労働者派遣法(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就
業条件の整備等に関する法律) |
【労働者派遣法とは?】
職業安定法と相まって労働力の需給調整を図るための労働者派遣事業の適正な
運営の確保に関する措置や派遣労働者の就業条件の整備等について規定された
法律。法改正により、平成16年3月から、それまで適用除外とされていた「物の製
造業務」が派遣対象業務となるなど大幅に規制が緩和され、いわゆる日雇い派遣
労働者が大幅に増加し、雇用の在り方として「チープワーカー」「ワーキング・プア」
を助長させる温床となる制度になってはいないかなどの議論をよんでいます。雇用
の在り方や就業条件の在り方として、社会経済にも与える影響が顕著なだけに労
働者派遣制度の規制やルールについて今後の見直しや動向が注目されます。 |
労働者派遣法第32条(派遣労働者であることの明示)※派遣元 |
派遣元事業主は、労働者を派遣労働者として雇い入れようとするときは、あらかじ
め、当該労働者にその旨(紹介予定派遣に係る派遣労働者として雇い入れようとす
る場合にあつては、その旨を含む。)を明示しなければならない。
2.派遣元事業主は、その雇用する労働者であつて、派遣労働者として雇い入れた
労働者以外のものを新たに労働者派遣の対象としようとするときは、あらかじめ、
当該労働者にその旨(新たに紹介予定派遣の対象としようとする場合にあつては、
その旨を含む。)を明示し、その同意を得なければならない。 |
労働者派遣法第34条(就業条件等の明示)※派遣元 |
派遣元事業主は、労働者派遣をしようとするときは、あらかじめ、当該労働者派遣
に係る派遣労働者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、次に掲げる事項を
明示しなければならない。
@当該労働者派遣をしようとする旨
A第26条第1項各号に掲げる事項その他厚生労働省令で定める事項であつて当
該派遣労働者に係るもの
B第40条の2第1項各号に掲げる業務以外の業務について労働者派遣をする場
合にあつては、当該派遣労働者が従事する業務について派遣先が同項の規定に
抵触することとなる最初の日
2.派遣元事業主は、派遣先から第40条の2第5項の規定による通知を受けたとき
は、遅滞なく、当該通知に係る業務に従事する派遣労働者に対し、厚生労働省令
で定めるところにより、当該業務について派遣先が同条第1項の規定に抵触するこ
ととなる最初の日を明示しなければならない。
※第26条は派遣元と派遣先の事業主間で締結される労働者派遣契約の内容(業
務内容や派遣先事業所所在地、指揮命令についてなど)について定めています。
※第40条の2は派遣先事業主が一定の業務を除き労働者派遣の役務の提供を
受ける期間を超える期間を継続して受けてはならない旨が規定されています。
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<解説>
派遣元(人材派遣会社)と派遣労働者(派遣スタッフ)との労働者派遣契約の内容
は派遣法第26条に規定されており、その契約事項等、就業条件等について派遣労
働者へ明示する義務が派遣元にあります。また、当然に労働基準法第15条の労
働条件の明示についても適用も受けますので、重複する事項も含め派遣先での就
業条件について派遣元事業主は「労働条件通知書兼就業条件明示書」などの交付
を行う必要があります。派遣法第34条に違反する場合は30万円以下の罰金に処
せられる場合があります。なお、地域別(産業別)最低賃金の適用は派遣先地域で
の適用となる点にもご留意下さい。 |