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| 【フレンチ・コネクション】 製作年 １９７１年、米 監督 ウィリアム・フリードキン 出演 ジーン・ハックマン → カナディアン・エキスプレス ポセイドン・アドベンチャー クリムゾン・タイド ロイ・シャイダー フェルナンド・レイ |
| 【あらすじ】 ニューヨーク市警の”ポパイ”ことドイル刑事（ジーン・ハックマン）と相棒のラソー刑事（ロイ・シャイダー）は一仕事終えてナイトクラブで一杯やっていたが、金遣いの荒い女連れの男ボカに目を付けた。２人は店を出たボカの後を付けるとブルックリンのみすぼらしい雑貨屋にたどり着いた。どうやらこの店の夫婦のようだったが、２人の刑事は裏では麻薬密売で相当稼いでいると睨んだ。 一方、フランスのマルセイユでは実業家のシャルニエ（フェルナンド・レイ）がＴＶスターのデブローにアメリカまで高級車を運ぶよう依頼する。ボカの尾行を行っていたら、豪華ホテルでシャルニエと会うのが目撃されシャルニエも四六時中尾行が付くようになる。ある日帰宅するところをドイル刑事は狙撃されるが間一髪で弾はそれ、通行人に当たった。狙撃したのはシャルニエの手下のニコリで、ドイル刑事は猛然と追い掛けるが、ニコリは電車に飛び乗った。ドイル刑事は通行中の車を無理矢理奪って高架を走る電車を追跡する。ニコリは運転士を脅して駅にも停車しないで電車を暴走させたが運転士が発作を起こしたため停車を余儀なくされ、追いついたドイル刑事によって射殺された。 デブローが持ち込んだ高級車をドイル刑事らは押収し、解体するとヘロインが隠されていることを発見する。車は元に戻されデブローに返されるが、揺るぎない証拠を握った警察は取引の当日シャルニエとニューヨークの大物が取引をおこなう島を完全に封鎖していた。シャルニエを追いつめるドイル刑事は誤って同僚を撃ってしまうが、それでもなお相手を追って闇の中に消えていった。 |
| 【解説】 同じ年に公開された「ダーティーハリー」（７１年）と並ぶ刑事アクションの傑作で、それぞれの作品ではみだし刑事を演じた２人は、「許されざる者」（９２年）と「目撃」（９７年）で共演している。 監督のウィリアム・フリードキンは、アカデミー作品賞や監督賞など主要５部門を受賞した本作品と社会現象とまでなった「エクソシスト」（７３年）の成功で若き巨匠としての名声をほしいままにした。もともとＴＶのドキュメンタリーの出身であるため、本作品もオールロケで手持ちカメラを多用したドキュメンタリー・タッチに仕上がっている。本作品に出演していたロイ・シャイダーを起用したアンリ・ジョルジュ・クルーゾー監督が５２年に製作した作品のリメイク「恐怖の報酬」（７７年）は、ニトログリセリンを積んだＧＭＣ製６輪トラックでジャングルの荒れた道を突き進むスリルに富んだ乗り物系映画でもある。８０年代以後はヒット作に恵まれず低迷していたが、最近トミー・リー・ジョーンズ主演の「英雄の条件」（２０００年）や「ハンテッド」（２００３年）で復調してきている。 本作品でアカデミー主演男優賞を受賞したジーン・ハックマンはすでにこの時４０歳に達していた。彼もまた毎度おなじみとなった名門ニューヨーク・アクターズ・スタジオの出身で、売れない時代には同期のダスティン・ホフマンと同居していたこともあった。これ以後は遅れを取り戻すかのごとく年間２、３本のハイペースで出演を続けている。 この作品は実話を元に製作されており、モデルとなった刑事も２人の刑事の上司役と同僚役で出演している。また、実際の刑事や警官も多数出演しており、映画に真実味を加えている。凄まじいカーチェイスは「ブリット」を彷彿とさせるが、製作者は同じフィリップ・ダントニである。 ヘロインが隠される車として登場するリンカーン（車種はコンチネンタル・マークⅢ）は、キャデラックと並ぶアメリカを代表する高級車だが、生みの親は同じ人物である。１９０２年にキャデラック社を創設したヘンリー・リーランドは、ＧＭに参加してアメリカ初となるＶ型８気筒エンジン車などを生産していたが、意見の対立からＧＭを去りリンカーン社を新たに創立した。しかし、すでに高齢だったため２年後にはフォード社に譲渡し引退している。リンカーンの中でもコンチネンタルは大統領を始め政府高官の公用リムジンとしてよく使われ、ケネディ大統領が暗殺される時に乗っていたのもコンチネンタルのオープンカーだった。 電車を追ってジーン・ハックマンが猛追するポンティアック（車種はルマン）は、ＧＭに吸収された当初はシボレーとオールズモビルの中間的な位置付けだったが、ＧＴＯやファイヤーバードなどのモデルの出現でＧＭのスポーツブランドとしての地位を確立した。ポンティアックという名はオタワインディアンの酋長が由来で、そのため初期のモデルにはボンネットの先端にインディアンのエンブレムが付けられていた。 |
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