茶室は高いか

茶室を作るとすぐに1000万円あるいはそれ以上、天井知らずの費用がかかる ものだとばかり思っていました。実際、今回の建設中に別のミサワホームの建設会社からダイレクトメールで、同じ四畳半の茶室を970万円で建てたという広 告が入りました。

しかしサラリーマンの身で6畳ひと間の空間にそのような費用はかけられません。一般に建物は 坪単価50万円から80万円等とそのランクに応じて決まりますが、この費用は建物を建てるのには最低限の条件であり、この空間を確保した上で茶室としての 形を作るのにいくらかかるかが、設計の目安となるものと思います。

建築屋さんと相談したところ、最近は茶室に必要な主なものはパッケージとして作られていると いうことで、ほとんど全部それで間に合わせることができました。

天井(網代、竿縁など)

一式

6万円

床の間

一式

5万円

躙り口

一式

8万円

落とし掛け

一本

1。8万円

下地窓

二個

4。4万円

腰掛け待合分庇

一式

8万円

濡れ縁(腰掛け)

一式

5万円

ステンレス流し(水屋)

一式

5万円

障子

四本

4万円

炉取り付け

一式

1万円

シャッター

一式

8万円

壁紙和紙

一式

4万円

以上合計59。2万円(これに諸経費と消費税を加え約70万円)

これに加えて庭は材料だけを買い込み、設計と設置を自分で行ったため、蹲踞等庭石一式30万 円と、庭木移植5万円、四目垣・建仁寺垣材料2万円、蹲い用水道下水関係3万円の合計40万円で完了しました。

すなわち約110万円で完了です。これは、家元の箱書きのついたお道具一つと同じということ でしょうか。坪60万円として6畳分180万円を加えると300万円でおつりがきます。

確かに先の広告のような970万円のものとは材料も仕上げも違うかも知れません。水屋もステ ンレスでなく銅の流しが本来でしょう。でも自分の身の丈にあった空間を持ってお茶を楽しむ場所を作ったということは何にも増して楽しいことです。

もし一部屋空間を建て増したり、改造したりする計画があった時、1000万円近くのお金を出 さなくても、このような形で茶室もどきのものを持つこともできると知っていたら、なんらかの工夫が可能ではないかと思います。

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