フィリピンの鉄道
Railroads of Philippines


歴史  History
 
 鉄道の開業時期は諸説が有り確定出来ませんが、イギリス資本のManila Railway Co.Ltd.が1891年3月24日マニラ〜ダグパン間の一部45キロ(マニラ〜マルロス)が開業した。翌年春月ダグパンまで169キロが開業した。その後北方線はサンフェルナンドU (San Fernando U)まで266キロ、南方線はレガスピ(Legaspi)まで468キロが開通した。
  1917年初頭フィリピン政府はManila Railway Co.Ltdの株式全部を買い取った。
1919年3月1日アメリカ資本のManila Railroad company of Philippinesが継承した。
1942年から1944年まで日本軍の管理下に置かれ1945年1月から1946年1月までアメリカ軍の管理下に置かれた。
  その後Manila Railroad company of Philippinesに返還された。
1964年現在のPhilippines National Railways(PNR)が設立される。

  フィリピン鉄道会社は、戦前、セブ島にDANAO  CEBU  ARGAO間96キロとPANAY IS.  ROXAS  ILOILO間116キロを営業してたが、1954年倒産しフィリピン開発銀行が経営を行った。それに伴い会社名も変化してる。
セブ島の線路戦後復旧せず廃止になり、パナイ島の線も1983年頃営業廃止になった。

その他砂糖きび鉄道や森林鉄道や鉱山鉄道が各地に点在してた。

フィリピンにはどのような線があるか?在ったか?
フィリピンの交通機関として鉄道はバスと比べ少しマイナーです。しかしマニラでは、かなり重要な交通機関です。フィリピン国鉄(Philippines national railways .PNR)、LRT1、MRT3、またマニラに東西方向の新しい線LRT2号線が開通。

Sugar Train

1910年PhilippinesのMindoro Is のサン・ホセ(San Jose)に本格的な製糖工場が出来、大規模な砂糖工業がスタートした。1912年Negros Is. San Carlos、1913年  Luzon Is.  Canlubang と続き更にその他のCebu Is.  Panay Is.  Leyte Is. に広がった。ネグロス島では、かって2千数百キロ(北海道から鹿児島くらい)も網の目(実際は製糖工場を中心とした放射状)のように線路が、張り巡らされてました。現在も数カ所残ってます。

Maining Line

Philippinesでは鉱物資源(金、鉄、石炭、クローム、その他)が各地で産出されたので、鉱山鉄道があった。

Cablecar

Manilaの南約60キロの避暑地Tagaytayのレジャー施設にCablecarとRopewayができた。
 

マニラの路線図   Railroad route map in Manila
マニラの鉄道網の地図です。工事中や計画中がかなりあります

フィリピン国鉄(PNR)Philippines national railways  

    フィリピン国鉄(以下PNR)は、南方線 首都マニラの下町タユマン (Tayuman)からルソン島南部のレガスピ (Legazpi)まで約446キロメートルの路線を持ってます。

以前は、これと別に 運行休止中のマニラからパンパンガ州を通り、ラ・ウニオン州サンフェルナンド(San Fernando.U)までの北方線が有りました。
北方線は縮小を繰り返した。縮小の過程はフィリピン小事典から引用させていただきました。

アキノ政権に変わってから、タルラック以北が運休となり、ラモス大統領の時に一時的にダグパン駅まで戻ったものの、1991年のピナツボ火山の大噴火のあおりを受けて北方線は全線運休となる。

なお北方線は、タユマンからカロオカンまで1駅間3.4キロ程が運行されてたが、カロオカンへの旅客営業は2003年に廃止された模様。カロオカンの工場へ修理の車両が回送されてる。
現在レガスピ行きの長距離列車は1日2本設定されてます。時間や運賃はこちらへ
タユマンからアラバン (Alabang)迄近郊列車が1日12往復、内夕刻の南行3列車は、さらに先のカランバやサンペドロ(San Pedro)迄行く。
南方線サンペドロ(San Pedro)からカルモナ(Carmona)まで、1973年4月の開通、2005年初めに廃線のCarmona線が有った。

軌間 1067mmでJR在来線と同じです。通行方向も左側通行で同じ。
1998年の終わりにJR東日本より、12系と14系が譲渡され現地で長距離列車に運用されてます。
2001年4月 新たに、12系10輌とタイタンバ25セットを譲渡したそうです。現在タユマン近辺の線路状態は、非常に悪く何時事故が起きてもおかしくない状況です。線路状態危険です。
  このほか民間会社が、タユマンからマニラ北港迄貨物線が有った。
PNR  Route map                    PNRの過去から現在までの路線図
PNR  Southern Station and Fare         PNR南方線の各駅のリンクと料金表
PNR  Northern                     PNR北方線の駅名とリンク
PNR  U.S. army timetable    終戦直後アメリカ軍が運行した当時の貴重な時刻表
PNR  Timetable                     出来るだけ最新の時刻表を載せています。
PNR  History                          簡単な歴史
  PNR 最新情報                        フィリピン国鉄の最新情報
New Project                      PNRやそれ以外の計画も

マニラの路面電車 Manila streetcar Tranvia
戦前マニラには路面電車が運行されていた。日本占領時代アメリカ軍の爆撃で壊滅的被害を受け、その後復旧されなかった。

戦前マニラからCavite州Bacoor市を経てNaicまで路面電車が有った、今でもゴチャゴチャした家が建ってる線路跡と、地名にその名残が残ってる。

またマニラ湾入り口のコレヒドール島 Corregidor Islandにも路面電車が運行していた。

LRT  MRT
    LRT 1                                                                     
          首都マニラのバクラランからモニュメントまで南北に走ってます。1985年5月開業。全長約14キロメートル。軌間 1435mm。車輛等増備してるが、何時も満員、冷房車が、入ったが料金がP13に値上げ。改札も近く自動改札になる。
2000年の暮れにテロで爆破された。

もう一つ新しいニュース。延伸工事が決定 (以下Yahoo!ニュースより)
バクララン駅(パラニャーケ市(?パサイ市))から、ラスピニャス市、モンテンルパ市を経由して、カビテ州ダスマリニャスに至る。10駅が新たに建設され、カビテには車庫が設置される。
工事は3期に分けて行われる予定で、第1期でバクラランからバコールまでを完成、第2期でイムスまで延長し、第3期でダスマリニャスまでの路線敷設が完了する。
この延伸計画がLRT6。

    LRT 2
  首都マニラの東西方向を結ぶ新線。レクト〜サントラン間14キロメートル。2003年4月アラネタセンター・クバオ〜サントラン間営業開始。2004年5月  アラネタセンター・クバオ〜レガルダ間開通、2004年10月最後のレガルタ〜レクト間開通。
LRTAのページによると、延伸計画としてサントラン〜アンティポロのMasinag Junctionまで約4KMがある。
そのプロジェクトがらみでLRT2をMRT2と書いた地図と記事がLRTAのページに書かれてる。

    MRT3
首都マニラのEDSA通沿いに、タフトアベニューからノースアベニューまで13駅あります。全長約17キロメートル。1999/12/15 ノースアベニュー〜ブエンディア間 開通。2000/7/20 ブエンディア〜タフトアベニュー間 開通。
残り区間のNorth Ave.からMonumentまで5キロ3駅を、2004年内工事開始、2年内完了予定。
これに伴い車輌を現在の73台から新たに48台購入予定。
これが開通すると、線路は直に繋がらないがLRT1と合わせループ状になる。

    LRT4
エスパーニャ ― ケソン通り − コモンウェルス通り − ノヴァリチェス 間。計画中

    LRT5
 
 PNR 北方線の敷地を利用し、マニラ − クラーク空港間を結ぶ高速鉄道路線のノース・レイル(北部鉄道)の一部に入る。
既に着工したが、総工費5億3百万ドルの内4億2100万ドルが、中国の借款、110億ペソを基地転換庁(BCDA)が支援する予定だったが、BCDAが撤退を示唆し不透明である。
計画では、4期に分かれ、1期工事がマルロスまで、2期がクラーク特別区まで、支線としてスービック特別経済区まで延伸、3期が首都圏タギック町フォート・ボニファシオ・グローバルシティまで、4期でラ・ウニオン サン・フェルナンドまでの計画。
    LRT6
1号線を南方向へ延長し ナヴォタスが終着駅である。計画中

    MRT 7
ラメサ・ダム貯水池やケソン市フェアビュー、フィリピン大学のあるディリマンなどを経由し、エドサ通りとケソン通りの交差する地点で、MRT3号線と接続する。鉄道区間は20キロメートルに及ぶ。

  LRT4と重なる部分が多い。

シュガーートレインSugar train
フィリピンでは、ネグロス島を中心に、パナイ島、セブ島北部、ルソン島パンパンガ州、ラグナ州、ミンドロ島、等で砂糖きび栽培が行われ輸送に鉄道が使われた。製糖会社の名前に使われるセントラルとは、製糖工場を指す。

ネグロス島Negros Island

Central Azucarera De La Carlota
ネグロス島では今も幾つかの製糖工場で鉄道が使われてます。年々数が減ってます。
  Sagay Central Incorporated    Victorios Milling Co.    Hawaiian Philippines Co.    Central Azucarera De La Carlota    Binalbagan Isabela Sugar Co.    Sonedco    Central Azucarera De Bais の 7社です。残念ながら現在 SLは、使われていませんがHawaiian Philippines Co.と Central Azucarera De La Carlotaは、Charterが可能です。
その他Negros島のSteamLocomotiveの写真ページはこちらです。
鉄道が残ってる製糖工場は、主に、ジーゼルが工場の中や工場付近で、使用されてます。 ただVictoriosは、鉄道輸送が終了しました。

Hawaiian Philippines Co.
その他 各地(確認したのは3ヶ所)で住民が、許可を得て線路を利用し、馬車鉄道を営業していました、しかし2004年1月現在全て廃止した模様です。
ネグロス島の砂糖産業は、不況で製糖会社が、幾つも倒産して廃墟となった工場が有ります。これらの会社も鉄道で、砂糖きびを運んでいたので、各地に廃線跡が残ってます。舗装道路には、あちらこちらに踏み切りが残ってます。
      ネグロス島では、3種類のゲージが使われてました。
         1067mm (3ft6in)

Sagay Central Incorporated
インシュラー・ランバー・カンパニー (Insular Lumber Co.) (森林鉄道)
ロペスシュガー・セントラル (Lopes Sugar Co.)
サガイ・セントラル・インク (Sagay Central Incorporated)

          914mm (3ft)

Binalbagan Isabela Sugar Co

Central Azucarera De Bais
ハワィアン (HawaiianPhilippines Co.)
タリサイ・シライ (Talisai Silay Central)
バコロド・ムルシア (Bacolodo Murcia Co.)
マ アオ (Ma-Ao Sugar Central)
ラ・カルロタ ( Central Azucarera De La Carlota
 ビナルバガン (Binalbagan Isabela Sugar Co)
ソネデコ (Sonedco)
以上の鉄道は、砂糖輸送全盛期には全て接続されてた。
サン・カルロス (San Carlos Milling Co.)
ダナオ (Danao Development)
バイス (Central Azucarera De Bais)

            610mm(2ft)
ビクトリアス (Victorios Milling Co.)

セブ島 Cebu Island 北部の町ボゴで2001年10月現在 ボゴ・メデリン・ミリング・カンパニー (Bogo Medellin Milling Co. Inc.)で砂糖きびの鉄道輸送が行われてます。こちらもジーゼルのみ使用です。
2004年6月 1929年以来続いた砂糖きびの鉄道輸送を終了した。線路や車輌の保守費用が嵩む為。

レイテ島 Leyte Island
オルモック・シュガー・カンパニー (Ormoc Sugar Company)
ヒデコ・シュガー・ミーリング・カンパニー (Hideco Sugar Milling Co. Inc. (HISUMCO)
HISUMCO) 両社ともゲージは610mm  (2ft)

パナイ島 Panay Island
北部のブレジデント・ロハス市にカピス・シュガー・セントラル (Capiz Sugar Central)が数年前までディーゼルで砂糖きび輸送を行ってた。ゲージは610mm  (2ft.)。中部のPassiには、ニュー・フロンティア(New Frontier Sugar Corp.)ゲージ1067mm  (3ft.6in.)とパシ・シュガー(Passi Sugar Central)が在った。パシ・シュガーは鉄道が有ったような施設が見られたがレールは未確認です。
Iloiloの北東のBarotac Nuevoに セントラル  サントス  ロペス (Central Santos Lopez)ゲージ610mm  (2ft)が在るが、既に操業は停止してる。

ルソン島Luzon Island パンパンガ州などに幾つかの製糖会社が在りSLも使われてました。この地区はPNRと接続するため1067mm  (3ft6in.) が主につかわれた。
ターラック州のCentral Azcarera De Luisita  パンパンガ州サン
フェルナンドのPampanga Sugar Development Co.
Pampanga Sugar Mills.
ラグナ州CanlubanにCanluban Sugar Estate
これとは別にナスブ(Nasugbu)にCentral Azucarera Don Pedroが存在した。ゲージは914mm.(3ft)

ミンドロ島Mindoro Island San Jose
鉱山鉄道Mining line
 
Balatoc Mines
バギオ市郊外(Baguio city)の元金鉱山跡で、観光用に運転されてる。

Paracale
Mines

ルソン島南部のカマリネス・スアにパラカレ鉱山が在って鉄道が存在した。

Jose Panganiban 
Mines

ルソン島南部のカマリネス・スアのJose Panganibanにも鉱山が在って鉄道が存在した。

Acohe
Mines

ターラック州のクローム鉱山アコヘ(Acohe)に協三工業が6トン防爆型機関車を納入してる。

この鉱山以外にもクローム鉱山が幾つか存在したので今後調査したい。

Cebu島

セブ島は、ダナオ、ナガ、アルガオで石炭が産出し、フィリピン鉄道の接続線が有った。
Dalaguete
先ごろ、セブで炭鉱の落盤事故が起き新聞の写真に線路が写ってたそうで、現在も炭鉱鉄道が存在してる。

森林鉄道 Lumber  line
ネグロス島北部のファブリカにはインシュラー・ランバー・カンパニー (Insular Lumber Co.)
    また戦前、ミンダナオ島ダバオやアグサンには日本人が経営した森林鉄道が在った。
    ルソン島カマリネス・スアには、サンドロケ(SAND LOGGING COMPANY)????が在った。

パナイ島 Panay Island
歴史の項で書いた様にフィリピン鉄道(パナイ鉄道(イロイロ〜ロハス間)が在ったが1983年以来運行停止中。(フィリピン航空のHPには運行中の様に書いて有りますが、現在運行停止中)再生の計画も有る。1067mm(3ft 6in) Iloilo付近
 現役当時の貴重な写真が高島平パソコン倶楽部のページに載ってます。


ミンダナオ島 Mindanao Island
Davao Del Norte州のTagumに程近いCompostela Valley州のMacoからでてる森林鉄道が有った。
Davao Del NorteのTagum郊外のSto.Tomasに、アバカ栽培用の鉄道が有った。
戦前、アグサン州のギンゴーグ(Gingoog City)に日本人経営の森林鉄道が有った。
製糖会社の鉄道については情報がありません。

新線計画 (New Project)

参考にした書籍や地図 (Book & Map)

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