追憶

追憶

ガソリンスタンドの廃虚を前にして、明るい日差しの下、人々の喧騒と行き交う車の中、活気あふれる光景が、ふと、眼の奥によぎった。

或は、それは見捨てられ、深い眠りについた、ガソリンスタンドが見ている夢の切れ端なのかもしれない。

しかしそれは、古い遺跡のように沈黙している。そして僕は、ただ、はるかな追憶に眩暈を感じながら、立ち尽してしまった。

2007
2006
2005