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a.Column番外編 −ルチオ・フルチ監督映画に観る視聴覚効果− |
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ホラーやオカルト映画といえば知られたフルチ監督である。 その映画の作品を見ると独特のセオリーで物語が進行する。 インパクトあるシーンから幕をあげ、謎めいた不可解さを醸し出しては平穏そうな一時。 そして奇妙な現象へと誘う。1つの空間に閉じ込められた者にジワジワ迫る効果。突発的に起きる惨劇。 まさに怪談・お化け屋敷といえるのではないだろうか。 肝試しというよりはイタリアの暑い南国気候のうだつさを払拭する冷汗をかかせる効果があるのかもしれない。 肝試しといって夜、墓場にはいれるような時代ではない。製作された意図等は知らないが、絶妙に濃い演出である。 なぜカトリオーナ・マッコールなのか?実に奇妙不可解、美女に野獣という効果。 女性より男性が断然魔物に強いが当然マッコールの役はさほど力もなく魔物に太刀打できそうにないが惨い惨殺シーンはない。 恒に頼もしい男性の傍らに主役級である旨味を出すダシ。 当然好感度や先入観を持てる役柄を酷いシーンで始末すると作品そのものに好感が持てない。 「墓地裏の家」で怪物化した博士に怪談から引きずり降ろされて頭をガンガン階段に打付けるシーンは巧みだ。 ちなみに間寛平ゾンビとフロイトスティンのマスク造型だけ類似している。それはタダの使いまわしなのだろうか。 子供の救出シーンといい「地獄の門」での生埋め救出シーンといい極限状態での効果も凄い巧みだ。冷汗もの効果覿面である。 もしもあれが数センチでも狂っていたら・・・という「if」的心理も観ている者に瀬戸際のキワモノさに悪寒を実感させる。
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