平成24年10月号(H.24,10,5発行)
『うちの家主さん』
私が現在、住んでいるアパートは普通の一軒家のお宅の2階部分を間借りしています。家主さんが1階に住んでいるのですが、その家主さんがとても心の温かい方なのです。
この夏、私は右腕を骨折するというアクシデントに見舞われましたが、その際も銭湯まで通うのは大変だろうとお風呂を毎日貸して下さいました。洗濯をするのもその腕ではと、洗濯物まで面倒を見て下さいました。骨折をしてマイナス思考に陥りがちな私の心を救って下さいました。縁あってこのアパートに住んで約2年、私が仕事でどんなに遅く帰ろうとも、毎日必ず玄関の明かりはついています。その細かな心遣いに家主さんの人柄がにじみ出ています。「他者を思いやる気持ち」、昔は当たり前の様に大切にされていたことが今は大切にされていないことの方が多いようです。
私はどんな高層ビルのマンションより、家主さんの愛情に包まれたこの木造建築の古いアパートを誇りに思います。 <H.K.>
平成24年9月号(H.24,9,1発行)
私は、毎年お盆に父親の実家である福島県会津坂下町へ家族3人で帰省します。今年で91歳になる祖父がいるのですが、おじいちゃんは孫の中で唯一独身の私に色々な励ましの言葉をくれます。「結婚はせくことねぇ〜(急ぐこと無い)待てば海路の日和あり」「結婚の適齢期は50歳だからまだ早い」等、私を気遣ってくれます。今年のおじいちゃんは「剣道2段を目指したい」と言ってベッドに横になりながら竹刀を振り、「105歳まで生きたい」と食事は誰よりも良く噛んでじっくり時間をかけて食べ、そんなかわいいおじいちゃんを見て、元気でいて欲しいな〜と改めて感じました。お盆は親戚が集まり、先祖の墓参りに行き、とても大切な時間ですね。
<H.K.>
平成24年夏休み特集号(H.24,7,20発行)
『案の定』
先日、ひょんなことから3年生の女子生徒と50メートル競走をすることになり、案の定大敗してしまいました。内心たかをくくっていたとはいえ、いささかショックもあり、早速しばらく中断していた早朝ウォ−キングを再開しました。彼女には再挑戦を申し入れているのですが、さてさてどうなることでしょうか? というのもまだ散歩の段階であって、走るまでには達していないものですから・・・。
ちなみに自宅近くの公園での散歩なのですが、以前と比べて年齢を問わず人数が増えているようです。誰しも健康には関心が高いことが窺えます。少しずつ顔なじみの人との挨拶もふえてきたり、人だまりの端での世間話にもちょっとばかり意外性も感じたり、また、季節の移り変わりも愉しみたいと思います。 <T.N.>
平成24年7月号(H.24,7,1発行)
先日、雨の中を自転車で走っていたときのことです。狭い路地で、前方の歩行者が道をふさいでいます。道をあけてもらうため、「すいません」と声をかけました。その人は、「すいません」と言って脇に寄ってくれました。横を通りながら、こちらがふたたび「すいません」。意味合いはすべて異なりますが、「すいません」だけのやりとりでした。
ところが、「すいません」を使ってはいけないと主張する人もいます。「すみません」が正しい日本語で、「すいません」では「すみません」というわけです。そもそも「すみません」は「済みませぬ」が元の形で、「み」が「い」に変化した「すいません」は正しくないというのです。
ですが、言葉は変化するものですし、「すいません」はある程度の市民権を得たと自分は思っています。畏(かしこま)まった場では、本来の「すみません」の方がいいかもしれませんが・・・。みなさんはどう思いますか? どちらを使っていますか? <S.S>
平成24年6月号(H.24,6,1発行)
新東名開業、金環日食、スカイツリーの開業とこのところ盛り上がる話題が多かったかと思います。その中でも、スカイツリーの開業のニュースを見ながら、「そう言えば、スカイツリーができる前には何があったのか」という疑問を持ちました。そんなことを考えると、ふと自宅周辺やよく使っている道沿いも新しいマンションや新しい店などいつのまにか景色が変わっているなんてことにも気がつきました。
以前、『弥生時代』の由来となった「弥生土器出土の地」を見るために都内まで足を運びました。石碑の横の説明によると「周辺開発の際に、本来の出土の地がわからくなってしまった」とい記述がありました。歴史的な価値、その地名を有名にしたものもいつのまにか消えてしまうなんてこともあります。記録に残っていても、記憶からは消えてしまったもの多くあるのではないでしょうか。
さてみなさんの周辺で新しい建物が出来たとき、そこに何があったか覚えていますか? <T.F>
平成24年5月号(H.24,5,1発行)
以前の卒業生が結婚する。今年32歳の彼女が高校生の頃は、ルーズソックスやガングロが流行してたっけ・・・。勉強に熱心だったとはいえない彼女だったから心配したことも多かったけど、結構、話をしてくれたので、よく覚えている。親の不満や学校への不満など、いろいろ・・・。でも乱暴な言い方は何故か絶対しなかったから、優しい子だと思っていた。
ちょっと遠回りはしたけれど卒業後、彼女は歯科衛生士になり、現在、障害者歯科という分野で頑張っている。きっと、患者さんに優しい言葉をかけていることだろう。言葉は不思議な力を持っている。乱暴な言葉は、ときに人間関係を悪化させる。優しい言葉は、人に力を与える。温かい気持ちにもなる。
きれいな言葉を使うことは、人生の財産になるはずだ。「親しき仲にも礼儀あり」 親に対しても、友達に対してもである。 <M.Y>