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平成20年7月1日より施行されている最低賃金法の一部を改正する法律の概要のまとめ

平成20年7月1日より、最低賃金法の一部を改正する法律(改正最低賃金法)が施行されています。
主な改正内容として以下の7項目の概要について説明致します。

改正点の主な概要は大きく7つに分けられます
@ 地域別最低賃金の決定と位置づけについて
A 地域別最低賃金に違反した場合の罰則の強化(厳罰化)について
B 産業別最低賃金の決定について
C 最低賃金の減額特例制度の新設
D 派遣労働者への最低賃金適用地域の明確化について
E 最低賃金額表示の時間額のみの一本化について
F 監督機関に対する申告について規定化


地域別最低賃金の決定と位置づけについて
地域別最低賃金は最低賃金制度のセーフティーネットとして位置づけであり、地域における労働者の生計費、
労働者の賃金、通常の事業の賃金支払能力を考慮して全国各地域について決定することを都道府県労働局
長に義務付けることとされました。その決定については労働者の生計費を考慮する場合に、労働者が健康で文
化的な最低限度の生活を営むことができるよう、新たに生活保護にかかる施策との整合性にも配慮することと
されています。

地域別最低賃金に違反した場合の罰則の強化(厳罰化)について
地域別最低賃金法違反の場合はこれまで、罰金が2万円を上限とされ長年改正が行われていませんでしたが
罰金の上限額が50万円に引き上げられました。

産業別最低賃金の決定について
産業別最低賃金は、各産業における労働組合等の労働者と企業との労使間の取組により決定されてきた最
低賃金ですが、これが関係労使の申し出を受けた行政機関が最低賃金審議会の意見を聴いて決定できるも
のであることになりました。なお、産業別最低賃金は地域別最低賃金を上回らなければならず、産業別最低
賃金に違反した場合は労働基準法第24条違反(賃金の全額払いの原則に違反)となります。(罰金の上限額
30万円)この場合で地域別最低賃金を上回っている場合について地域別最低賃金法違反の適用はありませ
ん。

最低賃金の減額特例制度の新設
これまでは、精神又は身体の障害により著しく労働能力の低い者等、一定の対象者について使用者が都道府
県労働基準局長の許可を受けた場合は、その対象者については最低賃金の「適用除外」とされていました。
今回の改正ではこの「適用除外制度」を廃止し、「減額特例」として都道府県労働局長の許可に基づき「減額し
た最低賃金額」により、最低賃金の効力を適用させることとされます。従って施行日(平成20年7月1日時点)
で既に改正前の最低賃金法に基づく適用除外の許可を受けている対象労働者を雇用している使用者は平成
21年6月30日までに、新たに「最低賃金の減額特例」についての許可を受けなければならず、これを行わなか
った場合で適用除外のまま地域別最低賃金より下回る額のままですと罰則の対象となります。
局長の許可による減額特例対象者(改正前の局長の許可による適用除外対象者)
@ 精神又は身体の障害により著しく労働能力が低いとされる方
A 試みの試用期間中の方
B 基礎的な技能等を内容とする認定職業訓練を受ける方のうち省令で定める方
C 軽易な業務に従事する方
D 断続的労働に従事する方

派遣労働者への最低賃金適用地域の明確化について
派遣労働者も当然に最低賃金の適用がされていますが、派遣労働者については派遣先の地域別最低賃金
(産業別最低賃金の適用がある業種であれば、派遣先地域における産業別最低賃金)の適用と明確化されま
したので、派遣元事業者は派遣先地域の地域別最低賃金(産業別の適用を受ける業種であれば派遣先地域
での産業別最低賃金)を把握しなければなりません。

最低賃金額表示の時間額のみの一本化について
最低賃金額の表示は、改正前まで法律上では時間額、日額、週額または月額のいずれかで定めることが可
能でしたが、これが時間額のみの表示となります。ただし、産業別最低賃金においては施行日(平成20
年7月1日)以降の最初の改定の際に、時間額表示とすることで差し支えありません。
<最低賃金以上かどうか調べる場合の時間額換算の方法>
【日給制】の場合
日給額÷所定労働時間数
【月給制の場合】
(月給額×12箇月)÷年間所定労働時間数
※年間所定労働時間数・・・・(365日または366日―年間所定休日日数)×1日の所定労働時間数
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<最低賃金の対象とならない賃金>
@臨時に支払われる賃金(結婚祝金、大入り手当など)
A1箇月を超える期間ごとに支払われる賃金(賞与など)
B所定労働時間を超える時間の労働に対して支払う賃金(時間外労働手当など)
C所定労働日以外の労働に対して支払う賃金(休日労働手当など)
D深夜時間(午後10時〜翌朝午前5時)の労働についての深夜労働割増賃金などの割増部分
E精皆勤手当、通勤手当、家族手当

監督機関に対する申告について規定化
これまでも労働基準法違反などについて労働者は都道府県労働局長や労働基準監督署長、労働基準監
督官へ申告することができますが、改正最低賃金法においても同様に法や法に基づく命令の規定に違反
する事実があるときは、都道府県労働局長や労働基準監督署長、労働基準監督官へ申告することができ
ることについて明記されました。また、その申告を理由に使用者は労働者に対し、解雇その他、不利益な取
扱いをしてはならず、これに違反した場合は罰則として6か月以下の懲役又は30万円以下の罰金が適用
されます。


【参照リンク】
最低賃金法の改正について(厚生労働省)http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/saiteichingin02/index.html



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