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ツァラトゥストラはかく語りき 作曲:リヒャルト・シュトラウス
この交響詩「♪ツァラトゥストラはかく語りき」はスタンリー・キューブリック監督の「2001年宇宙の旅」で使われたため、多くの人に知られている。劇的な冒頭のファンファーレはTVやCMでもおなじみである。「ツァラトゥストラはかく語りき」とはニーチェの哲学書のタイトルだが、「♪ドン・ファン」、「♪ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら 」も文学作品がモチーフになっている。他に彼の音楽的業績を集積した「♪英雄の生涯」なども収録されている。指揮はヘルベルト・フォン・カラヤンとカール・ベームと豪華な顔ぶれである。(2枚組)
交響曲第3番第3楽章 作曲:ブラームス
バッハ、ベートーベンと共に「ドイツの3B」と呼ばれるブラームスは、最初の交響曲を書き上げるのに21年も費やしている。そのため生涯4つしか交響曲を作曲していないが、その中でも「交響曲第3番」が有名で、特にこの「♪第3楽章」は美しい旋律のため多くの映画、TV、CMに使われている。イングリッド・バーグマン主演の「さよならをもう一度」でも使われていたが、この映画の原作はフランスワーズ・サガンの小説「ブラームスはお好き」なので順当な選曲でもある。他に「ハンガリー舞曲」の「♪第5番」「♪第6番」もよく聞く名曲である。
[全曲試聴可]歌劇「ラクメ」より”ジャスミンの花咲く群れ” 作曲:ドリーブ
バレエ音楽「コッペリア」の作曲家としても名高いドリーブの歌劇「ラクメ」の第1幕で歌われているのが「♪ジャスミンの花咲く群れ」で、映画、TV、CMなどで盛んに取り上げられている。トニー・スコット監督のデビュー作「ハンガー」や「トゥルー・ロマンス」に使われ、兄のリドリー・スコットも「誰かに見られている」で使っており兄弟のお気に入りの曲のようだ。これ以外にも「アメリカン・プレジデント」「ミート・ザ・ペアレンツ」でも使われている。
[全曲試聴可]歌劇「フィガロの結婚」より”手紙の2重唱” 作曲:モーツァルト
「ドンジョバンニ」「魔笛」とならぶモーツァルトの三大歌劇の1つ。「ショーシャンクの空」で刑務所の放送局を占拠したティム・ロビンズが構内スピーカに流す音楽がこの「♪手紙の2重唱」である。結局、独房に2週間入れられるが、ずっと頭の中でこの曲を聞いていたと言ってまわりの仲間を驚かすシーンにつながる。この歌劇は映画「アマデウス」にも出てくるが、この曲は使われていない。一般的には「♪もう飛ぶまいぞ、この蝶々」や「♪恋とはどんなものかしら」の方が人口に膾炙している。
歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」より”間奏曲” 作曲:マスカーニ
マスカーニがこの有名な歌劇を書いたのはまだ20代の時で、高い評価を受け彼の名声はイタリア中に鳴り響いた。マスカーニは以後も歌劇を書き続けるが、結局この作品ほど評価されることはなかった。しかし、この歌劇に関しては現在でも上演されることが多く「ゴッドファーザーPartV」でもコルレオーネ一族が息子の晴れ姿を観劇するために訪れた劇場でも演じられていた。ラストの悲劇でもこの「♪間奏曲」が静かに流れてる。スコセッシ監督の「レイジング・ブル」でも使われており、イタリア系の監督に愛されているようだ。
[全曲試聴可]交響曲第5番第4楽章’アダージェット’ 作曲:マーラー
この曲もラフマニノフのピアノ協奏曲第2番などのように映画によって広く世に知られるようになった。ダーク・ボガード演ずる失意の作曲家が美少年へ憧憬を募らせるルキノ・ビスコンティ監督の「ベニスに死す」で全編にわたって使われ、マーラーの交響曲の中で最もポピュラーな曲となった。この第5番は交響曲としては珍しく第5楽章まであるが「♪第4楽章」のみが趣が異なっている。
喜歌劇「軽騎兵」序曲 作曲:スッペ
「♪スッペの軽騎兵・序曲」として多くの人に親しまれている曲で冒頭のファンファーレは映画、TV、CMなどでよく聞くことができる。スッペは多くの歌劇を書いた人だが現在は上演されることはほとんどない。この「軽騎兵」にいたっては台本すら失われており、どのような内容だったかも窺い知ることが出来ないのが現状である。序曲のみが盛んに演奏されており、この序曲と「♪詩人と農夫・序曲」が現在でも知名度が高い。
交響曲第7番「未完成」 作曲:シューベルト
シューベルトは、後の偉大なる名声を知ることもなくわずか31歳で亡くなっている。この「♪交響曲第7(8)番(未完成)」は第2楽章までしかないためそう呼ばれるのだが、早死にして書き上げられなかった訳ではない(真相は謎である)。シューベルトの生涯を描いた戦前のドイツの名画「未完成交響楽」(1933年)ではこの曲がモチーフとなって使われていた。最近では未完成(?)な犯罪予防システムを描いた「マイノリティ・リポート」でも使われている。他に「♪軍隊行進曲」「♪セレナーデ(歌曲集「白鳥の歌」第4曲)」「♪歌曲・魔王」「♪楽興の時・第3番」「♪アヴェ・マリア(歌詞無し)」など耳になじんだ名曲も収録されている。
[全曲試聴可]アヴェ・マリア(エレンの歌V) 作曲:シューベルト
この「♪アヴェ・マリア」は英詩人ウォルター・スコットの詩に曲を付けたものでシューベルト28歳の時の作品である。崇高なメロディーが魅力的で、映画では「生きてこそ」など数多くの作品で使われており、CMでもひっきりなしに使われている。日本でも人気のサラ・ブライトマンのクラシュック曲を集めた左のCDにはカタラーニの「♪La Wally」、ショパンのエチュード「別れの曲」をアレンジした「♪Dans La Nuit」、プッチーニの「「ジャンニ・スキッキ」より「♪O Mio Babbino Caro」、「♪Time To Say Goodbye(ソロ・ヴァージョン)」なども収録されている。
ジャズ組曲2番:ワルツ2 作曲:ショスタコービッチ
この「♪ジャズ組曲2番:ワルツ2」はスタンリー・キューブリック監督の遺作ともなった「アイズ・ワイド・シャット」で使われている。この映画は倦怠期を迎えた夫婦役で共演したトム・クルーズ&ニコール・キッドマン夫妻が撮影直後に離婚したことでも話題を集めた。この曲を作曲したドミトリー・ショスタコービッチは20世紀を代表するソビエトの作曲家だが、数多くの映画音楽を手掛けたことでも知られている。若い頃に無声映画の伴奏音楽をしながら生計を立てていたこともあり、その縁からか映画史を語る上で欠かせない作品であるエイゼイシュタインの「戦艦ポチョムキン」のサウンド版の音楽も担当している。
[全曲試聴可]夜想曲第2番・第20番 作曲:ショパン
ショパンの夜想曲(ノクターン)は全部で21曲あるが、「♪第2番」は夭折したピアニスト=エディ・デューチンの伝記映画「愛情物語」でアレンジされて使われた「To Love Again」の原曲としてよく知られている。「♪第20番」は迫害と戦争から生き延びたユダヤ人ピアニスト=ウワディスワフ・シュピルマンを描いた「戦場のピアニスト」のメインテーマとして使われてる。ピアニストを演じたタイロン・パワー、エイドリアン・ブロディはいずれもピアノの猛特訓を受け、代役無しでピアノを演奏しており、その役者根性が評価されエイドリアン・ブロディは見事アカデミー主演男優賞を受賞している。
[全曲試聴可]トランペット吹きの休日他 作曲:ルロイ・アンダーソン
「♪トランペット吹きの休日(Bugler's Holiday)」「♪ブルー・タンゴ」「♪フィドル・ファドル」「♪そり滑り(Sleigh Ride)」「♪ワルツィング・キャット」など誰もが一度は聞いたことがあるこれらの曲がみな一人の作曲家の作品であるというのだから驚かされる。ルロイ・アンダーソンはアメリカの作曲家で、ボストン交響楽団のもう一つの顔ボストン・ポップスのためにセミ・クラシックといわれる分野の曲を多数作曲した。日常にある物を楽器に仕立てた「♪タイプライター」(タイプライター)「♪シンコペイテッド・クロック」(時計)「♪サンドペーパー・バレエ」(紙ヤスリ)などのユニークな作品も耳にする機会が多い。
[全曲試聴可]マンドリン協奏曲 作曲:ヴィヴァルディ
「バロックの巨匠」と呼ばれるヴィヴァルディは、意外なことに長い間忘れ去られていた。1678年にヴェネチアで生まれた彼はカトリックの司祭となり、後に女子養育院で楽団を作りコンサートのために数多くの作曲を行った。一時はヨーロッパ中に彼の名前が鳴り響いたが、いつしか流行遅れとなり忘れ去られてしまった。そのため、彼がウィーンで文無し状態で客死したのが明らかになったのは200年も後のことであった。彼の作品ではなんと言っても協奏曲集「四季」が名高いが、「クレイマー・クレイマー」で使われた「♪マンドリン協奏曲ハ長調第1楽章(RV425・Allegro)」、「リトル・ロマンス」で使われた「♪マンドリン協奏曲ニ長調第2楽章(RV93・Largo)」も名曲である。