ホンダNC700Xについて思う
2012/3/11




ホンダのブランニューマシン、NC700Xが発売されました。
今年の東京モータショーで発表されていたヤツです。 エンジンを寝かせてフレームを通常の位置より低くすることでタンクの位置にヘルメットが入るスペースを確保すると共に、フレームを流用して外装を交換することでオンロード、ちょっとオフっぽいの、それに大型スクーターを作ってしまおうという、一粒で三度おいしいバイクです。今回のはちょっとオフっぽいの、になります。

で、そのコンセプトなんですが

NEW MID CONCEPT
日常的な使い勝手の中で
 誰もが扱いやすく、より一層軽快、快適で、
  味わい深く楽しいモーターサイクルを
   低燃費、お求めやすい価格で提供したい


バイクも90年代以降、売れて無くて、初心者向けのバイクを出して底辺を広げなければというメーカーの焦りみたいなものを感じます。ミニ四駆の例を出すまでもなく、初心者を拡大しなければ市場はシュリンクするので、これはこれで理解は出来るのですが、バイクの場合はこのやり方は間違ってると思います。

バイクと言うのは本質的にワルでなければならない、というのが私の信念です。
ワイルドで無ければ存在する資格がない。
それをなんだ、扱いやすいだの、快適だの。
バイクが快適なわけねーじゃねえか。冬はくそ寒い、夏はくそ暑い、雨が降れば濡れる、それでも生身で走らなければならない。しかしそれでも乗るのがバイクってもんだろ。
それを軽快だの快適だのと言うのはゴマかしに過ぎない。
こんなタマ無しバイクに誰が乗りたいと思うか。

軽四とかリッターカークラスのクルマであれば、このコンセプトは間違っていません。しかし、クルマとバイクは、本質的に違う乗り物なのです。クルマは8割方実用品なので、扱いやすく経済的な方が良い。しかし100%趣味的な乗り物であるバイクはそうではない。
キャラが立って(by麻生太郎)なければ、意味がない。

誰もが扱いやすいのが良い、というのがそもそも大間違いで、クソ重くて軽快でも快適でもなく、ガソリンがぶ飲みで超高いハーレーを、免許を取ったばかりの(あるいは出戻りの)爺がほいほい買ってる、と言う事実を忘れてる。
いやむしろ扱い難く高いことが存在意義となっている。それがバイクってもんだ。(私は決して乗りたいとは思いませんが。。)
バイクの本質は他人に見せる事が出来るナニ(失礼)であって、黒くてデカいのが良いに決まってる。
初心者向けのナニなんてそんなもの、誰が欲しがるもんか。
もっとワルでワイルドなヤツを出して欲しい。


さらに言わせてもらえれば、型番のNCというのはNew Conceptの意味だそうでホンダの開発のおっさんによると
「他のに似てちゃ困るんです」だそうだが、どうみてもBMW R1200GSのエッジのダルいコピーにしか見えんが。
ああ、初心者向けのGSかあ


この項、終わり


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