GREAT VOCALISTS CD10枚
映画でもおなじみの往年の名歌手総出演のコンピュレーション・アルバム。納められているのはフランク・シナトラ、ドリス・デイ、ナット・キング・コール、エラ・フィツジェラルド、ディーン・マーチン、ビリー・ホリディ、ペリー・コモ、ダイナ・ショア、ビング・クロスビー、ペギー・リーと豪華な顔ぶれ。計CD10枚とボリューム満点でこの値段は破格(表示のミス?バッタ値?)。
[全曲試聴可]ジョニーが凱旋するとき他米愛国歌 作曲:
「♪ジョニーが凱旋するとき」は「第十七捕虜収容所」「博士の異常な愛情」「ダイハード3」などで使われている。口笛での方が有名。「♪錨を上げて」は海軍が登場する昔の映画には必ず使われており、同名の映画も存在する。「♪ゴッド・ブレス・アメリカ」はアメリカの第2の国歌と呼ばれており、9.11同時多発テロ以来耳にたこができるくらい聞く機会が多い。作曲したのは「ショーほどすてきな商売はない」などのミュージカル映画で知られるアービング・バーリンである。ベトナム戦争に従軍した元グリーン・ベレーのサドラー軍曹が歌って66年に全米1位になった「♪悲しき戦場」も収録されている。
エンターティナー 作曲:スコット・ジョプリン
ユニバーサル映画に50年ぶりのアカデミー作品賞をもたらしたロバート・レッドフォード&ポール・ニューマン共演作「スティング」(73年)の主題曲だったこの「♪エンターティナー」は、ラグタイムという19世紀末から20世紀始めにかけてアメリカで流行ったピアノを中心とした軽音楽で、その分野の第一人者だったスコット・ジョプリンの代表曲である。ラグタイム音楽は、当時サイレント映画特にスラップスティックといわれたドタバタ喜劇の伴奏曲としてよく使われたりしていたが、ジョプリンの死後急速に衰え、この映画のヒットで再評価されている。ところで、この曲は日本ではサッカーの応援歌として使われることが多いのだが、何故だかは不明;。
煙が目にしみる 作曲:ジェローム・カーン
「♪煙が目にしみる」は「ショウボート」で知られるジェローム・カーンの作品。映画ではフレッド・アステア/ジンジャー・ロジャースの名コンビ共演の「ロバータ」(1935年)で使われたのが最初。1952年にリメイクされた「ラブリー・トゥ・ルック・アット」でも当然使われていた。スピルバーグの「オールウェイズ」でもノスタルジックな雰囲気を醸し出すのに一役買っていた。今ではkaraokeの定番になっている。
[全曲試聴可]虹の彼方に・サンタフェ鉄道他 歌:ジュディ・ガーランド
「♪虹の彼方に」は「オズの魔法使い」で歌われて以後スタンダードナンバーとなった。当初はカットされる予定だったが名プロデューサー・アーサー・フリードが反対したため日の目を見ることとなった。最近でもジム・キャリーの「マジェスティック」、ブラッド・ピットの「ジョー・ブラックによろしく」などでカバーされている。「♪サンタフェ鉄道」はサンタフェ鉄道名物・ハーヴェイハウスを舞台にしたミュージカル「ハーヴェイ・ガール」で歌われた。曲は1946年度のアカデミー歌曲賞を受賞したため日本でも有名だが、当時の日本では公開されず2004年になってようやくDVDが発売された。
リリー・マルレーン 歌:マレーネ・ディートリッヒ
「♪リリー・マルレーン」は当初、ララ・アンデルセンという無名の歌手が歌っていたがヒットせず忘れかけられていたが、第2次世界大戦でドイツ軍兵士の間ではやり始め、いつしか連合軍の兵士の間にも知られるようになった。アンデルセンのその後の紆余曲折は81年のドイツ映画「リリー・マルレーン」で描かれているが、結果的にナチスにより歌うことを禁止されてしまった。それならばと連合軍側でこの曲を歌ったのが、すでにハリウッドで名声を得ていたドイツ出身のディートリッヒであった。反ナチスの彼女はアメリカに帰化していたが、彼女のハスキーな歌声に両軍の兵士が聞き入ったのだった。
ホワイトクリスマス 作曲:アービング・バーリン
「♪ホワイトクリスマス」は「♪ゴッド・ブレス・アメリカ」を作曲したアービング・バーリンのもう一つの国民的愛唱歌。1942年の「スイング・ホテル」で使われ、この歌を前面に押し出してリメイクされた1954年の「ホワイト・クリスマス」で人気を不動のものにした。実はバーリンはユダヤ人で、幼い頃クリスマスを祝わって華やかに装飾するキリスト教の家庭をうらやましく思っていたとか。2本の映画で歌ったビング・クロスビーが有名だが、「ホワイト・クリスマス」で共演したローズマリー・クルーニー(ジョージ・クルーニーの叔母)も歌手として名高くこの「♪ホワイトクリスマス」を歌っている。
[全曲試聴可]イン・ザ・ムード他 曲:グレン・ミラー楽団
日本でスイング・ジャズの大御所グレン・ミラーの名が知られるようになったのは戦後になってからだが、彼自身は1944年に軍慰問中の飛行機事故ですでに亡くなっていた。40歳という若さで亡くなった彼を偲んで1954年にはジェームズ・スチュアート主演で「グレン・ミラー物語」が製作されている。また、最近でも邦画「スイング・ガール」で彼の楽曲が取り上げられ根強い人気を保っている。「♪イン・ザ・ムード」「♪ムーン・ライト・セレナーデ 」「♪茶色の小瓶」「♪チャタヌーガ・チュー・チュー」「♪アメリカン・パトロール」「♪セントルイス・ブルース・マーチ」「♪真珠の首飾り」などの曲は誰もが一度は耳にしたことがある名曲である。
[全曲試聴可]シング・シング・シング 曲:ベニー・グッドマン楽団
「グレン・ミラー物語」がヒットして気をよくした映画スタッフはミラーと並び賞されていたスイング・ジャズ界の大家ベニー・グッドマンの伝記映画も翌年製作している。ただ、本人が生存中で穏当な描写になったことやよく似ているだけの無名の俳優を起用したことなどから”2匹目のどじょう”とはならなかったようだ。この「♪シング・シング・シング」はスイング・ジャズの代表曲と言っても過言でない彼のレパートリーの内の1曲である。他に、ウィリアム・ホールデン、キム・ノバク主演の「ピクニック」で使われたロマンチックな「♪ムーングロー」や最近、松浦亜弥の紅茶のCMに使われた「♪グッディ・グッディ」などの曲がある。
[全曲試聴可]モナ・リザ 歌:ナット・キング・コール
「♪モナ・リザ」はアラン・ラッド主演の「別働隊」という映画で使われ、公開された1950年度のアカデミー歌曲賞も受賞した名曲である。映画はO.S.S(CIAの前身)のアラン・ラッドがナチに復讐するため終戦後のイタリアに舞い戻るといった内容だが、今は全く忘れ去られている。ジャズの大家ナット・キング・オールが18番にしていた曲だが、現在でも多くの歌手がカバーし、イージー・リスニングの定番ともなっている。ちなみに作詞・作曲したレイ・エバンズ/ジェイ・リヴィングストンのコンビは「腰抜け二挺拳銃」の「♪ボタンとリボン」、「知りすぎていた男」の「♪ケ・セラ・セラ」でもアカデミー歌曲賞を受賞している。
[全曲試聴可]この素晴らしき世界 歌:ルイ・アームストロング
CMでの使用頻度が高い「♪この素晴らしき世界」は、”キング・オブ・ジャズ”の尊称や”サッチモ”の愛称で呼ばれたルイ・アームストロングの代表曲である。ニューオリンズの貧しい家庭に生まれた彼はトランペッターとして瞬く間に頭角をあらわし、ジャズ・エイジと呼ばれた1920年代を代表するまでの実力者となった。戦後は「グレン・ミラー物語」「上流社会」「ハロー・ドーリー」など多くのハリウッド映画にも出演して健在ぶりをアピールした。この愛と平和を歌った曲はベトナム戦争が激化していた1967年に発表されたもので、ベトナム戦争を題材にしたロビン・ウィリアムズ主演の「グッドモーニング・ベトナム」(87年)にも使われている。
スタンド・バイ・ミー 歌:ベン・E・キング
4人の少年たちが列車に轢かれた死体を探しに行くスティーブン・キング原作の非ホラー映画「スタンド・バイ・ミー」(86年)のタイトルにもなったこの曲「♪スタンド・バイ・ミー」は、1960年、ドリフターズのリード・ボーカルだったベン・E・キングが歌って最初にヒットさせた。ドリフターズ時代には、後に日本で越路吹雪が歌った「♪ラストダンスは私に(Save The Last Dance For Me)」もヒットさせている。数々のアーティストがカバーしているが、ジョン・レノン(Lennon Legend: The Very Best Of John Lennon)がカバーした「♪スタンド・バイ・ミー」がオリジナルと並ぶほど有名である。
[全曲試聴可]アンチェインド・メロディ 歌:ライチャス・ブラザーズ
「♪アンチェインド・メロディ」は1965年にライチャス・ブラザーズが歌ってヒットしたが、元々は1955年度のアカデミー歌曲賞の候補にもなった映画から生まれた曲である。作曲したのは「♪クレオパトラ」などの作品があるアレックス・ノースである。1990年に公開された「ゴースト/ニューヨークの幻」の挿入歌に使われ、再度注目されたのは記憶に新しい。さて、この曲のタイトルの元となった「アンチェインド(Unchaind)」なる映画だが、日本では未公開だし、本国アメリカでもめぼしい俳優が出演していなかったためかほとんど忘れ去られている。
マンボbT 歌:ペレス・プラード楽団
ペレス・プラードはキューバ出身で、ピアニストとして注目され、しだいに作曲もこなすようになった。当時のキューバではルンバが盛んだったが、それに飽き足らないプラードはジャズの要素を加えたマンボを創案した。しかし、キューバでは受け入れられずメキシコ、アメリカに活躍の場を移し大成功した。特にこの「♪マンボbT」は老若男女知らない人はいないほどでマンボの代名詞的な曲となっている。ほかにマンボのもう一つの代表曲「♪セレソ・ローサ」、イージー・リスニングでもおなじみの「♪パトリシア」、加藤茶の”ちょっとだけよ〜”のコントで有名な「♪ダブー 」などがよく知られている。
[全曲試聴可]密の味 演奏:ハーブ・アルパート
ビートルズや下のクインシー・ジョーンズなど多くのアーティストがカバーしている有名なラテン調の曲だが、ハーブ・アルパート&ティファナ・ブラスが演奏した「♪密の味(A Taste Of Honey)」がもっともよく知られているのではなかろうか。トランペット奏者としても名高いハーブ・アルパートだが、カーペンターズを世に送り出したA&Mレコード(Aはアルパートの意)の設立者の一人でもあり実業家としても成功している。「♪Spanish Flea」やそれをアレンジした映画「007/カジノロワイヤル」のテーマ曲「♪Casino Royale」、TVなどでもよく聞く「♪Tijuana Taxi 」「♪Rise」なども収録されている。
[全曲試聴可]ソウル・ボサノバ 作曲:クインシー・ジョーンズ
日本では「♪愛のコリーダ」で知られるクインシー・ジョーンズだが、60〜70年代は「夜の大捜査線」や「ミニミニ大作戦」などの映画音楽も手掛けていた。80年代以降はマイケル・ジャクソンのメガヒットアルバム「♪スリラー」をプロデュースするなど大物プロデューサーとしてソウルミュージック界に君臨してる。この「♪ソウル・ボサノバ」は「オースティン・パワーズ」のオープニングで使われてファンキーで調子のいいリズムが再度脚光を浴びた。そういういきさつもあり、クインシーは3作目の「ゴールドメンバー」には多くの有名人に混じりカメオ出演している。
ジョージー・ガール 歌:シーカーズ
「♪ジョージー・ガール」は少し前、車のCMに使われて軽快でさわやかな歌声が再び注目され多くのコンピュレーション・アルバムに納められている人気曲である。もともとは同名のイギリス映画の主題歌で、1966年度のアカデミー歌曲賞も受賞している。映画はリン・レッドグレーブ(バネッサ・レッドグレーブの妹)演ずる冴えない主人公の自立を描いた作品。シーカーズはオーストラリアで結成されグループでイギリスに渡って成功を修めた。
[全曲試聴可]青春の光と影 歌:ジュディ・コリンズ
少し前、JT(日本たばこ)のCMで使われていた「♪青春の光と影」は同名映画(1969年公開)の主題歌として「♪アメイジング・グレイス」で名高いジュディ・コリンズが歌い広く世に知られるようになった。もともとはカナダ出身の女性フォークシンガー=ジョニ・ミッチェルが作曲した歌である。映画の方は現在では忘れ去られてしまったが、この歌の方はフランク・シナトラやドリス・デイといった大物歌手もカバーしたほどポピュラーな存在となった。
[全曲試聴可]青い影 歌:プロコル・ハルム
2003年に21年ぶりに来日して話題を呼んだプロコル・ハルムのデビュー曲にして最大のヒット曲が「♪青い影」である。ハモンドオルガンを使ったソールフルなヴォーカルが特徴のこの曲は,、最近でもTVなどでよく聞くことができる。映画では「奇跡の海」や「再会の時」(死体役をデビューまもない頃のケビン・コスナーが演じていたがカットされている)などで使われている。最近ではサンドラ・ブロック主演の「ザ・インターネット」でも元ユーリズミックスのアニー・レノックスがカバーした「♪青い影」が使われていた。
[全曲試聴可]ドミニク 歌:ザ・シンギング・ナム
ドミニクニクと調子のよいリズムで始まるこの「♪ドミニク」は、63年のビルボード全米チャートで1位となり、日本でもペギー葉山などが日本語の歌詞を付けて歌いヒットした。歌っているのはベルギーの本物の尼さんコーラス隊で、当然歌詞もベルギー語である。ちなみに63年には坂本九の「sukiyaki(上を向いて歩こう」も全米1位になっている。この歌のヒットを受けてグループの中心的メンバーだったシスター・ルー・ガブリエルをモデルに「雨に唄えば」のデビー・デイノルズ主演で66年に製作されたのが「歌え!ドミニク」である。
[全曲試聴可]男が女を愛する時 歌:パーシー・スレッジ
今では結婚式などで盛んに使われるこの「♪男が女を愛する時」は、66年にパーシー・スレッジが歌ってビルボード全米チャート1位になっている。スレッジはこの後ヒットに恵まれず、「偉大なる一発屋」などと揶揄されるが、この曲はさまざまな歌手によって歌い継がれている。94年にはアンディ・ガルシア、メグ・ライアン主演でこの曲と同名タイトルの映画「男が女を愛する時」が公開され、当然この曲も使われていた。ボーイ・ジョージが「♪テーマ曲<クライング・ゲーム>」を歌ったニール・ジョーダン監督の「クライング・ゲーム」でも冒頭で使われている。
ワイルドで行こう 歌:ステッペンウルフ
テレビでハーレーダビッドソンが出てくると必ずのようにかかるのが、この「♪ワイルドで行こう(Born To Be Wild)」である。バイクで放浪するヒッピーが主役の「イージーライダー」(69年、デニス・ホッパー監督・ピーター・フォンダ製作)で使われたためイメージが定着した感がある。ステッペンウルフはドイツ出身のジョン・ケイを中心にカナダで結成されたバンドで、ドイツを代表する作家ヘルマン・ヘッセの詩がバンド名の由来である。また、この曲の歌詞「Heavy Metal Thunder 」からロックのジャンル名「ヘビー・メタル」が誕生しており、ロックの歴史においても重要な曲である。
2人のシーズン 歌:ゾンビーズ
昔サントリーのCMで使われ、最近、日産自動車のCMにも使われている「♪2人のシーズン」は1969年に全米でヒットしたソフトロックの名曲だが、この時にはすでにゾンビーズなるグループは解散して存在していなかった。おかげで偽バンドが現れるなど、まさにグループ名のごとき珍現象まで起きている。1964年イギリスの片田舎の学園バンドとして出発したゾンビーズは「♪She's Not There」「♪好きさ好きさ好きさ」などがヒットし華々しいデビューを飾るが、その後鳴かず飛ばず。しかし、解散後に発表した2枚目のアルバム「Odessey&Oracle(本曲も含まれる)」が大ヒットし皮肉な結果となった。

どこまでをオールディーズとするか迷うところですが、とりあえず1960年代までをこちらでとりあげています。
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注:輸入盤は数量が限られているのでとっと買わないと在庫切れになることが多々あります。欲しい盤はさっさと買いましょう。
   また、輸入盤は為替レートによって値段の変動があります。円高になると安くなります。レートもチェックしましょう。