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平成16年4月17日夜、西武鉄道多摩川線のJR線平行部分について、仮線への切り替えが行われた。
今回は西武鉄道多摩川線を中心にまとめていきたい。


<西武鉄道多摩川線って、どんな路線なの?>

まずは西武鉄道と多摩川線の歴史について、以下の表に記す。

日付 事項
明治45年5月7日 武蔵野鉄道設立
大正4年4月 池袋〜飯能間(43.8km)開業
昭和4年9月に、現在の池袋線が形成
大正11年8月15日 別会社:旧西武鉄道が設立
合併までに現在の新宿線、国分寺線、西武園線、安比奈線を形成
昭和2年8月31日 旧西武鉄道:多摩鉄道(現多摩川線)を吸収合併
昭和15年3月12日 武蔵野鉄道:多摩湖鉄道(現多摩湖線)を吸収合併
昭和20年9月22日 武蔵野鉄道:旧西武鉄道を吸収合併
社名を西武農業鉄道に変更
昭和21年11月15日 バス部門を分離し、社名を西武鉄道に変更

現在は、本社を所沢市くすのき台(ほぼ駅前)に構え、鉄業事業だけでなく観光、不動産にも力を入れている。
従業員数は約3500人、売上高は約2000億円。
現在の営業キロは176.6km、駅数は92駅、車両数1275両を所有する大手私鉄である。
データは、平成13年度のもので、西武鉄道の会社要覧を参考にした。

さらに、今回の目玉となる西武多摩川線について、もう少し掘り下げてみよう。

日付 事項
明治43年8月5日 多摩鉄道設立
多摩川の砂利輸送を目的に貨物輸送を開始
大正6年10月22日 武蔵境〜北多磨(現白糸台)間営業開始
大正8年6月1日 北多摩(現白糸台)〜常久(現競艇場前)間営業開始
大正11年6月20日 常久(現競艇場前)〜是政間営業開始
昭和2年8月31日 旧西武鉄道に合併
昭和21年11月15日 社名変更により、西武鉄道多摩川線になる
昭和25年7月11日 武蔵境〜北多磨(現白糸台)間電化開業
昭和25年11月1日 北多磨(現白糸台)〜是政間電化開業
昭和29年5月1日 常久駅を競艇場前駅に改称
昭和42年 貨物輸送廃止
昭和49年9月6日 単線自動化、ATS使用開始
昭和51年12月1日 列車無線使用開始(西武全線)
昭和52年6月23日 北多磨(現白糸台)駅改良工事完成
昭和63年2月17日 新小金井駅新駅舎使用開始
昭和63年3月5日 多磨墓地前(現多磨)駅新駅舎使用開始
平成8年4月1日 ワンマン運転開始
平成13年3月28日 北多磨駅を白糸台駅に、多磨墓地前駅を多磨駅に改称

西武多摩川線は、JR中央線の武蔵境駅と是政駅を結ぶ、全長8.0kmの路線である。全6駅(武蔵境、新小金井、多磨、白糸台、競艇場前、是政)で、武蔵境と是政駅は1面1線のホームである。全線単線のため他の4駅には行き違い設備が設けてあるが、早朝深夜は多磨駅で、日中は新小金井と白糸台で列車交換を行う。現在は、4両編成の普通電車5本が所属し、普通電車のみの運行となっている。また施設面においてはJR管轄の武蔵境を除いて全駅有人改札である。そのためパスネットは使えない。

是政から府中競馬場前まで延伸する計画があったが、戦後に計画自体が消滅した。また過去に新小金井駅から分岐線が出ており、新小金井駅南側に見られる引込み線はその廃線跡である。同様に多磨駅の北側からも分岐線が存在し、米軍宿舎(現在の東京外語大学)や調布飛行場まで延びていたとの記録がある。他にも現在の富士重工にも分岐線が延びていたとの話もある。
ちなみに、多摩川競艇の場所は昔砕石工場があった場所である。昭和39年に砂利の砕石禁止令が出てから工場は閉鎖された。


<西武鉄道側は順調です>

今回は、JR線部分に工事がからんでいないこと、スペースがあったことから作業がしやすかったことなどから、比較的スムーズに切り替えが行われたと思われる。また仮線が内側に設置されたことから、数ヶ所の踏切で長さが短くなった。
以下に切替前後の配線を示す。

平成16年4月17日までの配線
すでにJR線との接続部分については撤去してあるものの、引き込み線やスペース等が目立っていた。
平成16年4月18日以降の配線
上図で引込み線があった場所に新たに仮線を設置し、駅を出て直後の場所からJR線と分かれてカーブに差し掛かったところまでの間が切り替わった。
※赤線部は今回の変更箇所

今回仮線に切り替わったことで、今まで線路があった場所はどうなるのかが楽しみである。
鉄道施設が撤去されて整地された後、わかり次第レポートしていきたい。

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04/04/25 ページ作成