農業のキホン、土作り
 なんだかんだ言ったって、良い作物を作るためには良い畑が必要。
良い畑とは、土が元気な畑をさします。ですから、土作りというのはいわば「農業のキホン」というわけです。
わが家の場合、化学肥料や農薬に頼らない「露地栽培」を実践しているので、作付け前の土作りには特に気を配っています。
 
 投入するのは堆肥!
 
 堆肥の基にしている資材は、牛糞、鶏糞、小糠(こぬか)の3種類。
それに牧草、稲ワラ、選定枝、雑草などを加えてオリジナルの堆肥を作ります。
たとえば、雑草(アシ、ススキ、セイタカアワダチソウ)を使ったときはこんな感じで作りました。

除草後、しばらく乾燥させた カッターで10cm程度にカット 1週間程度そのまま放置
牛糞堆肥に混ぜ、ねかす 約2ヶ月後、畑に投入

何だって肥料になる!

 「あれを使った方が良い」とか、「これが良いんだ」とか、助言を求めようものなら、
破産するのではないかと言うくらい莫大な経費がかかります。でも、身近にあるものを使えば経費はほとんどかかりません。
まして土の上で育ってきた、雑草や収穫後の野菜などに栄養が無いわけがないと信じています。
これを「緑肥(りょくひ)」と我が家では言います(いい感じでしょ!)。

 発想を少し変えるだけで、いままで邪魔者扱いしていたものが急に宝の山に大変身です。
実際うちの畑は、草もよく生えますが、ミミズやクモも元気です。

Ishigaki Garden Farm

 「良い作物を作るには、良い土が必要」との考えから、
畑に投入する堆肥などの投入量には特に気を使います。

 単純にこれくらい入れようというのではなく、窒素(N)リン酸(P)カリ(K)の3要素はもちろんですが、
これらをどのくらい投入するかをあらかじめ決め、結果として投入量を決めます。
市販の資材(鶏糞など)の場合は、成分分析値を参考にして、自家製堆肥の場合は、堆肥の材料から成分を推定します。

 園芸の本などを見ると、よく○○を一握りとか書いてありますが、
畑の状態によっては、投入する必要が無い場合だってあります。(それでも入れると、過剰状態になり、
作物に必ず影響が出てきます。)土壌分析をした後、必要なものを必要なだけ投入する。
これは結構厄介で、市販・自家製ともに単独の成分しか持たない資材はないので毎回苦労するところです。

 一般に連作を避けたりするのは、
簡単に言うと同じ植物(作物)を作り続けると特定の成分の消費はあるものの、
反面特定の成分はほとんど消費されていないなんてことがあり、
その影響で生育が悪くなる(人間に例えれば、病弱になる)からです。

 わが家の場合、前年の投入量を参考にしながら、土の成分分析をして、前年並みにするのか、それとも増減させるかを決めています。

中身には気を使います!

 「天地返し」のほうが一般的な言い方ですが、
うちの方では「エンピ返し」といいます。

本来このエンピ返し(天地返し)とは、寒さの厳しい時期に、
土の表層と深層を入れ替えることです。

これによって暖かい土の中で越冬している虫を死滅させるたり(土壌消毒の代用として)、雑草の宿根を寒さにあてて、春に生えてくる雑草を抑えるために行うものですが、土を柔らかくすることにより、種まきしたり、植えつけたときに、根がしっかりと張って、
植物が丈夫に育ってくれるなどの効果があります。

エンピ返し

天地返しした畑の土

わが家の場合、冬以外にも作付け前にはエンピ返しをしています。
これは、前作で使った堆肥などが土の深層(表面から30〜50cmくらい)に下がっているので、
肥料分の偏りができているので、これを修正してやるためです。

まんべんなくまいたつもりでも、偏りが出てしまいます。作付け前にこれを修正しておくと、生育が良くなります。  

また、機械に頼らず自らの手ですることにより、土の状態を五感で確認できるメリットもあります。

このような土作りを経て、いま栽培している作物は、
ただいま栽培中!で紹介しています。

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写真は、田んぼの土を寄せて造った”畑”。
もともと田んぼだからなのか、放っておいたら
葦(あし)がたくさん生えていたので、「これを使って土作りだ!」とばかりに、それを刈りとりそのまま放置。
完全に乾燥したのを確認して、200kg(520L)の堆肥をこの上にまいて、トラクターで葦をすき込みます。

        

土の中にすき込むことによって、
粘土質の土の間に雑草の繊維が混ざります。
この繊維は空気や水分を蓄えてくれ、
そこに微生物が住み着きます。
微生物は有機物(雑草)を元素レベルまで分解し、
それは作付けしたときに”肥料”として作物に
吸収されます。また元気に育った作物の根は土の中で
しっかりと根を張ります。根が張ることによって出来る
隙間には、空気が入り作物や微生物などが住みやすい環境を創り出します。
時間はかかりますが、このようにじっくりと土を作ると肥料がなくても作物はよく育ちます。