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(業務インフォメーション)

労働基準法第108条を根拠に作成が義務付けられいる法定帳簿
賃金台帳は、労働基準法第108条で定められた法定帳簿です。そのため各事業場
ごとに調製(労働基準法に合わせて正しく整えること)することが法律上、義務付けら
れております。記入事項も労働基準法施行規則第54条に規定されており、氏名や
性別、賃金計算期間、労働日数、労働時間数、時間外労働時間数や休日、深夜労働
時間数、基本給や各種手当の項目、賃金からの控除額を記入しなければならないと
するルールがあります。


賃金計算と給与計算って目的が違うの!?
〜給与計算の重要作業は全ての前提となる賃金計算〜


「賃金計算」とはあまり日常的には言わず、「給与計算」で十分わかるのですが...
実は労働基準法上で「給与計算」という表現は存在しません。そもそも「給与」という
表現は主に租税法の所得の種類の一つとして使用されることが多く、「給与計算」
という表現も、おそらく法律や各種規程、契約等に基づき決定された支給額から、
各種社会保険料や所得税、住民税といった「適正な控除額を算出する作業」という
印象が強いのではないでしょうか。確かに算定基礎や月額変更、保険料率の改定
などが頻繁な社会保険料などを考えると「控除額計算作業」も重要ですし、所得税
などの税額計算も適正な納税制度の遂行として重要な作業です。しかし、それらの
前提作業ともなる労働基準法で規定されている「賃金台帳の調整」は主として、「労
働基準法に抵触しない方法で賃金を計算して下さい」といった趣旨であり、目的があ
くまで適正な労務管理の記録を取って下さいということになります。具体的には例えば
割増賃金の算出方法(割増賃金の算出ということは、「労働時間とは?」「休憩や休日
とは?」「平均賃金とは?」「法定労働時間と所定労働時間って同じなの?違うの?」
「代休?」など把握、理解しておくことが実は多いのです。)や賃金の支払にはルー
ルが存在する(「賃金支払い5原則」や「減給の制裁」「前借金相殺の禁止」など)こと
を把握したうえで労働条件に合った賃金を支払うための計算ができなければなりま
せん。従って、労働基準法では「給与計算」ではなく、「賃金計算」という表現をしてお
り、適正な「賃金計算」が給与計算をする上でも全ての前提作業となりますから、「賃
金とは何か?」を十分に意識されて計算し記録する必要があります。



給与計算には「労働条件である賃金の計算」「各種社会保険料や源泉所得税など
の適正な控除額計算の遂行」などさまざまな目的があります。
賃金台帳には「各種社会保険料や源泉所得税などの控除額」も記入しなければな
らないと定められています。(労働基準法施行規則第54条)


いつからの期間であてはめていますか?
〜御社のさまざまな起算日を確認して下さい!!〜


給与計算上、さまざまな「起算日」が存在していることに気づいて下さい。賃金の
締切日や給与支払日などの基本事項はともかくとして、例えば割増賃金の計算
上、必要となる「1ヵ月平均所定労働時間数」の算出のための年間所定休日日数
の「起算日」はいつからですか?定めていなければ、「暦年(毎年1月1日から12
月31日まで)の年間所定休日は何日ありますか?」「時間外労使協定(いわゆる
36協定)で定めた時間外労働の限度時間算出の起算日は賃金計算期間と同じ
ですか?異なれば管理がややこしくなりませんか?またはきちんと管理されてい
ますか?」など、「起算日」はいつかを明確にされる必要がある場面が、度々ありま
すので十分に把握して下さい。「できる」「できない」を論じる前にまずは把握と遵法
と理解を心がけ確認してみましょう。


端数処理って意外と重要
〜端数処理を誤ると未払い賃金になる可能性がある!?〜


賃金を計算する上で意外とややこしい事項として、端数処理の問題があります。
例えば労働時間数を計算する場合、1時間に満たない時間数はどのようにしてい
ますか?あるいは、割増賃金の計算や欠勤や早退、遅刻の際の控除額計算上
生じる端数はどのように処理されていますか?といった点です。これについては、
このような通達があります。(昭和63.3.14基発150号)

【遅刻、早退、欠勤等の時間の端数処理】
5分の遅刻を30分の遅刻として賃金カットするような処理は、労働の提供が
無かった限度を超えるカット(25分について)については賃金の全額払いの
原則に反し、違法である。※ただし、このような取扱を就業規則での減給の
制裁規定として、労働基準法第91条に定める制限内で行う場合は、全額払
いの原則には違反しないとされています。
【割増賃金計算における端数処理】
@1ヵ月における時間外労働、休日労働、深夜労働の各々の時間数の合計
 に1時間未満の端数がある場合に30分未満を切り捨て30分以上1時間
 未満を1時間に切り上げることは賃金支払い5原則および割増賃金規定
 違反とはならない。
A1時間当たりの賃金額および割増賃金額に円未満の端数が生じた場合
 は50銭未満を切り捨てそれ以上を1円に切り上げることは違反とならない。
B1ヵ月の時間外労働、休日労働、深夜労働の各々の割増賃金総額の合計
 に1円未満の端数がある場合に50銭分未満を切り捨て50分以上1円未満
 を1円に切り上げることは賃金支払い5原則および割増賃金規定違反とはな
 らない。
【1ヵ月の賃金支払額における端数処理】
@1ヵ月の賃金支払総額(賃金の一部を控除して支払う場合は控除した額)に
 100円未満の端数が生じた場合、50円未満を切り捨てそれ以上を100円
 に切り上げることは違反とはならない。※ただし、就業規則の定めに基づき
 行うこと。
A1ヵ月の賃金支払総額(賃金の一部を控除して支払う場合は控除した額)に
 1,000円未満の端数が生じた場合、1,000円未満の端数を翌月の賃金支
 払日に繰り返して支払うことは違反とはならない。※ただし、就業規則の定め
 に基づき行うこと。。



賃金台帳は重要な労務管理記録の一つ
〜賃金のルールを把握し、理解して給与計算を〜

賃金台帳は会社の労務管理の鏡と言っても過言ではありません。私は会社の賃
金台帳を見れば、その会社の労務管理の性格や体質が見える気がします。もち
ろん社会保険料額の適正さなども大切ですが、御社の賃金制度の具体的記録
として賃金台帳をとらえて見て下さい。


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