に見えるが、やらないではいられない事らしい。

一般的にいわれている、「何度も手を洗う」とか「何度も鍵を閉めたかどうか確認しないといられない」などの強迫神経症と自閉の儀式的な行動とが混ざりあったもののようだった。
朝、起きてから学校へ行くまでにやる事の順番が、少しでも変わると、前に戻ってやり直した。夜も、布団に入るまでの無意味な儀式的行動がいくつか追加された。
こんな事をしていたら、本当にしなければいけない事にたどりつかない。


6年の1学期は、掃除や学校の集会はもちろん、内科検診や、学習、体育の、給食当番もやらなくなっていた。いったい何をして過ごしていたんだろうか?きっと、本当に何もする気になれなくなっていたんだろうな。先生との関係の悪循環は続いた。
子供って、
親や先生が色眼鏡で見てしまって、決め付けてしまうと本当にそうなってしまう。

私は、「せめて給食当番くらいさせられませんか」と先生にお願いした。「やらそうと思えば出来ますよ。」これは、ただ厳しく怒って力づくでやらすと言う意味だが、その様なやり方はしないでほしいと言ってある。そうすると他に方法がないらしいく、やらないまま時がすぎた。
私は思考錯誤でなんとか子どもとの関係作って、いろんなこと伝えてきのに。

先生が一人で、手が足りないのは良くわかっているが、他の事はともかく、せめて給食当番だけでもという思いは消えず、再度お願いすると、先生は「goriは手があっても、出来てもやらないです」「私の言うこと聞きません」と。この発言には私もさすがに腹が立ち、「4年生までは、ちゃんとやってました」と言い返した。実際そうだから・・・。

しかし、goriが先生の指示に従わないのは事実で、先生とgoriの関係は最悪だった。多分、先生は本当にgoriとどうかかわったらいいか解らなかったんだ。でも、子供はロボットではない、生身の人間なんだ。だからいくら障害を勉強して知識があって、形を整えてもココロが通ってなければダメなんだ。この先生にはこんな当たり前の事が解ってなかった。
goriはずっと僕の事わかってよ。僕の気持ち受け止めてよ。って態度で訴えていたと思う。

この頃の問題行動はすべて、この気持ちの裏返しだったと思う。
問題行動といえば、色々やってくれた。いきなり先生の名前を呼び捨てにして怒鳴ったり、先生の頭を本で殴ったり、お友達を押したり、食べた食器を片付けない、登校してから昇降口での座り込み、教室から帰ってくれないとか・・・・パニックもたびたび。先生との緊張感ありありの関係が、goriをますます頑なにさせ、触れたら爆発しそうな、誰もちか寄れない雰囲気をかもし出していた。見ていると、全部先生に正しく関わってほしくてやっているのが痛いほど感じて、辛かった。
この頃には進学をどうするか、もう意向を出さなくてはならなかった。

最初は地域の特殊学級を考えていたが、
これだけ情緒が不安定では中学の特殊学級では対応出来ないだろう。と真理の先生や、療育教室の先生に言われ、養護学校を、検討し始めた。

2学期になると、夏休みで充電できた事と、少しは成長したのか、前向きに行動するgoriが見えてきた。自分で決めた事はやり遂げようと思うらしく、本当に、やると決めた事は立派にやり遂げた。運動会、合同学芸会、音楽会、連合運動会。とにかく行事の多い2学期だったが、すべての行事に力一杯参加した。
特に、合同学芸会での劇は自分で主役に立候補し、練習も気合が入り本番も立派だった。そんなgoriの様子に先生も少し、goriを認めてくれたようだった。

その反面、強迫症状的な儀式行動は増えていき、言葉がうまくしゃべれなくなった。goriは、周りで誰かがしゃべっていると自分がしゃべれなくなり、いつしか朝の挨拶にこだわり先生に「おはよう」が言えなくなった。アスペちゃんが先生のそばでずっとしゃべり続けているので、goriは「おはよう」が言えないんだ。私はびっくりした。
今頃こんな事につまずく?
朝の挨拶がうまくいかないと、ずっとそれを引きずって、4時間目位にやっと先生と関わる時間が出来、「おはよう」というなど、信じられない状況があった。
特に気になった事は、「ッパ」と言ってからでないと話せなくなった事で、自閉の環境不適応から来る儀式ともチックと言われた。

ひどくどもるようになり、自分の言いたい事が言えない時などは涙ぐんだりすることもあった。
依然として情緒は不安定で、何か行事が終わると、ちょっとした事で怒ったり、突っかかったりして、そのストレスを一揆に発散していた。そうやって過活動になっている、自分の脳をクールダウンさせているようだが、そんなに付加のかからない生活をおくれる方がきっといいんだろうな・・・。