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年金と労働基準法の災害補償との調整

年金を受ける者が同一事由について、労働基準法の災害補償を受ける場合
は、年金が調整されることになります。

＜障害年金について＞

障害基礎年金障害厚生年金	６年間支給停止
労基障害補償	支給されます。

＜障害手当金ついて＞

障害手当金	支給されません
労基障害補償	支給されます。

＜遺族年金について＞

遺族基礎年金遺族厚生年金	６年間支給停止
労基遺族補償	支給されます。

＜寡婦年金について＞

寡婦年金	６年間支給停止
労基遺族補償	支給されます。

年金と労災保険との調整

年金を受ける者が同一事由について、労災保険給付を受ける場合は、労災
保険給付が調整されます。但し、障害手当金の場合は障害手当金は不支
給となります。

＜労災保険給付が以下の通りに減額調整されます＞

	障害（補償）年金	遺族（補償）年金	休業（補償）給付傷病（補償）年金
障害厚生年金障害基礎年金	７３％に減額	―	７３％に減額
遺族厚生年金遺族基礎年金	―	８０％に減額	―
障害厚生年金	８３％に減額	―	８６％に減額
障害基礎年金	８８％に減額	―	８８％に減額
遺族厚生年金	―	８４％に減額	―
遺族基礎年金	―	８８％に減額	―

※労働福祉事業による特別支給金は調整の対象にはなりません。
※同一事由により労災保険から障害（補償）給付が受けられる場合
は障害手当金の支給は受けられません。

年金と雇用保険との調整

６０代前半の特別支給の老齢厚生年金及び別個の給付を受られる者が、雇用保険
の基本手当を受ける場合は、求職の申込があった月の翌月から基本手当受給期間
の終了又は所定給付日数が満了する月まで老齢厚生年金が支給停止となります。

＜６０歳代前半の老齢厚生年金と基本手当の調整＞

	求職の申込をした翌月	基本手当受給終了の月	６５歳未満	６５歳以降
基本手当	基本手当受給
６０歳代前半の老齢厚生年金	老齢厚生年金全額支給停止		特別支給老齢厚生年金	老齢厚生年金
				老齢基礎年金

＜在職老齢年金と高年齢雇用継続給付との調整＞

６０歳以降厚生年金被保険者として働き続ける者についても、報酬により一定の減
額された老齢厚生年金（在職老齢年金）を受ける場合は、同時に雇用保険から高年
齢雇用継続給付がうけられる場合もあります。この場合は、在職老齢年金額が高年
齢雇用継続給付額に応じて、減額調整されることになります。

年金と健康保険との調整

健康保険から傷病手当金を受ける者が同一の傷病により障害厚生年金または障害
手当金を受けられる場合は、健康保険の傷病手当金は原則として支給されません。
また、健康保険の任意継続被保険者や継続療養などで退職した者が傷病手当金を
受けている者が老齢厚生年金や老齢基礎年金を受けることができる場合は原則とし
て傷病手当金は受けられません。

＜障害厚生年金と傷病手当金との調整＞

障害厚生年金を受けられる者が同一の傷病により傷病手当金を受けられる場合は
原則として、傷病手当金は支給されません。但し、支給される障害厚生年金を１日
あたりに換算した額より傷病手当金が多い場合は、その超えた部分が支給されま
す。

←――――――１年６ヶ月――――――→
傷病手当金の額	傷病手当金（超えた部分）
	障害厚生年金

＜障害手当金と傷病手当金との調整＞

傷病手当金を受けられる者が同一の傷病により、障害手当金を受けられる場合
は、障害手当金額に達するまでの期間つき傷病手当金は受けられません。

←―――１年６ヶ月―――→
障害手当金	傷病手当金

＜老齢基礎年金等と傷病手当金との調整＞

任意継続被保険者や健康保険被保険者資格喪失後の継続療養で傷病手当金
を受けられる者が、老齢基礎年金や老齢厚生年金を受けられる場合は傷病手
当金は支給されません。但し、老齢基礎年金等を合算した１日あたりに換算した
金額より傷病手当金が多い場合は、超えた部分が支給されます。

←――――――１年６ヶ月――――――→
傷病手当金の額	傷病手当金（超えた部分）
	老齢基礎年金等

他の支給事由による年金の併給調整

年金は老齢（公務員共済等は退職）や障害・死亡により、支給されるものですが、
支給事由の異なる年金は併給されません。例えば、障害基礎年金を受けている
者は障害厚生年金は同一支給事由なので受けることができますが、６５歳以降に
老齢厚生年金を受けようと思っても一緒に受けらずどちらかを選択することになりま
す。（支給事由が異なるため）しかし、６５歳以降老齢基礎年金と遺族厚生年金の
併給等は認められます。現在併給が可能なケースとして主に以下のパターンがあ
ります。

＜主なパターン①～⑤の複数に該当する場合どれか１つを選択＞

①	老齢基礎年金と老齢厚生年金	―
②	障害基礎年金と障害厚生年金
③	遺族基礎年金と遺族厚生年金
④	老齢基礎年金と遺族基礎年金	６５歳以降選択可能
⑤	老齢基礎年金と老齢厚生年金の１/２と遺族厚生年金（配偶者に限ります）の２/３	６５歳以降選択可能

※上記の他に旧法との組み合わせや共済との組み合わせなども認められる
場合があります。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。
※６０歳前半に老齢基礎年金の支給繰上げ請求をする場合は、障害基礎年
金や寡婦年金が以降受けられなくなります。
※平成１８年４月１日以降は障害基礎年金との併給調整が拡充される予定です。。

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