頭部外傷(脳外傷)について

頭部の表皮の下は頭蓋骨があります。
その下には、硬膜・網膜・くも膜・軟膜といった膜に包まれ、
その下に、大脳・小脳・中脳とあり、中脳は脳幹・僑・延髄からなっています。

大脳には、記憶・思考・学習・認識・理解・判断・注意・言語・感情・動作命令のほか
五感(視力・色覚・眼球運動)・嗅覚・味覚・聴覚・触覚(温・冷・痛を含))、
気力(やる気・欲・根性・気合・自発的行動など)やひらめきなどもつかさどっています。

もし、交通事故や転落事故などで頭部に多大な衝撃を受けたら、
中にもそれ相応の衝撃が伝達されます。
4tの車が60km/hの速度で人をはねれば、
その人には単純計算でも66666kg重という力にぶつかるのです。
大人の男性を千人以上に一斉に乗られるような感じかな。
某物置でも耐えられるかどうか。あれの十倍以上ですから。
普通乗用車でもそのたった半分、500人になるだけですから、
運転する方はくれぐれも気をつけて運転して下さい。
その時、
その衝撃は脳を激しく揺らして
自らの頭蓋骨に自らの脳をぶつけてしまい、自らの脳をさらに傷つけたりもします。
だから、表面上傷つけた部位と違う箇所の脳が傷つき、障害の原因となっていることもあります。

記憶というものも、
よく漫画やドラマなどで18番とばかりに使われる「過去の記憶だけ無くなる。」
というケースは非常に珍しいといえるでしょう。
過去の記憶には、言語や行動も含まれているのですから。
過去の記憶が消えれば、
話せもしないかもしれないし、動作のしかたもわからないかもしれないし、
言われてることも理解しきれないかもしれなし、感情のコントロールですらできなくなるかもしれない。

記憶というものも、数秒覚えておくだけの記憶と、長く覚える記憶とあります。
短期間覚えている方を記銘(きめい)力というそうですが、
頭部外傷のさい、過去の記憶があっても、これが欠落していることがあります。
そうなると、新しい仕事が覚えれなかったり、
新たな授業についていけなくなったり、道がわからなかったりと、
普通の社会生活を送るのに、
たとえ五体満足な身体になったとしても「障害」となってしまうのです。
これらの障害を、最近では高次脳機能障害と呼ばれています。

ちょっと忘れっぽくなっただけかな?やる気がないだけかな?
などと、誤解されやすく、
少し対面した程度ではそれが障害と判別しにくかったり、もしくは、わからなかったりもします。
そして、身体の障害が軽かったり、なくなっていたりすると、
それを「障害」として受け止めてもらえなかったりして、
社会や職場や一般生活を送るのに「障害」となっていたりします。

それゆえか、、残念ながら、現在の日本では、
まだ「障害」とは広く正確に知られておらず、社会保障などもわずかしかありません。
官庁や役所もそうですが、まだまだ世の多くの人々がその存在を正確に知っていないのも原因の一つです。

その症状がパっと見ただけではわかりにくく、
誤解・誤認されやすく、身近な者でも退院後など、供に生活するようになってから気づく例もあり、
そのような「障害」があることを知らずに、周囲の人に誤解されたり、不当な扱いを受けたり、
また、その行動理由がわからず、悩んだり、誤解している当事者や家族ももまだまだ多かったりするのです。



インフォメーション

わかりにくい(誤解されやすい)症例


もっと詳しく話を聞く  中途障害者になるというコト

対策・一例 (未完成)
 
脳って(リハビリにあたっての小さな希望) 


『普通って』(小説)


公共交通機関のうんちく


法律(障害者基本法・身体障害者福祉法・ハートビル法・交通バリアーフリー法) 
   

関連リンク集(各地の脳外傷の会や病院、etc)



  手話等に興味のある人へ


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