夢‥‥、夢なんだ‥‥

じゃあ、わたしはお父さんとお母さんの子供じゃないって事なの？

うそだわ、うそよ、信じないわっ！！

元の世界にはあの追っ手がいるのかもしれない、でも、でも戻りたい、独りぽっ
ちなんていやだ！

お父さんもお母さんも助かってるかもしれない、わたしが見たのは倒れていると
ころだけなんだもの、ただ気を失っていただけよ‥‥きっと‥‥

あいつらがいてもいい！もう一度お父さんとお母さんに会いたい！！

こ‥‥これから、ほ‥‥本当にどうしよう‥‥どこへいこう

出てきた空間から帰ることはできなかった‥‥どうしてかしら？

もうこれきり戻れないんだろうか

いやだ‥‥そんなことない‥‥ないわよ！

出口と入り口は別なんだ、きっとそうだ

来る道があって帰る道がないなんて、そんなことあるはずないもの‥‥‥‥

帰る道はどこかにかならずあるんだ、どこかに‥‥、さがさなければ‥‥

‥‥でも‥‥どうやって‥‥？

どうやって！？

どうやって‥‥

捜せないわ、捜せない

死にたくなんかないわ、死にたくなんか！

だれが‥‥

くそったれじじいっ！！

くそったれっ、くそったれっ！！

くそったれっ！！

おじさんは‥‥おじさんは‥‥

おじさんはいい人だったのよ！！

殺すつもりで行ったんじゃない‥‥

わたしだって父さんや母さんに死ぬほど会いたいんだもの‥‥、この子気持ちよ
くわかる‥‥

もしかしたら‥‥聞いたという笛の音は父さんに会いたいあまりの幻聴だったの
かもしれないわ‥‥

だとしたら彼のやっている事は‥‥、犯罪‥‥

銃を捨ててっ！！

わたる君にだけおねえちゃんの本当の名前を教えてあげるわ、これは二人だけの
秘密よ（わたる「うん」）

守るのよ！（わたる「うん」）

わたしの名前は亜利沙‥‥‥‥（わたる「アリサ」）