リビングファクトリー 管理人のよしなしごと

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ウグイスカグラ
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表紙写真のコラム(2019.6.9)
更新しました。
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2019.6.9更新  


リビングファクトリー 表紙写真のコラム (2019.6.9)
ウグイスカグラ ウグイスカグラの花

一昨日、雨が降って、いよいよ梅雨を迎えたらしい。
私もやっと一息つけた。

春からずっと忙しかった。借りている畑は一面のカモミール。週の半分以上を花摘みに費やしたが、摘みきれない大量の花は種になった。
その後は枯れはじめた株を抜く。畑のカモミールは大株だから大変だ。
うんとこしょ、どっこいしょ。引き抜いた株が山のように積もる。 それから、穴を掘る。カモミールを埋めるために。これが大仕事だ。
あれあれ、地面を見ると、そこここに雑草が生え始めた。草取りもしなきゃ。
やれやれ……、次から次へと肉体労働が続く。
「さわやかな初夏」とは縁もなく、太陽が辛くなっていった。

本を開いても文字が読めず、文章が理解できない。録画ならば楽だろうと見入るが、すぐに頭がどよんとして居眠り。何度か試みたがだめで、ついに録画を消した。体がくたくたになると、頭も疲れて動かなくなってしまう。

私の疲れを癒してくれたのは、ウグイスカグラ(鶯神楽)の紅い実だった。
窓の向こうに一つ、爽やかで涼しげになっていた。小さな風船みたいでかわいらしい。
春先には淡紅色の小さな花を咲かせる低木の落葉樹である。
雑木林でよく見かけるが、我家の狭い空間にも自然に生えて来た。おそらく、鳥が種を運んできてくれたのだろう。
それにしても、ウグイスカグラとは何とメルヘンチックな名前なんだろう。
花といい実といい、美しい声のウグイスには似合っている。藪の中で、可憐な花や紅い実をかざし、美声で歌い神楽を舞うウグイス。そんな夢のような想像力を持った人が、名付けたのかもしれない。

ある朝、鳥が紅い実を啄みに来た。ピーヨピヨとけたたましい声をあげて。さっさと食べるとバサバサと羽音をたてて去っていった。
何とも騒がしいヒヨドリの訪問だった。彼らは甘いものには目がなく、食いしん坊である。
また2、3日して実が紅くなると、ヒヨドリはやって来た。黄色や橙色の未熟なものには手を出さず、ちゃんと紅くなるまで待つ。
完熟した実は立派な種を持っている。その種が、鳥の糞とともにどこかの軒先や庭に落されて、ウグイスカグラは増えていく。自然の循環はすてきだと思う。

現政権下で私たちの生活はどうなっていくのだろう。物価は上がるし、税金も上がる。取り立てられるものばかりで、枯渇してしまう。
たとえ食いしん坊でも、熟した実しか採らないヒヨドリのような謙虚さが欲しいものだ。

梅雨のひととき、初物のカモミール茶を飲んで、ゆっくりと時を過ごそうと思う。