ここでは以下の組み合わせで実際に音を出して聴いてみたときの印象について触れます。他人はこんな風に「聴いている」「楽しんでいる」という事がわかると思います。同様のCDをお持ちであれば印象を比較してみるのも面白いでしょう。(更新日2005.11.16)

<システム構成&試聴アーティスト>

CDプレーヤー(3.5万円)
TEAC(国産)アーネスト500(PD-H500C)
デジタルフィルター8倍オーバーサンプリング/SN比100dB以上
アンプ(5万円)
TEAC(国産)アーネスト500(A-500i)
定格出力50W+50W(8Ω)/周波数特性5Hz〜80KHz
スピーカー(4万円)
B&W(UK)レジャーモニター(LM1)
・2wayフロント部バスレフポート/SN比91dB/インピーダンス8Ω
SPケーブル
SPACE&TIME(ドイツ)HIFI-KABEL-BINGO/2×4,00 QMM SILVER
RCAケーブル
audio-technica(国産)FineGoldAudioCable

<スタジオ録音>
U2
PEARL JAM
R.E.M.
RED HOT CHILI PEPPERS
ALANIS MORISSETTE
<屋内ライブ>
NIRVANA
THE CORRS
ERIC CLAPTON
SHERYL CROW
HAVEN
<その他>
DEEP FOREST
VARTTINA
ENYA
SARAH BRIGHTMAN
RICKIE LEE JONES

U2「WALK ON」

    <スタジオ録音>ALL THAT YOU CAN'T LEAVE BEHIND:4曲目

  • 鈴の音で始まるが、鈴の音に緊張感がほしいと思えてくる。または希望を感じ取れるような音。冒頭、ボノのナレーションは雰囲気も出ていて素晴らしい。 ボノのボーカルが強く出ていて(この曲ではボノの独断場)、ベースやドラム(ハイハットがシャカシャカ鳴っている)がダマになってしまっているのがおしい。 音の粒立ち(個々の音がダマにならないで明確に聞こえるという意味)があまりよくない。身長60cmのボノが目の前で唄っているといった印象を受ける。 0:40までは雰囲気よく聴かせる。残念なのはドラムのハイハットがハイハットらしく聞こえないこと、そしてベースがもっと良く聞こえたらと思う。「WALK ON」のサビのところでは、それでもうまく盛り上がってくれるので、曲の良さは証明されたと思う。ピアノ(キーボード)がもう少しそれらしく聞こえるといいなあと・・・・・。 アルバム全体として1枚ベールをかけたような印象なのは、マスタリングの問題なのか、試聴しているコンポ(スピーカーの個性)の問題なのか、もう少しクリアに聴きたいと思った自分のせいなのか?。大好きなバンドのアルバムなだけに今回の試聴では少々残念な結果になってしまった。

PEARL JAM「CAN'T KEEP」

    <スタジオ録音>RIOT ACT:1曲目

  • いい録音だと思う。出だしの緊迫感も良い。「WALK ON」よりもかなり好感のもてる音質。エディのボーカルも素晴らしいし、各楽器も曲の良さを引き出すような演奏でボーカルとタメを張っている、とてもいい感じ。この曲と比べてしまうと「WALK ON」のリズム隊はもやに包まれている印象を強くうけてしまう。パールジャムの録音が素晴らしいのだと思う。アルバム的にはU2と約2年の差がある。録音技術の向上があったと思わされるほど優秀な録音だと思った。 「ワンツー、ワンツー」のかけ声で曲は始まるが、十分に鮮明に聞き取ることができる。リアリティがあって彼らのメッセージがダイレクトに伝わってくる。 「ありとあらゆる人生を、俺は生きてきた。大海原のように、姿を偽り、永久に生きる訳ではない。俺をここに留めておくことは出来ない」と唄っている通り、思想性と曲の力強さがひしひしと伝わってくる。 ※彼らの録音は常に優秀だと思う。

R.E.M.「NIGHT SWIMMING」

    <スタジオ録音>AUTOMATIC FOR THE PEOPLE:11曲目

  • ピアノの高い音と低い音の両方が気持ちよく響いているのがたまらなく気持ちいいし、余韻も美しい。ボーカルのマイケル・スタイプ本人曰く「電話帳の名前を読み上げるだけで人を涙させることができる」ほどの声の持ち主なので、曲ともよくマッチしている。  適度なエコー感で雰囲気がとてもいい。ロックバンドとは思えない程ムーディな曲だと思う。ボーカルの声質もさることながら、ピアノが十分に役割を発揮している。バイオリンの寄り添う感じと、3:42あたりから流れてくる音(オーボエ?)がとてもいい雰囲気をだしている。 曇りのない音質で内容共に素晴らしいアルバム。スコット・リットとクリフ・ノーレルがいい仕事しているのだと思う。

RED HOT CHILI PEPPERS 「AROUND THE WORLD」

    <スタジオ録音>CALIFORNICATION:1曲目

  • 録音レベルが高いため、前のU2やパールジャム、R.E.Mと同じボリューム位置では音が大きすぎた。
    0:29までの盛り上げ方がなかなか、その後ベースとボーカル対決、さらにコーラスとボーカルの一騎打ちという感じが面白い。ドラムはもう少し前に出て欲しい感じ。2:20あたりのベースの音がボーカルを凌駕しているが、他のところでもベースはボーカルを凌駕してしまうようだ。ハイハットがもう少しそれらしく聞こえてくるともっとよかった。 パールジャムとR.E.Mが優秀録音だった為にレッチリが少々かすんでしまった。しかしいい作品であることに変わりはない。

ALANIS MORISSETTE 「21THINGS I WANT IN A LOVER」

    <スタジオ録音試聴>UNDER RUG SWEPT:1曲目

  • ベースのノイジーな感じで始まるが非常にかっこいい。0:50あたりから曲に広がり感が出てくる。バックには意図的にアナログレコードのノイズらしき音がのってくる。 ボーカルとリズム隊が渾然一体となっている様は、この曲の意気込みを強く感じる。非常にリズミカルな曲調で、十分にコンポは楽しませてくれる。彼女が持つメッセージの力強さをとても感じる。アルバムとしての意気込みをこの1曲に集約した感がある。

NIRVANA「POLLY」

    <屋内ライブ>MTV UNPLUGGED IN NEWYORK:7曲目

  • ギターの出だしから、0:02〜0:09の客のざわめきと拍手が何ともいい雰囲気を醸し出している。
    0:26あたりからカートのボーカル。ボーカルとハモっているところも綺麗に聞こえる。アンプラグドならではのニルヴァーナの曲の良さが存分に堪能できる。 ベースの低音も美しい。ボーカルのエコー感も気持ちよさを引き出している。1:00あたりから洗濯板(楽器の名前忘れた)を棒でひっかくような音は、非常に小さな音だけれども、隠し味的でいい。1:56あたりから入るウッドベースみたいな低音がこれまた演奏に厚みをもたせている。 2:56すぎで客の拍手の嵐だが、自然な感じで耳障りに聞こえない。アルバム全体としてアンプラグドの良さがでているだけでなく、彼らの楽曲の良さとカートのボーカリストとしての才能をすごく感じる良いアルバムだ。

THE CORRS「WHAT I CAN DO」

    <屋内ライブ>UNPLUGGED:2曲目

  • ストリングスではじまり途中からドラムが絡んでくる。少々緊張を強いられるが0:16あたりから三女アンドレアのボーカル。ほどほどに湿り気のある声質と各楽器の演奏がすばらしい。 ほどよいテンポで気持ちよく聴ける。これも歌の巧さと魅力的な声につきる。コーラスも姉妹ならではのハモリぶりでとても美しく聴ける。4:25あたりで客の拍手。「ああ、やっぱりアンプラグドだった」と思わせる終わらせ方。拍手がなかったら普通のスタジオ録音と変わらないクオリティだと思うので、彼女たちの表現力の高さが伺える。 アンプラグドでさらに火がついた彼女たちらしく、はつらつとした作品に仕上がっていて購入するのならスタジオ作品よりもまず、こちらを薦めたいと思う。個人的には、アイリッシュとして音楽性の幅を広げて欲しいと思う。実験的な曲もあっていいと思うが、ただ上手いだけのバンドにはなってほしくない。当然の事ながら、アコースティック楽器で演奏している訳だが、ニルヴァーナ以上にコンポの能力(アコースティク楽器の表現力)が問われると思う。CやKなどのインストなどはコンポの質が曲の善し悪しを左右すると思われる。

ERIC CLAPTON「SAN FRANCISCO BAY BLUES」

    <屋内ライブ>UNPLUGGED:11曲目

  • 0:05あたりから手拍子、タンバリン(楽器の名前忘れた)の音で楽しく始まる。一緒にリズムをとりたくなるほど陽気。
    0:23あたりからボーカル。ちょっと鼻にかかった唄いっぷり。歌よりもむしろ間奏がこの曲を引き立てている感じ。アルバム中どの曲も客の盛り上がり方はハンパではないが、この曲はまた格別で、 彼らと客の一体感が感じられ楽しんで演奏している様子が手にとるようにわかる大盛況のライブ。ピアノやギターなど様々な楽器の音が入り乱れているが、一つ一つの音がはっきりしているので、うるさく聞こえないのが素晴らしい。
     1:34あたりから「ブーブー」笛の音(ストローをならしたような音)が25秒程度続くが曲が陽気なだけに気の利いた演出として捉えることができる。その他では、女性コーラスがゴージャスさを醸し出し、ピアノの高い音からギターの弦の低いうねりまでよくなっている。曲の終わりもユーモアに富んでいて満足度の高い一曲だと思う。3分少々の曲だけれどもアルバム中最高に楽しませてくれる。陽気に聞こえるか否かでコンポの善し悪しが 分かれると思う。※これぞアンプラグドという満足度の高い内容なので、一家に一枚購入して損はないし、初めから通しで聴くとライブの全体像がわかってより楽しめる。

SHERYL CROW「STRONG ENOUGH」

    <屋内ライブ>THE VERY BEST OF UNPLUGGED:4曲目

  • 0:18あたりからボーカルは力強く抑揚をつけながら歌い始める。アンプラグドで聴く彼女の声は、まるで少年のよう。中性的とは言い難いが、この声質が彼女の魅力だと思う。様々な楽器が彼女の唄とマッチしていて、このシチュエーションで聴く限り、彼女のファンにならずにはいられないという気持ちにさせられる。初めと終わりにアンプラグドらしさを感じるが、中盤はアコースティックらしさを強く感じる。※アンプラグドらしさというのは、会場の雰囲気や客のざわめき拍手などの事。MTVアンプラグドが彼女の作品に含まれていないのがとても残念に思う。
    ボーカルが主役なのはもちろんだが、各楽器も自然に寄り添い出しゃばらないのがポイントだと思う。この、「VERY BEST OF UNPLUGGED」の中では最も好きな1曲である。

HAVEN「SAY SOMETHING」

    <屋内ライブ>TIL THE END(日本独自編集盤):3曲目/

  • ささやくような小さな声でカウントするのが聞き取れる。アコースティックギターの弦の質感がここちいい。抑揚のある歌い方で雰囲気よく、しかも力強くそれでいてやさしさを感じさせるボーカルの力量はたいしたものだと思う。メインの楽器はギターだけ、それにリズムよくタンバリン(楽器の名前忘れた)の音が「ティン・ティン」と入ってくる。洗濯板(楽器の名前忘れた)を棒でこするような音も聞こえる。かなりマイクに接近して唄っているためか、ボーカルが少々つぶれ気味は否めない。反対に熱意というか気迫を感じる歌い方であるともとらえることができる。この感じから彼らのフェイヴァリットソングがこの曲であることをうかがい知ることができる。
    本当にいい曲だと思う。ついつい聞き入ってしまう。

DEEP FOREST「MADAZULU」

    <その他>COMPARSA:3曲目

  • アルバム「MUSIC DETEVTED」は彼らの作品中では異色な存在であると、ボクは思っている。故に試聴からは外し彼らの曲作りの良さを前々作であるこのアルバムに求めた。「MUSIC DETEVTED」はアジアに目を向けた作品であると思うが、個人的には「BOHEM」や「COMPARSA」系が好きである。※中南米の熱を帯びた曲たちに惹かれる。0:15あたりから曲に厚みがでてくる。グルーブ感もいいし人の声の力強さも感じる。それぞれの音の粒立ち(個々の音がダマにならないで明確に聞こえるという意味)も良く、デジタル臭さを感じさせないのがなによりいいと思う。アコーディオンの音も曲におもしろみを付け加えてくれる。パワフルな歌声と演奏が、ディープフォレストらしさを感じさせてくれる。音源集めの苦労が偲ばれるだけでなく彼らのセンスがとても光る1曲だと思う。

VARTTINA「VIHMA」

    <その他>VIHMA:1曲目

  • 冒頭、金属がぶつかり合うような音がじょじょに増えていく。0:43あたりからふくよかな太鼓の音と共に、強迫的な音がかさなりあう。曲調はせわしく聞こえるが、太鼓の音がバランスをとってくれる。録音もきわめて優秀だと思う。クッキリハッキリな音づくり。しかし、定価12万円程度のコンポでは金属の音もアルミと鉄くらいの差がでてもいたしかたないのかもしれない。このCDはコンポが良くないと楽しみきれないと思った。いろいろな音が重なりあっていくけれども、一つ一つの音がつぶれてはいけないし、かといってある特定の音だけが突出してもいけない。まんべんなくバランス良くそしてクリアに鳴らすためには最低でも80万円くらいは投資しないとかなあと・・・・・。
    それでも音のコラボレーションが素晴らしいので、今あるコンポで聴く価値は十分にあると思った。たぶん洋楽ロックを聴く人でこのアルバムを持っている人はいないと思うけれども、試しに購入して聴いてほしいと思う。※ジャンルとしてはワールドミュージック。

ENYA「WILD CHILD」

    <その他>冷静と情熱のあいだ:1曲目

  • はじめから広大に広がるエンヤのボーカル。多重録音の良さがでているのかも。ほんと癒しの1曲という気がする。そんなに変化に富む曲ではないけれども「あぁエンヤの曲だな、やっぱり」と思わせるつくり。エンヤを味わいつくすためには豊かな残響(エコー)が聴けて、ボーカルに癖のない自然な感じが出せれば十分かなと思う。ミニコンポでも楽しめるけれども、グレードが上がれば上がっただけ味わい深くなるのがエンヤではないかと思う。5.1chで聴いたらまた違う世界が広がるだろう。DVDで楽しむ方が面白いかも。

SARAH BRIGHTMAN「A WHITE SHADE OF PALE」

    <その他>LA LUNA:5曲目

  • 0:00〜バックに聞こえる「キラキラ」と聞こえる音が神秘的。前奏が壮大にはじまり0:28あたりから彼女の唄が聞こえてくる。1:16あたりで盛り上がりは最高潮に。唄も上手いし、美人だし優しさに包まれている感じで気持ちよくて睡魔がおそってくる。彼女の歌い方には、優しさやたくましさ、力強さを感じる。初めて知ったのは「クラシカルエヴァーミレニアム」っていうCDで、一発でノックアウトされた。以後、次々とアルバムを購入することに。どのようなコンポでもそれなりに楽しめる。しかし気持ちよく聴くために音を追い込んでいくのはかなり大変。美しい声を美しい声として感動的に唄わせたいと思うのはリスナーの気持ちなのだけれども。※アルバム中最初の曲を聴いて「エニグマ」を連想せずにはいられません。それもそのはずで、アルバムの解説書を読むと「エニグマ」創設期のメンバーであるフランク・ピーターソンが関わっていました。

RICKIE LEE JONES「FOR NO ONE」

    <その他>IT'S LIKE THIS:3曲目

  • 甘ったるい声とジョー・ジャクソンのピアノの伴奏で歌われるビートルズのカバー。彼女がこの歌を唄うととてもはまるし、ビートルズ以上に自分のものにしていると思う。きわめてシンプルな曲だけれども、コンポ次第でガラリと雰囲気が変わる。特に彼女の声はすぐ変化する。鼻声で唄われたりしてしまうこともあり、これだと雰囲気も台無しになってしまう。オーディオ的には1曲目の「SHOW BIZ KIDS(スティーリーダン)」の方が面白い。